校長ブログ

おがっちBlog

【おがっちBlog90】激励

 この時期になると校長室での楽しみが増える。

 校長室の窓の向こう側にある「紅葉」である。

 太陽の光で、真っ赤に染まった紅葉の葉が

校長室に押し寄せる。そのチカラを背中で

受け止め仕事をするという快感。そして、

仕事の手を休め、窓越しに紅葉と向き合うと、

目前の朱色に圧倒される。

 この瞬間は、癒やされると言うより、

「もっと、校長という仕事に燃える気持ちを

込められるハズ。」と、激励されている感覚に

陥る。それだけの迫力なのだ。

 窓を開けて、同じ空気を感じる。

 この場所に「紅葉」を植栽した先人の気持ちを

確認したい。歴代校長はこの「紅葉」を観ながら

どんなことに思いを馳せていたのだろうか?

 1本の「紅葉」が様々な想いを繋いでくれる。

 ただただ、感謝である。

【おがっちBlog89】「希望の人」

 現在3年生は、進路目標達成のために、それ

ぞれの場所で動き始めている。3学年団が駐在

する第2職員室の入り口には共通テストまでの

カウントダウンボードが設置され、着実に

その日が近づいていることを伝えている。

 学校推薦型選抜や総合型選抜で受験する

生徒は、校長室に受験届や公欠届に必要な私の

押印を求めに校長室を訪れ、神妙な面持ちで説明

を行う。

 そこでの生徒との会話は、私にとってとても

楽しみな時間である。教師として生徒の進路に

ついて会話ができることは、もっと言わせて

もらえば、生徒自身の人生について、大事な決断

をし、そこに挑もうとしている生徒からその決意

を直接確認することができる。

 葵での高校3年間を全うしようとし、その中で

成長してきた生徒と向き合うことができるまさに

至福の時間である。

 私「キミは、この大学に進学し、どんな仕事に

就きたいのですか?」

生徒A「父親が〇〇学校の教諭をしており、その

姿を見て誇りに思い、自分も〇〇学校の教員を

目指したいと思っています。」

生徒B「母親が医療関係の仕事に就いており、

毎日子育てをし、帰りも遅いのに、それでも仕事

に誇りを持ち、頑張っている姿を見ているので、

自分も母と同じ仕事で頑張りたいと思ったから

です。」

生徒C「自分は葵ゼミで経済について研究し、

将来この分野で働いてみたいと感じることができ

ました。ゼミでの研究は自分にとって影響を

与えてくれました。」

生徒D「小さい頃から音楽に接し、吹奏楽部で

音楽の素晴らしさを感じることできました。

その為、自分の奏でる音楽で多くの人たちが癒や

されて、幸せな気持ちになってほしいと考え、

自衛隊の音楽隊で働きたいと思っています。」

生徒E「自分は演劇が好きで、よく観ていまし

た。その様な中、俳優ではなく、その演劇に必要

な舞台装飾や小道具を作成する仕事に惹かれ、

それを仕事にできればと思いました。」

 生徒からは自分の将来を見据え、その為に

必要な資格取得や知識を学ぶために大学や専門

学校を自分で選択し、決断したことを、目を

輝かせ私に話してくれるのである。

 キミたちの決断が行動を起こし、自分自身で

未来を引き寄せる。

 そう、キミたちは「希望の人」である。

 

  葵高校第21期生のキミたちに贈ります。

「希望のあるところに人生がある。

 希望は新しい勇気をもたらし、何度でも

 強い気持ちにしてくれる。」

 アンネ・フランクの言葉です。 

【おがっちBlog88】「三分の一の悪人」

 この言葉は、諏訪中央病院名誉院長である

鎌田實(みのる)氏の言葉である。鎌田氏は国際

医療支援や作家としても幅広く活躍している方で

あるが、私は、ある本を読んでいる中で、鎌田氏

のこの言葉に興味を惹かれた。

 鎌田氏は、日本を代表する臨床心理学者である

河合隼雄氏の「三分の一の常識人」という言葉

から自分なりに考えた言葉であると話していた。

それは、「三分の一の常識人」が自分の中に存在

するという河合氏の言葉から、鎌田氏は「自分の

中に「三分の一の悪人」がいるんだと納得する

感情が存在し、むしろその悪を知っているから

こそ、これまで医師と作家という仕事を続ける

ことができた。河合先生が「三分の一の常識人」

によって世の中を生きていくことができたと

すれば、私の場合には「三分の一の悪人」が表に

でないようにすることが、働くことであり、

生きることだったのかもしれない。」と話す。

河合氏の言葉については、河合氏の愛弟子といわ

れる皆藤章氏は「全部でも、半分でもなく三分の

一だからこそ、自分の個性を十分に発揮しつつ、

世の中の常識、ルールに則って生きていける。」

と解説している。そして、河合氏も「これが、

二分の一の常識人」だったら、きっと模範的では

あってもつまらない人間になるでしょうし、私も

「二分の一の悪人」だったら、今頃どうなって

いたか分からない。」と話していた。

 自分のことは自分がよくわかる。と一般的に

使われる言葉はあるが、善も悪も、それが自分の

中でどの位の比重を占めているか分からないし、

自分は悪い部分が多いのではないか、常識が

備わっていないのではないか等々、自己嫌悪に

苛まれることは度々ある。

 そんな中、私はこの「三分の一の悪人」という

言葉を聞いて変な安心感が生まれた。つまり、

完璧な人間など存在するはずはなく、誰しもが

善と悪を持ち合わせ、悪の自分が出てしまった

ときに後悔し苦悩する。悪を存在させたくない、

自分から排除しなければならないと考えるのでは

なく、自分の中にも悪は三分の一存在し、その

ことを自覚しながら、その悪が出ないように

意識し、残りの三分の二が自分にとって大切に

しなければいけところと肝に銘じ生きていくべき

ではないかと考えたからである。

 キミたちは、自分の悪にどう向き合っている

か、考えてみてほしい。

 

【おがっちBlog87】知事が葵で特別授業。

 10月11日(金)内堀知事による特別授業が

本校で開催された。これは、県の復興・総合

計画課が主催し、福島県総合計画について、

未来を担う若者世代に周知するとともに、

本県の将来について知事と一緒に考え、

意見を交わすことを目的とし、本校が選ばれ

開催されたのである。

 1年生と教職員210名がこの授業に参加した

 鈴木詩乃さんが知事を案内し、ギターマンド

リン部の演奏で知事が体育館に入場してくると、

参加者の緊張感は一気に高まった。司会を担当

した渋谷百那さんの開式の言葉を受け、

いよいよ知事の授業が始まった。

 会場に張り詰めた緊張感は知事の発した

「葵高校の皆さん、こんにちは」の一言で、

一瞬にして知事ワールドへ引き込まれた。

 知事がわかりやすく総合計画について説明し,

軽妙なトークで生徒たちに話しやすい雰囲気を

作り出していただいた。知事はその機を逃さず

ステージを降り生徒に質問し、生徒とのやり

とりが始まった。知事は、挙手をし質問に答えて

くれる生徒の近くまで出向き、直接目を見ながら

対話を楽しみ、必ず「ありがとう」と伝えて

対話を終える。

 ・知事が高校生にお薦めの本は何ですか?

 ・どうして、福島県の知事になろうと思ったの

  ですか?

 生徒たちも、その状況に緊張しながらも、

勇気を持って質問する姿が頼もしかった。

 あっという間に授業が終わり、生徒代表の

遠藤南雛さんが、知事にお礼の言葉を述べた。

そして、知事からサプライズの提案が。

参加した1年生全員とハイタッチをしたいと

申し出てくれたのだ。生徒たちは、喜びと

驚きで満面の笑みを浮かべたり、ガッツポーズ

をしたり、手を制服で拭いてそのときに備える

等々、様々な表情を見せていた。

 本校にとっても、生徒にとっても貴重な時間

となり、知事が去った体育館は暫く興奮冷め

やらぬ状況であった。すると、県の担当者が

「知事から電話が入り、校長に代わってほしい」

と言われ、その方の携帯電話で知事と話した。

 知事は、本校生徒の聞く態度、それぞれ役割の

あった生徒の対応、勇気を持って質問してくれた

生徒への感謝、お礼の言葉を述べた遠藤さんの

内容が素晴らしく感心したこと、そして、この

ような生徒に向き合い指導している先生方への

労いの言葉を述べてくれたのである。

 私は、片付けをしていた生徒をもう一度集め、

知事からのメッセージをその場で伝えた。

 わざわざ移動の車中から電話をくださる知事の

心遣いに嬉しさが込み上げた。知事のお人柄を

直接感じることができた時間になった。

 生徒にとって、一生思い出に残る時間を

提供いただきました知事、そして県の担当の

方々に心から感謝申し上げます。

「葵プライド」を自覚し、葵高校は未来へ

進んで参ります。

【おがっちBlog86】同窓会とのコラボ。

 本校同窓会については、このblogでも

何度か書かせていただいた。その同窓会の

活動がコロナ禍からのリスタートに合わせ

スピード感を持って事業の推進を図っている。

そのひとつが、オリジナルトートバックの制作で

ある。新城同窓会長のもと、事業委員会が中心と

なって企画を練り始め、同窓会と在校生のコラボ

ができればということで、バックのロゴデザイン

を本校美術工芸部員に依頼したいと申し出が

あった。この依頼は本校にとっても、部員に

とっても有り難いものであり、早速デザイン作成

に取り掛かった。

 まず、美術工芸部の希望者でコンペを実施、

その中で古川礼さん(3年生)が選出された。

古川さんはデザインを考案するにあたり、同窓会

の意向を踏まえるため何度か協議を重ね、同窓会

役員にアンケートを取るなどしてイメージを

固めた。また、校章にもあるフタバアオイを採用

したり、本校に咲き誇るタチアオイも使い、

アルファベット文字も自作しながら渾身の

デザインが完成した。

 新聞記事にも取り上げていただいたが、先日

そのトートバックの完成披露会が開催された。

 新城会長は、「同窓会と生徒がコラボして

作品が出来上がったことを嬉しく感じている。

今後も、より一層生徒支援を充実させていき

たい。」と話してくれました。

 また、古川さんは、「デザインを考案する

のは難しかったが、いい経験をさせていただき

ました。何より同窓会の皆さんに、仕上がりに

満足していただいたのが嬉しかった。」と

笑顔で話してくれました。

 古川さんにとっては、緊張感と不安、そして

納得してもらえるデザインにしたいという様々な

想いを持ちながら、幸せな時間を過ごしたのでは

ないでしょうか。このような機会を提供していた

だいた同窓会の方々に心から感謝申し上げます。

生徒の可能性を引き出すことは、葵高校にとって

大切な教育目標であり、その部分を同窓会に

サポートしていただきました。

 生徒の未来を、生徒自身が見出すことのできる

学校作りをしていきますので、これからも、

温かい目で見守っていただきたいと思います。

 

 

【おがっちBlog85】「全力」球技大会。

 最高の天気に恵まれ、球技大会開催。

 各クラスのTシャツが色鮮やかで、それぞれの

センスが発揮され、見ているだけで楽しくなる。

 競技時間の確保、暑さ対策もあり開会式は放送

で行った。その中で私は、こう話した。

 「皆さん、おはようございます。

 今日から10月です。今年も残り3ヶ月になり

ました。そして、今日は待ちに待った球技大会

です。この大会の運営に携わってくれた運動委員

の皆さん、先生方そして、キミたちの勇姿を記録

に残すため写真撮影をしていただくPTA役員の

方々に心から感謝いたします。

 さて、学校行事はまさに季節を感じる行事だと

思います。10月は、球技大会、修学旅行があり

ます。しかし、各学年によって、この季節の感じ

方はちがいます。3年生の皆さん、今日は皆さん

にとって高校生活最後の球技大会となります。

昨日、3年生の女子と廊下で話しました。

「明日の球技大会で私たちの学校行事、最後なん

ですよね。」と淋しそうに話していたのが印象的

でした。残り半年となった葵での生活を愛おしく

楽しみたいのだと感じました。

 今日からの球技大会を、これまで培ってきた

チームワーク、友達との思い出、そしてたくさん

の笑顔が詰まった時間を思い出しながら、

一瞬一瞬を楽しんでください。この大会は、

結果以上に、これまでの努力や友情を感じる

大切な日です。全力でプレーし、笑い合い、

仲間と最高の思い出を作ってください。

 1.2年生の皆さん、先輩の胸を借り、

競い合う最後の機会となります。正々堂々と

戦い、先輩達の凄さを目の当たりに感じてくれる

ことを期待しています。

 全校生の輝く姿を楽しみに、そして、

それぞれの想いを胸に、2日間全力で楽しみ

ましょう。」と。

 3年生の全力での戦いぶり、クラスの団結は

見ていて気持ちいいほど凄まじい(笑)この姿

こそが、後輩に大きな影響を与えるてくれると

思う。進路目標達成に立ち向かう覚悟を潔くする

ために、最高の笑顔で、そしてこの一瞬を全力で

楽しんでいる生徒たちを愛おしく感じた。

 最終試合は、教員チームと各競技優勝チーム

とのエキシビジョンマッチ。本校教員は、生徒に

忖度することなく、全力で戦い、大人の壁を

見せつけようと必死だったが、残念ながら

心と身体のアンバランスを見せつけただけで

あった。 (´;ω;`)ウゥゥ

  いずれにしても、素敵な2日間になった。

 平日にもかかわらず御協力をいただいた、

PTA役員、広報委員会の方々に、心から感謝

申し上げます。 

 

 

 

【おがっちBlog84】雨の会津まつりが繋いでくれたもの。

 今年の会津まつりは、雨。 早朝の天気予報を

見る限り、「今年は中止だな」と残念な気持ち

でいたが、通常開催の決定。

 会津若松市、なかなかである。

 しかし、学校へ向かう道すがら、傘を差し

鶴ヶ城へ向かう家族、年配の夫婦、そして

インバウンドの方々の嬉しそうな様子を見て、

この日を楽しみに全国、海外から会津を訪れた人

地元でこの日を大切に考えている人がたくさん

いることを思うと、雨=中止と簡単な判断は

できないんだろうと思った。

 学校へ向かったのには訳がある。それは、本校

舞踊部が出陣式で娘子隊演舞を行う為、同行した

のである。 今回の会津まつりで舞踊部の担当を

してくれたのは、市役所の女性職員で、話をする

と葵高校としての1期生であることが分かった。

とても感じがいい方で、後輩が悪天候の中でも、

練習の成果が発揮できるようにと様々な気遣いを

してくれた。その気持ちが、繋がりが嬉しく感じ

た。 舞踊部の生徒も、私が思うほど雨など気に

する様子はない。「自分たちのやるべきことを

やるだけ。」と強い意志を感じた。そんな中、

演舞の前に、控え場所で隣になった出陣式の

関係者が声を掛けてきた。「毎年、葵高校の

演舞を見ると先人の想いが伝わり、涙が出る

んです。」と気持ちを伝えてくださった。

 部員達の覚悟が、その演舞が、会津の歴史に

思いを馳せる人の心を動かす。ここでも、人と

繋がった。

 今年も会津まつりに参加していただいた

綾瀬はるかさんは、出陣式の挨拶で

「雨が降っているけど、さすけねえか?

(大丈夫ですか)」と会津弁で参加者を気遣い、

「目いっぱい楽しんで最高の1日にしましょう」

と呼び掛け拍手を浴びていた。新聞の記事には

「綾瀬さんが毎年参加してくれるのは感謝しか

ない。そのおかげで会津にこれだけの人が来て

くれている。」と書いてあった。大河ドラマ

から繋がった会津との縁を綾瀬さんは今でも

大切に繋いでくれている。

 そして、その夜は、前日中止になった

「会津磐梯山踊り」が実施された。私は、

同窓会の方々から教わった「会津磐梯山踊り」を

踊っている人々が見たくなり、神明通りに足を

運んだ。きっと踊っている方の中に、同窓生の

方もいるんだろうなと思いながら見ていると、

本校男子生徒の何人かが、別々の場所で

「校長先生!」と声をかけてくれたのである。

 嬉しかった。とっても。

 多くの人の会津に対する想い、その想いが形に

なり、本校生徒を含めた様々な人の繋がりを生み

出し、会津が忘れられない場所となる。

 雨の会津まつりが様々な繋がりを感じさせて

くれた1日。それは、秋の気配を感じた、

爽やかな1日になった。

【おがっちBlog83】「見えない力」を育む。

 キミたちは、「見えない力」という言葉を聞い

たことがあるだろうか?実は今、教育界において

「見えない力」が注目されつつある。

 「見えない力」があるということは「見える

力」があるということ。それぞれの説明を

ベネッセ教育総合研究所の岡部主任研究員が

わかりやすく説明している。

 「見える力」=知能検査や学力テストで測定

される力。これを認知能力と呼ぶ。

 「見えない力」=自制心や好奇心、協調性、

やりぬく力などの情緒や社会性に関する能力。

これを非認知能力と呼ぶ。

 ということだ。なぜ、この「見えない力」が

注目されているか。それは、非認知能力は、より

よい人生を送るために必要な資質・能力として

必要であり、幸福度の向上や身体的健康の増進、

反社会的な行動の減少など、生涯にわたって

大きな恩恵をもたらすことが、様々な研究に

よって明らかになっているからである。

 さて、本校のグラデュエーションポリシー

(卒業までに、このような生徒を育てます)に

目を向けると、「自立・自学の校訓のもと、

主体的に考え、判断し、行動できる人材を育成

する。」である。

 このポリシーは、まさに「見えない力」、

非認知能力そのものであることがわかる。

先生方は、その「見えない力」がどのように育成

されたかを知るために悩む。「見えない力」を

見える化しなければならないのである。

 実はそのために、本校には「葵高生が身につけ

たい10のチカラ」を明記し、そのチカラを

見える化するためのルーブリックが存在する。

校内の至る所にこのルーブリックが貼ってあり、

これにより、キミたち自身が、そして先生方が

日々の振り返りによって、自己認識と自己調整が

可能になると考えている。

 改めて、このルーブリックを見直してみて

ほしい。きっと、葵高校の生活の中で自然に身に

ついている、キミたち自身の「見えない力」が

見えるのではないだろうか。

 キミたちには、「見えない力」を見える化

する。つまり、今の自分をもう一人の自分が

客観的に見られる能力を身につけてほしいと

思っている。

 

 

 

 

【おがっちBlog82】「未見の我」を見つけ出すためには?

 以前にもこのblogで書いたことがある。

「未見の我」とは、未だ出会ったことのない自分

という意味である。そのためには、様々な経験や

人との関わりの中で、新たな自分を見いだすこと

ができるのだと思う。

 先日、本校生徒が、会津支援学校で開催された

「ボランティア学習会」に参加してきた。この

学習会の趣旨は、この学校に通う生徒の保護者が

子育ての中の様々な経験談を話すことで、障がい

のある子どもたちへの理解の輪を広げるとともに

障がいに応じたサポートが重要であることを伝え

たいというものである。本校生徒を含めた会津

市内の高校生11名が参加し、障がいのある子ども

たちに対する理解が広まったようである。

 参加した生徒の感想には、

・自分の知らない考え方がたくさんあり、新しい

発見があった。

・お母さんたちは、大変ではあるが嫌だとは

思っておらず、ポジティブで明るくすごいと

思った。

・お母さんたちの言葉に感動した。実際の事例を

見て考えることで、具体的にどんなことをしたら

いいのかわかった。

・これからも積極的に関わっていきたいと思った

し、みんなにも障がいについて知ってもらいたい

という思いが強くなった。

・父親が携わった職業だからという気軽な気持ち

で参加した会だったが、将来、障がいをもつ子が

楽しめる社会作りに携わりたいという自分の夢が

広がった。

・小さい頃から障がいについていろいろな動画を

見てきたが、生で触れ合うことは少なかったので

参加できてよかった。

・起業して障がいをもつ人たちの施設などが作れ

たらと思った。

 参加した生徒のほとんどが、今回の経験により

「未見の我」を見いだすことができたのではない

だろうか。継続的に開催している会津支援学校の

関係者各位に敬意を表したい。

 現代社会は、SNSの発達により、多くの

情報を気軽に、一瞬にして手に入れることが

できる。しかし、自らが経験したり、関わった人

から直接話を聞いて感じることの方が、情報に

感情がプラスされ、心に深く刻まれるのでは

ないか。つまり「未見の我」を見いだした喜びも

軽い感覚ではなく、心から新たな自分と出会えた

という感覚に満たされるのだと思う。

 葵高生には、成功経験だけではなく、悩み、

苦しみ、多くの失敗も経験してほしい。そこから

感じる全てが、キミたちの未来に繋がると信じる

からである。そして、そのために、葵高での

日常が存在している事を忘れないでほしい。

【おがっちBlog81】葵の夏 2024!

 朝夕は、爽やかな風が吹き始め心地よい気分に

なるが、日中は暑い日が続き、処暑の訪れを望み

たい。

 今回は、葵の夏を何枚かのスナップ写真で

紹介したい。

☆エントリー1「男子トイレに葵タワー出現?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 男子トイレに颯爽とそびえ立つタワーを発見

した。誰がどのような意図で作成したのかは

不明であるが、トイレを訪れた男子生徒の

子供心を擽ったことは間違いない。

 もしかして、第2タワーの作成に着手するの

かと思いきや、2日後にはさら地に戻っていた…

(^-^*)

☆エントリー2「中秋の名月」

 

 

 

 

 

 

 

 

 家庭クラブの生徒が毎年購買室隣に作成して

くれる「葵版 中秋の名月」。今年の中秋の名月

は、9月17日であるが、葵版では、ウサギの

餅つきが何とも可愛らしい。

 生徒たちのさり気ない心遣いが本校の特色で

ある。

☆エントリー3「葵 オアシス」

 

 

 

 

 

 

 

 

 1棟と2棟を結ぶ2階通路。私はこの空間を、

「葵オアシス」だと常々感じている。

 生徒同士、教師と生徒、先生方がそれぞれ、

ここに集まり進路の話、読書、学習、相談等々

を行う場になっている。ここから様々な希望が

生み出されているのだろうと想像する。

☆エントリー4「カウントダウン!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、第2職員室(3学年関係者常駐)入口

にあるカウントダウンボードである。3年生に

とっては毎日、目に飛び込む数字となる。この

数字の変化から、3年生はいろんな感情を抱き、

自己と向き合うことになる。全ては、自分の

感じ方次第。みんなで、頑張ろう!!

☆エントリー5「風情あり。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 2年5組の入り口に佇む風鈴。

 きっと、廊下を渡る風や生徒たちの行動が

その時々の音色を奏でるのであろう。その音は

生徒たちにどんな感情を届けるのか。そして

その音を聞いた生徒たちは何を感じるのか。

感じてくれるのか。とても興味がある。

 それぞれが、2024 葵の夏の細やかな

1ページ。素敵な場所です。

 

 

 

 

【おがっちBlog80】星に願いを!

 本校図書館では、毎年七夕にちなみ、図書館

入り口に笹の葉を準備し、生徒に短冊を書いて

もらい飾るというイベントを開催しているが、

今年は近年で最も多い151枚の短冊が集まった

ようである。七夕の短冊の由来は、古代からの

日本の祈りの風習と中国の伝説が結びついた

ものと言われており、願い事を文字にすること

で実現への意志を強くするという日本独自の

文化として大切にされている。

 そこで私は、生徒がどのような願いを短冊に

したためたのか興味があり、内容を精査してみた

 因みに私が小学生時代に短冊に書いた願いは

「プロ野球選手になれますように」だったと記憶

している(笑) 

 精査の結果、

第1位「進路目標達成や成績向上」31短冊

これは、想定通りであった。生徒は神にもすがる

思いで日々努力を重ねているのである。中には、

・日本史で報われますように。

・古典の授業で、指名されませんように。

・先輩が合格できますように。

・赤点回避!!

といった、内容もあった。

第2位「恋愛に関する願い」30短冊

生徒にとってはとても切実なのだと思う。

願いが叶い、いや叶わなくても高校生活に彩りを

添えるのは確か。今の気持ちを大切にしてもらい

たい。

・もらった浴衣が無駄になりませんように。

 彼氏がほしい。切実に!

・一緒に夏祭りに行けますように。

・好きな人の、好きな人になれますように。

・彼女ください。

と、願い方も様々である。

第3位「社会的な願い」16短冊

個人的な願いや成績向上などの願いだけではなく

社会正義に関する願いを書く人が増えている。

・葵高生のみんなが毎日ハッピーに過ごせます

 ように。

・世界が平和になりますように。

・幸と愛

・大好きな人達が元気に暮らせますように。

 本当に、優しい気持ちを持つ生徒が多いと

感じる。

第4位「健康に関する願い」15短冊

特に代表されるのが、

・目指せ-10kg

・3kg落とす!!

・美味しい物を食べても体重が増えない身体

 ください。

等々、体重に関する願いであった。また、

・腰の痛みがなくなりますように。

・切実に身長が欲しい。

・足痩せできますように。

・家族みんなが健康でいれますように。

という願いもあった。 

 その次に、部活動に対する願いが多かった。

 最後に、特別編として紹介する。

・何事も適度に頑張れますように。

・人間関係が広がりますように。

・大人な1年になりますように。

・自分を愛せるようになりたい。

・強く生きる。

・世界一の女優になれますように。

・平野先生が元気になりますように。

・可愛くなって高校生活を全力で楽しむ。

 自分の想いを素直に短冊にしたため、星に願う

生徒の姿を想像するだけで胸が熱くなる。

 現代ではSNSによる情報発信が主流となり、

自分の気持ちを自分の文字で書くことは少なく

なっているのではないか。

 この風習が葵高校に残っていること。そして、

葵高生の本音が詰まった貴重な短冊を読むことが

出来て、嬉しく思う。

 因みに、短冊は、陰陽五行説に基づいた五色

(青(緑)、赤、黄、白、黒(紫))の紙を

用いることが多く、それぞれが異なる願いを表す

とも言われているようだ。本校の短冊もこれらの

色の紙を用いています。

 図書館関係者の細かな配慮に感謝です。

 「この思いが、全校生に伝わりますように」と

願いを込めて。

 

【おがっちBlog79】2学期始業式

 8月22日、2学期始業式を行った。2学期は

生徒にとって、様々な行事が予定されている

だけではなく、3年生にとっては重要な時期

になる。その始業式の中で、この夏、私が感じた

ことを校長挨拶として述べた。今回はその内容を

記したいと思う。

 

 まずは、全校生の中に大きな事故や事件に巻き

込まれたという報告もなく2学期の始業式を迎え

られたこと嬉しく思います。君たちは進路活動や

課外授業、部活動、大学見学、ボランティア等に

励み、意義のある充実した夏休みを過ごしてくれ

たのではないかと思っています。

 さて、2学期始業式にあたり、私がこの夏感じ

たことを話したいと思います。それは、葵高生の

計り知れない可能性を目の当たりに感じることが

できた。そんな素敵な夏になりました。

 夏休み直前の合唱部定演から先週開催された

吹奏楽部定演まで本校生徒の活動を見たり、参加

することができました。

 合唱部定演では、少ない人数でも、お互いを

信じ合い、今まで先輩方ができなかった校歌の

混成合唱にチャレンジする強さと優しさを感じる

ことが出来ました。

  野球部は甲子園を目指した1回戦で安達・本宮

高校の連合チームと対戦。終盤に逆転され無念の

敗退となりました。しかし、渡部主将の大きな

声は球場に響き渡り、全員が最後まで諦めない姿

で戦い抜いたことに勇気をもらいました。

 ギターマンドリン部の定演では定演の後に、

私のもとへギターマンドリン部に所属していた

という同窓生の方が来て、今でもギターマンド

リン部が存在していることの喜びと、心に響く

演奏をしてくれたことへの感謝の言葉をいただ

きました。

 インターハイには、弓道部の星野翔和君が

出場し、本県代表として、葵高校の名札を付け

全国の精鋭たちと正々堂々と戦いました。

インターハイという大舞台でも緊張感を感じ

させず、いつも通りの弓道をやり遂げた星野君の

強さに驚かされました。

 茶道部からもお茶会に招待され参加してきま

した。3年生にとっては最後のお茶会と言うこと

で、茶道部で学んだ作法の集大成を拝見させて

いただきました。1つ1つの所作には意味があり

迷いのない自然な動きに、ただただ感心させ

られるばかりでした。茶道部員は、誰もが身に

つけることの出来ない所作を見事に会得したの

だと感じることができました。

 また、家庭クラブの夏野菜をメインにした

創作料理の試食に招かれました。生徒1人

1人の感性と個性豊かで、想像力に満ち溢れた

料理を食し、毎日自炊をしている私にとって

食の大切さと、ありがたさを身にしみて

感じる時間となりました。

 美術工芸部の夏祭りにも参加しました。

スイカ割りやスーパーボールすくい、かき氷

等々久しぶりに童心に戻り、貴重な時間を

過ごすことができました。美術工芸部に対し

ては、部員がお互いの存在を認め合い、

芸術を楽しみ、各自の能力を引き出すために

日々努力している姿が印象に残っています。

 書道部の大作にも驚きました。体験入学で

参加した中学生に「葵」をメインにした

2つの書を披露し書道部の存在感をアピール

してくれました。書道には、心に深く訴える

力があると思います。文字そのものが持つ

意味だけではなく書き手の感情や個性が、

筆の動きや墨の濃淡、線の勢いに表れると

感じます。1号棟2階廊下に展示してあり

ますので、是非見てください。

 最後は、吹奏楽部の定演です。會津風雅堂の

1階席のほとんどが観客で埋まっていました。

約800人の方が来られたと聞きました。

部員が自ら考えたプログラムには、様々な

工夫が凝らされ、聞く人を葵ワールドに引き込ん

でいました。音楽の素晴らしさだけではなく、

本校生の持つ、凜とした姿と底知れない力がある

ことを見せてくれました。

 本当にありがとう。

 これらが、この夏私が体感し、私自身が

未見の我を見出したかけがえのない時間となり

ました。葵高生の計り知れない可能性を

目の当たりにし、嬉しくてたまりませんでした。

そして何より、君たちの持つ可能性を信じ、

引き出してくれている先生方の力を改めて知る

ことができました。

 全ての部活動、学校生活を通して、決して

君たちは、1人ではないこと。お互いを尊重し、

愛おしい気持ちを持ち、コミュニケーションが

どれだけ大切かを知ることこそが必要です。

この夏の出来事は、今話したそれぞれの部員

だけが持つ力なのではなく、葵高生の全てが

秘めている能力を、それぞれの部員が代行し

表現してくれたのだと思います。

 私が君たちと接し、感じたのは

「葵高生はもっと自分を信じていい」し、

「自己を肯定する勇気を持っていい」という

ことです。

 多くの生徒が「葵プライド」全開で活躍した

熱い夏になりました。

 いよいよ勝負の2学期が始まります。3年生は

進路目標の実現の為に、1・2年生は部活動での

活躍や将来の自分を見つけ出す為に、何をすれば

いいのか、考え、実践して欲しいと思います。

 君たちにとって、実り多い2学期になることを

 大いに期待し、私の話とします。

  

 

 

 

【おがっちBlog78】154㎝のグッドルーザー(Good Loser)

 パリオリンピックが、盛り上がりを見せ終了

した。キミたちは、今回のオリンピックで何を

感じたのだろうか?

 私はグッドルーザーと言う言葉が気になった。

グッドルーザーとは、「スポーツや競技、さら

にはビジネスや日常生活の中で、負けたときに

相手や自分自身に対してフェアで、冷静で、

前向きな態度を示す人を指します。」とある。

 大会前から、活躍を期待されていた選手が早々

に負けてしまったのも印象に残っている。柔道の

阿部 詩選手、レスリングの須崎優衣選手等が

あげられる。そんな中、私はスポーツクライ

ミング女子の森 秋彩選手の言葉に引き込まれた

 スポーツクライミングという競技は、ボルダー

&リードの総合点数で争うのだが、ボルダーラウ

ンドは「課題」と呼ばれる4つのコースを登った

数で競い、1回の挑戦で登った高さを競うリード

ラウンドとの合計点で順位が決まる。森選手は、

ボルダーラウンドの1つ目の課題で、身長が

高くリーチのある海外選手たちが次々と完登

していく中、154㎝という身長の為、最初の

ホールドをつかむことができず、登りを始める

ことすらできなかった。(このコースセッティ

ングには、試合後フェアではないと物議を醸し

た)この時点で、決勝に進んだ8名中7位。次の

リードラウンドでは、圧倒的な登りで決勝に

進んだ8人中トップとなり、世界一の実力を示し

た。この結果、森選手はボルダーラウンドとの

合計が135.1ポイントとなり、残念ながら

銅メダルの選手には12.3ポイント届かず4位

となったのです。この後、森選手は次のような

言葉を残します。「メダルも取れなかったし、

完登もできず、すごく悔しいが、悔しい思いを

持ち帰った方が今後強くなる原動力になる。この

順位でよかったと思う。もっと強くてかっこいい

クライマーを目指したい。」と話したのです。

 森選手は自分の身長やコースセッティング

については一言も触れず、前を向いています。

これは、勝敗に関わらず尊重されるべき価値観

を体現していると感じました。グッドルーザー

とは、勝利だけが重要なのではなく、競技や

活動を通じて得られる経験や友情、そして自分

自身の成長が重要であることを理解しています。

この価値観は、競技やビジネスだけでなく、

私たちの日常生活でも生かされるのではないで

しょうか。

 グッドルーザーであることは、個人の品格や

人間性を高めるだけでなく、チームやコミュニ

ティ全体に良い影響を与えます。勝者も敗者も

互いに尊重し合うことで、健全な競争が生まれ、

より良い社会や文化が築かれます。

 パリオリンピックの日本勢の活躍は国民に

勇気をもたらしました。スポーツだけではなく、

何事にも直向きに、一生懸命取り組む姿に

人々は共感し、自分自身の生きる力にしよう

とするのです。

 誰かに認めてもらうために何かに取り組む

ことも必要かもしれません。しかし、自分

自身の生きる証として、自分で決めたことに

取り組むこと。それも必要ではないでしょうか。

 もうすぐ2学期が始まります。逞しくなった

葵高生の姿に、期待しかありません。

 

【おがっちBlog77】ホガード・アディソン先生が教えてくれたこと。

 本校で3年間お勤めいただいたALTの

ホガード・アディソン先生が帰国することに

なり、本校での勤務を終えた。終業式の日に

離任式を行い、全校生徒に最後の挨拶をして

いただいた。(挨拶の内容はトップページ

7月19日の「アディソン先生のスピーチ原稿」

に掲載してあります)

 帰国する前に、先生にお礼の言葉を伝えると

ともに、3年間についての話しを聞かせて

いただいた。その中で印象に残ったのは、

①アメリカでは教員が組織として動くのでは

なく、個人としての仕事なので、日本のような

組織として生徒に関わる事の大切さを学んだ。

②担任制度により、担任が生徒との繋がりを

とても大切にしている。葵高校では、この

繋がりをとても感じることができた。

③葵高校の生徒はとても優しく、考え方や

振る舞いが大人びていた。そして何より

英語の授業に興味を持って積極的に参加して

くれたことが嬉しかった。

④葵校生に望むこと。それは、自分の意見を

怖がらずに表現してほしい。そして、考え方

を日本だけではなく、世界を見て感じる発想

に転換してもらいたい。

⑤授業に必要なのは、生徒が安心して参加

できること。失敗しても大丈夫、頑張った

ことが認められる雰囲気作りだと思う。

 生徒にも、我々教師にも大切なメッセージを

残してくれた。そして、葵高校での授業を総括し

「葵高校では多くの授業実践を行うことが出来た

ので、やり残したことがあるとは思わない。

確かな成果を残すことも出来たので、非常に

晴れやかな気持ちでもある。そして、この学校で

過ごした多くの時間は、非常に素晴らしい時間で

あった。自分が離任した後も、生徒の心に良い

影響が残れば嬉しい。」と笑顔で話してくれた。

 アディソン先生は「3年間でやり残したことは

ない」とはっきり言えるまで、本校生徒と向き

合い、英語の楽しさと必要性を伝えてくれた。

 この出会いに心から感謝したい。

 アディソン先生、あなたが、会津で葵高校で

過ごした3年間が、今後のあなたの成功に繋がる

ことを願っています。

 どうか、お身体に気をつけて、幸せな人生を

送ってください。そして、また会える日を葵高校

一同で楽しみにしています。

 

【おがっちBlog76】体験入学に参加してくれた中学生の皆さんへ。

 7月24日、体験入学が開催された。

 今年の参加者は約500名。多くの中学生と

引率、保護者の方に参加していただいた。

 7時過ぎには既に校舎の外に中学生の姿が

見受けられた。そのような中、今年の体験入学

で感じたことがあった。それは、中学生の挨拶、

態度が素晴らしかったことである。

 すれ違う生徒全てが明るく、大きな声で挨拶

をしてくれたし、体験入学に参加し、葵高校が

どんな雰囲気で、どんな高校なのか感じたいと

いう気持ちが前面に出ていた。それは、生徒会

役員が作成した、学校紹介プレゼン、動画を

集中して見ていた態度からも知ることができた。

 私から伝えたのは、「葵高校は、勉強も

部活動も、自主的に考え、判断し行動できる

生徒を育てていきます。」ということ。

 皆さんは、これから様々な方と相談し、自分

で進学したい高校を決め、合格するために必要な

勉強に取り組むことになります。

 ある雑誌に「あの大谷翔平選手は、なぜ世界の

大谷翔平になったのか?」という記事があり、

この問いにWBCの日本監督を努めた栗山英樹氏

がこう答えていました。「彼は、自分で考えて

自分で答えを出してきた。自分で考えてやった

ことしか失敗したときにプラスにならないと

言っていた。要するに、人から言われたことを

鵜呑みにしてやっていると、うまくいかなかった

時に本質的に自分のせいにならないので、進み方

が遅いという感覚を彼は持っていると思う。常に

自分で考えて自分でやってきた習慣が、ああいう

選手を作り上げた。」と。

 皆さんの人生に少なからず影響を与える高校を

選ぶにあたり、どうか、皆さん自身の考えを

きちんと持って相談し、決めて下さい。

 今回の葵高校体験入学で、何を感じ、何を学び

ましたか?皆さんが考える、皆さんの未来を作り

上げるために葵高校がその一翼を担えればと

思っています。

 葵高校は、葵を選び勇気を持って受験して

くれる皆さんを心から応援しています。そして、

この学び舎で共に過ごし、全力で青春を楽しみ

ましょう。

 

 

  

 

 

 

 

 

【おがっちBlog75】1学期終了!!

 暑さ指数が気になったが、状況を確認し、

第1学期終業式を体育館で実施した。暑さに

対する我々の配慮は勿論必要だが、我々が

思っている以上に生徒たちは逞しいと感じ

させられる。

 そんな頼もしい生徒たちに、1学期を振り返り

メッセージを送ったので、記してみたい。

 1学期終業式にあたり、挨拶をします。

 先週開催された合唱コンクールにおける君たち

の躍動は、目を見張るものがありました。私は、

始業式で「自主的に考え・判断し・行動できる」

生徒を育てるために、この言葉を意識し、学校を

運営していくと述べました。君たちには、既に

1人1人の個性に加え自主的・自発的な態度 

そして困難な局面も自力で乗り越える強さが

培われていると感じています。その姿が、

合唱コンクールで垣間見れたこと、嬉しい限り

です。ある先生は、こんな言い方をしていま

した。「3年生はどのクラスも葵高校の合唱

コンクールはこうあるべき。という姿を見せて

くれた。葵高校の伝統のバトンを後輩に渡して

くれたと思う。3年間しか在籍せず、1年ごとに

メンバーが代わる中で、学校の伝統が引き継がれ

ていくというのは、各学年の生徒が、それぞれの

役割を担い、特に最上級学年の仕事は重要である

と感じた。」と。葵プライドを自覚し、学校行事

に真摯に取り組み、勉強と部活動を両立し、

葵での生活を充実させている君たちを頼もしく

思います。

 また、あるクラスで、アディソン先生の授業を

参観しました。その授業に参加していた生徒は、

英語で話すことは勿論、各チームのリーダーを

中心に考え、アイディアを出し合い、内容を

まとめ、それぞれの役割を責任持って果たし、

プレゼンに繋げ、質疑応答までこなしていま

した。全ての生徒が授業に関わり、まさに葵ゼミ

のミニプレゼンのような形の授業でした。

やらされるのではなく、自分たちの主体性で

動いている授業を見ることができ、嬉しくなり

ました。

 更に、ある生徒と、数学の授業について

話しをしました。その生徒は1年時、数学担当

の先生は課題が多く、授業についていくことも

出来ず、不安な状況が続きました。しかし、

2年生になり、その先生の授業を受けていると

数学に対する強い思いを感じることができ、

徐々に親しみを覚え授業がわかりやすく、数学に

対する抵抗感が自然になくなっていったという

ことです。君たちは、先生方それぞれの指導法に

触れ、自分なりの学びを、自然に確立している

のではないでしょうか。その積み重ねで進路目標

が決まり、自分が何をやるべきなのかを見出す

ことができていると感じました。

 これは、勉強に限ったことではありません。

部活動や生徒会活動についても、同じ事です。

  改めて確認しますが、葵高校は本校を選び

入学してきた君たちを卒業までに、

「自主的に考え・判断し・行動できる」よう、

関わっていきます。そのためにカリキュラムや

部活動、学校行事等を充実させています。

 そして、本校最大の特徴は、前回も話しまし

たが、先生方の君たちに寄り添う姿勢です。

君たちは全く違う思考、能力、感性、表現力

等々を持ち合わせていますが、その1人1人の

話を聞き、一緒に悩み、激励し、君たちの学校

生活がより充実するよう、関わってくれて

います。これは、教員として、ごくごく当たり前

のことではありますが、先生方が望むのは、

君たちの成長です。この葵高校の教育環境の中で

君たちの「考え・判断・行動」に成長を感じ

たい。それだけです。

 君たちには、1学期が終わるこの機会に自分

の変化について、見つめ直してほしいと思い

ます。様々なタイミングで自分自身を俯瞰し、

知ることはこれからの人生に於いて、非常に

大切なことであり、そこから新たな方向性を

見出す事が出来る。そんな人になってくれる

ことを願います。

 明日から、夏休みが始まります。この休みの

過ごし方が2学期からの君たちに大きな影響を

 及ぼすことになるでしょう。特に、3年生は

進路目標実現に向けた、自分自身との戦いが

始まります。残り少ない葵高生活を思う存分

楽しみながらも、全員が進路目標達成を果たして

ください。

 全校生には熱中症対策に万全を期し、事故や

事件に巻き込まれず、思い出に残る夏の日々を

過ごしてください。そして、8月22日には、

今よりも逞しくなった姿で会えることを楽しみ

にし、終業式の挨拶とします。

 

 

  

 

【おがっちBlog74】感動は突然やってくる

 本校の伝統行事であり、55回目となった校内

合唱コンクールが先日開催された。200名を

超える保護者の方々にもお越し頂き、各クラスの

練習の成果を見事に発揮してくれた。特別審査員

を若松商業高校の宍戸真市先生に依頼し、3年目

となるが、宍戸先生からも、本校生徒の合唱に

取り組む姿勢、レベルの高さ等々について、

お褒めの言葉をいただいた。特に3年生の歌声

には、1,2年生も驚かされたに違いない。

 全てのクラス発表後、審査結果が出るまで、

昨年から、教員合唱団、通称「おがっち合唱団」

を結成し、少しの濁声で歌声を披露しているが、

今年も我が合唱団はノリノリで、放課後練習も

実施し、本番に備えた。今年披露した曲は

『ゆず』 の「栄光の架け橋」である。

指揮 尾形幸男 

ピアノ伴奏 上野健一3学年主任

と異色のコンビで、不安定ながら先生方に

助けられ、最高の盛り上がりの中、終了した

のである。

 興奮冷めやらぬ中、7月17日(水)

12時10分、校長室のドアがノックされ、上野

学年主任・副担任の村山先生と共に、3年生

7名が入ってきた。

 突然の訪問に、「何事?」と、戸惑った…

 私の前に全員が並んで、代表の男子生徒が

いきなり、コメントを読み始めた。

「今年の合唱コンクールは、3年間の高校生活 

の中で、忘れられない行事になりました。今年の

おがっち合唱団の『栄光の架け橋』は、先生方の

私たちへの熱いメッセージが込められていて、

聞いていて大変感動しました。また、先生方の

歌声を会津風雅堂に響き渡らせた校長先生の

指揮も素晴らしかったです。私たち3年生は、

『この歌で3年生全員の進路目標達成を後押し

したい』という校長先生の熱意と、おがっち

合唱団の年齢を感じさせないパワフルな歌声に

全員が進路希望の第1目標を目指して、残された

高校生活をより良いものにするために頑張ります

よってここに、3年生一同より、指揮者賞を贈り

ます。」と。そして、賞状が手渡された。

 パソコンに向かい、難しい顔をして書類を作成

していた私は、このいきなり押し寄せた感情を

コントロールすることができずに、ただただ沈黙

するのみであった。この時間に耐えられなくなり

言葉をかけてくれた上野主任の言葉さえも耳に

入らなかった。

 先生方を代表して、ありがたくそのコメントを

受け取ったが、なかなか見ることも感じることも

難しい、生徒と先生方の繋がりを感じることが

できた。

 そして、葵高校の中に存在する、目に見えない

優しさとお互いを尊重し合う気持ちをうかがい

知ることができた、心地よい時間となった。

 想いを形にして表現してくれた3年生に心から

感謝したい。

 ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog73】同窓生の想い

 先日、第112回会津女子高等学校・葵高等

学校同窓会総会が開催された。今年の

参加者は154名(内男性1名)。これからの

同窓会の在り方について、様々な意見が

出された。歴史と伝統があるため、同窓生の

皆様の本校に対する想いは強い。

 コロナ渦からのリスタート、更には新城

新会長となり、同窓会活動も今まで以上に

活溌になるのではないかと感じた。ただ、

男性の参加者をどのように増やしていくか、

毎年卒業生各クラスから選出される学年幹事の

活動について等々が懸案事項としてあげられる。

 いずれにしても、本校発展の為には同窓会との

連携は必要不可欠であり、今後も随時話し合いを

継続していきたいと考えている。

 そんな中、6月に葵高校の卒業生男女1組、

7月に卒業生の男性1人が校長室を訪れた。

 1組は、高校時代から交際を始め、この度、

結婚することになった2人である。式の中で

2人にとって思い出が詰まった葵高校の大切な

場所を撮影し映したいということで、許可を

得に来たのである。

 もう1人も結婚が決まり、相手が葵の卒業生

で、式の中で彼女にサプライズ動画を作成し、

映したい。その動画に2人が過ごした葵高校

の教室等を入れて、驚かせたいということで、

こちらも撮影の許可を得に来たのである。

 会津女子高等学校から葵高等学校に名称が

変更され、男女共学校として発足したのが

平成14年。それから22年の時が流れ、今年

このような依頼が連続で舞い込んだ。

 葵高校が、卒業生にとって、青春時代の

記憶に残る、大切な場所になっている。これは、

会津高等女学校、会津女子高等学校の卒業生の

皆様にとっても同じなのではないかと感じて

いる。先日の同窓会総会でも、「皆さんに

とって会津女子高等学校、葵高等学校は

今までも、これからも母校であることに

変わりはありません。いつでも学校に来て、

今の生徒たちを見てください。」と話しました。

 今、葵高校で生徒と共に過ごしている我々は、

今までとこれからを繋ぐ大事な役目を担って

いることを改めて自覚しなければならない。

 それぞれの結婚式で映される動画がどのように

編集されたのか、どれだけ盛り上がって、彼女を

感動させるのか、気になって仕方がない。

 (^-^*)

 どうぞ、お幸せに!!

 

【おがっちBlog72】葵新聞がおもしろい。

 本校では、新聞委員会が年に2回、「葵新聞」

を発行しており、今年度の第1号が発行された。

その目玉が、「ようこそ葵高校へ」という

タイトルで、今年度本校に異動や採用された方々

からのメッセージが記載されている。

 その内容が、それぞれの方々を知る上で、非常

に興味深い内容であり、おもしろく読ませていた

だいた。

〇私が大切にしているものは「日本刀」、

「ルーティーン」、「人との出会い」(それぞれ

別の方)と答えてくれた方がいた。「日本刀」が

何故大切なのか?それは、居合道の昇段審査の

為に必要だから。「ルーティーン」を何故大切に

しているのか?それは、この流れがあることで、

気持ちの好不調を抑制することができるのだそう

だ。そして、「人との出会い」この方は、様々

な人との出会いを通して、年齢、職業、事情も

様々、考え方も様々なことを知り、それまでの

自分の中の「当たり前」が大きく変わったと

書いてあった。また、

〇「私が得意なこと」の中に、「炭や薪を使った

野外調理」、「手芸」と答えた方もいました。

肉の炭火焼きは遠赤外線効果で肉汁(うまみ成分

のアミノ酸)をしっかり閉じ込めるので

美味しい。ダッチオーブン(鋳鉄製の鍋)も重宝

すると書かれてあった。一度、この方の料理を

食べてみたくなった。(笑)「手芸」の方は

「編みぐるみ」、「洋服」、「リメイク小物」と

こちらも本格的である。糸や布から新たな物が

出来上がることがとても楽しいと書いてあった。

 その他の方々も、それぞれの視点から、その

思いを書いてくれています。普段、同じ職場で

働いていても、なかなかプライベートな話しを

する時間がないのが残念だと感じていた中で、

今回の「葵新聞」は仲間を知るために、とても

役に立ちましたし、書き手の人柄や優しさが

滲み出ており、おもしろく読ませていただいた。

 我々は、毎年、生徒を含め様々な方々との

出会いと別れの繰り返しであり、人との関わり

合いの中で生きている。その中で私自身が常に

意識するのは、「自分が今ここにいるのは、

自分の役目を果たすためであること。」

 そして、私が今日まで歩んで来られたのは、

「縁尋機妙(えんじんきみょう)・

 多逢聖因(たほうしょういん)」の連鎖である

ことは疑う余地もありません。

 ようこそ葵高校へ!!

 葵新聞第2号を心から楽しみにしています。

 

 

【おがっちBlog71】ブルーライトに包まれた鶴ヶ城

 いつもは、淡いパープルにライトアップ

されている鶴ヶ城であるが、6月20日だけは、

綺麗なブルーになっていた。キミたちは

気づいていただろうか?

 6月20日は、国連が定める「世界難民の日」

世界では紛争や迫害などによって故郷を

追われた人々が2023年には、

1億1,730万人に達しており、

12年連続の増加となっている。

(国連UNHCR協会HPより)

 つまり、日本の人口とほぼ同じ人数が世界

各地で避難を強いられていることになって

いるということです。

 今回のライトアップは、日本から社会全体で

難民支援を広める為に全国各地のランドマーク

がブルーに染まるという運動の一環。

 全国で58カ所、東北では、岩手県陸前高田市

の「奇跡の一本松」、宮城県仙台市の「仙台

スカイキャンドル」そして、本県から鶴ヶ城で

ある。

 この日は「ストロベリームーン」の2日前、

月明かりと鶴ヶ城ブルーが見事にマッチして

いた。

  日本でも難民受け入れについて、様々な

協議がされているので、是非探究してみて

ほしい。

 このような形で、それぞれの想いを伝える

ことは、大切だと思う。全てに於いて意味が

あることを気づける人に成長してほしいと

願う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog70】プロの仕事を目の当たりに。

 6月12日、今年度の芸術鑑賞教室が会津

風雅堂で開催された。本校では、演劇・音楽・

古典芸能の3分野を順に実施しており、今年は

古典芸能で「学校寄席」として落語鑑賞会で

あった。

 今回のプログラムは、

 1 上方落語=笑福亭茶光氏

 2 色物(紙切り)=林家二楽氏

 3 落語=柳家喬之助氏

であり、ステージも本格的な寄席舞台が設置

され、まさに寄席に来た感じ満載である。

 どのプログラムも、流石プロであり、その

仕事ぶりを目の当たりにできた生徒は本当に

幸せだったのではないだろうか。

 特に私が目を引いたのは、林家二楽氏の

「紙切り」である。切るだけでも凄い技術で

あるのに、切りながら面白い話術を淡々と

するのである。それも切り終わるタイミングに

合わせ、話しのオチを同時に行うというこの技

には恐れ入ったという感じしかなかった。

 今回は4つの題材で紙を切ったのだが、

そのうち2つは生徒から切ってほしい題材を

募った。それが「ゴジラ」と「花火」である。

生徒も事前にそのことを伝えられていないの

にも関わらず、大きな声で依頼する。

感心した。それも、「ゴジラ」は男子、

「花火」は女子生徒である。バランス感も

素晴らしい。

 新たな刺激、未見の我を見出すための

きっかけ、いずれにしても、プロの仕事を

間近で見られる非常に貴重な教室になった。

 今回の仕事人の方々に心から感謝する。

 本校生徒が様々な分野のプロになり、

自分の為に、多くの人々の為に、その力を

発揮してくれることが今から楽しみである。

*なお、作品は依頼をした2名にプレゼントされ

 2作品は学校内に展示する予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog69】葵高男子、快挙!!

 インターハイ出場を懸けた弓道の県大会。

 我が校の男子生徒が快挙を成し遂げた。

 平成14年に、男女共学校として発足した

葵高校であるが、22年間の歴史の中で男子

個人での優勝は初めてである。

 大会ルールは予選で1人4射し、3中以上

(3回的に当たったということ)した選手が

準決勝に進むことが出来る。この時点で、

参加者148人から43人に。準決勝に進んだ

選手は更に4射し、予選と併せて8射中7中以上

した選手が決勝進出となった。決勝進出者は

13人であった。

 ここまででも、的中率は相当なものであるが、

本校生徒はこの決勝に4人も残っていたので

ある。本校弓道部のレベルの高さが窺える。

 いよいよ決勝であるが、この13人が4射し、

予選からの合計的中数で優勝者が決まる。

その激戦を勝ち抜き、優勝したのが

3年1組の星野翔和(とわ)君である。

 なんと12射中12中(専門用語で全て当てる

ことを皆中(かいちゅう)と言うそうです)

であった。あっぱれというか鳥肌が立った。

 更に、彼は「射道優秀賞」という、射場内の

動作・態度を含め評価される特別な賞も受賞した

のである。それほどまでに、集中力を研ぎ澄まし

一瞬の隙も見せず、1射1射を当たり前に射る

ことのできる、その力に驚かされた。

 彼は今回、優勝出来た最大の理由を、

「良い仲間に恵まれ、その仲間がライバルとして

そばにいてくれた。そして仲間のサポートが

心強かった。」と、はにかみながら話して

くれた。

 彼は兄の影響で高校入学後、弓道を始めた。

「弓道は、相手と戦うと言うより、自分との

戦いであり、それが自分には合っていた。

自分に克つということは、他のこと全てに

通じることであると考えている。」と弓道の

魅力を教えてくれた。

 インターハイの弓道競技は8月に長崎県

島原市で開催される。大会に向けて彼は

「両親も兄もむちゃくちゃ喜んでくれた。

それが嬉しかったし、僕には仲間がいて、

先輩からもアドバイスもいただける。

とにかくいつも通り、悔いなく、楽しみたい。」

と笑顔で決意表明をしてくれた。

 弓道を始めて3年。自ら弓道を選び、仲間に

支えられ、真摯に取り組めば3年で県で優勝し、

インターハイ出場という夢を叶えることができる

ことを体現してくれた彼を誇りに思う。

 そして、この優勝には、弓道部全員が関わって

いると感じた。

 「葵プライド」そして、弓道部全員の思いを

胸に、その矢を放ってくれることを期待する。

 

 

 

【おがっちBlog68】日本の教育と社会

 いきなり硬いタイトルで読んでもらえない不安

があるが……。この内容は先日全国校長会で

文科省の担当者から説明を受けたものであるが、

とても興味深かったので、紹介する。

(この内容は全体説明の一部分であり、この内容

のみで「日本の教育と社会」について説明した

ものではありません)

1PISA(国際機関であるOECD(経済協力

開発機構)が行う国際的な学力到達度調査

・3年毎に15歳を対象に実施されている)

2022の結果、日本はOECD加盟国37カ国

において、数学的リテラシー1位、 

読解力2位、科学的リテラシー1位

*全分野で世界トップ級

*ICT教育×学習への慣れも背景にある

2自律学習を行う自信(PISA2022)

・ビデオ会議システムを使う

・学習管理システムを使用する

・自力で学校の勉強をこなす

・自力で勉強する予定を立てる

・言われなくても学校の勉強にじっくり

 取り組む

・自分の学習の進み具合を評価する

・学校の勉強を行うやる気を出す

・自力でオンラインの学習教材を探す

これらの項目を指標化して比較すると

日本は34/37位

*再び休校になった場合に自律学習を

行う自信がないと回答した生徒が、

日本は非常に多い。

3インターネットの利用時間(1日あたりの

平均)(2022)

・小学生 約3時間34分

・中学生 約4時間37分

・高校生 約5時間45分

 目的毎の平均利用時間は趣味・娯楽が最も多く

約2時間49分

*デジアルを学びに使わず、遊びに使う傾向

*ICTを学びの道具にし、賢い付き合い方を

教える指導が必要

4民主主義にとって大事な当事者意識は?

・自分を大人だと思う

・自分は責任がある社会の一員だと思う

・自分の国に解決したい社会議題がある

・将来の夢を持っている

・自分で国や社会を変えられると思う

*これらの意識が他国と比べて低い数値に

なっている。

*課題を見つけて探究したり、提案したり、

対話・合意を図ったりする必要がある。

 ここから日本の教育の課題の一部が

垣間見られると感じるし、社会と繋がる

教育の在り方、必要性が問われているのではない

だろうか。

 本校のグラデュエーション・ポリシーは

「『自立・自学』の校訓のもと、主体的に

考え・判断し・行動できる人材を卒業する

までに育てます。」である。

 これは、本校を選び入学した生徒との約束。

 約束である。 

 

【おがっちBlog67】東京同窓会

 5月26日(日)第62回の東京同窓会が

「ホテル椿山荘東京」で開催された。

274名(全員が女性)が参加し、会津高等女

学校・会津女子高等学校・葵高等学校の校歌を、

ピアノ伴奏のもとフルコーラスで斉唱し会が

始まった。(ピアノ伴奏も歌声も素晴らしく

感動した)

 新城会長の挨拶は、会津女性の心意気を表現し

参加した同窓生の方々の心を掴み、素晴らしい

船出になったと感じた。

 90歳を越える方から葵高校の卒業生が参加

したこの会に招いていただいたことを、私は

心から嬉しく思う。多くの方々が、高校時代を

宝物だと感じていた。あの時代があって、今の

私が存在すると語っていた。高校時代の友人が

親友となり、今でも人生に彩りを添えてもらって

いると誇らしく語っていた。

 同窓会の皆さんが、「今でも誇りに思える。」

そんな高校の校長として勤められることは、

この上なく幸せである。

 33回生の井上由紀さん(ソプラノ歌手)と

45回生の鈴木ミチさん(シンガーソングライ

ター)が素晴らしい歌で華を添えてくださり、

最後は「会津磐梯山」盆踊りを全員で円に

なり踊った。圧巻である。

 踊ってる間も皆さんが、私に「葵高校生を

よろしくお願いします」と頭を下げて

くださった。

 私は、今年で退職ということもあり、

ここに居る皆さんともう会えないのかと

思うと、寂しい気持ちが込み上げてきた。

「一期一会」この言葉を改めて噛みしめた次第で

ある。

 会が終わり、最後まで手を振って見送って

くれた方、私の両親よりも年上なのに、

「校長先生、身体に気をつけて、お元気で」と

言葉をかけてくださった方々、本当に

ありがとうございました。

 今後とも、葵高生徒の為に、御支援のほど

何卒よろしくお願いいたします。

 東京同窓会の皆様、素敵な時間になりました。

 皆様の笑顔と優しさが、私の背中を押して

くれました。

 心から感謝いたします。

 どうか、お元気で。

【おがっちBlog66】葵教員の心意気

 先日、本校教員を対象に、「葵ゼミについて

考えるワークショップ」と題し、研修を行った。

 「葵ゼミ」を開始して5年が経ち、活動にも

変化変容が生まれ、教員間での関わり方等、

再確認する時期だと感じたからである。

 日頃から本校のパートナーとして尽力いた

だいている「Bridge for Fukushima」の方に

ファシリテーターをお願いし、そのアシスタント

として本校地域コーディネーターに入って

いただき、90分にわたって協議を深めた。

 昨年度末に実施した「葵ゼミ」に関する

教員アンケートを分析すると、

①生徒の様子や指導方法についての意見

②「葵ゼミ」の活動目的や意義を生徒は

どのように理解しているのか

③教員はどう関わったらいいのか 等々の

意見が出ていた。

 ファシリテーターは、本校にとって

「葵ゼミ」とはどのようなものなのかを

学校経営・運営ビジョン等も踏まえ、教員

同志で対話しながら言語化することで

共通認識を図れるようサポートしてくれた。

 本校にとって、今後もこの「葵ゼミ」が

生徒の進路に繋がる大切な授業であること、

更には、今まで以上に特色化・魅力化して

いくためも今回の研修を意義ある1歩に

していかなければならない。

 様々な業務を調整し、葵教員が「葵ゼミ」

について同じ時間の中で、考え、相手を

尊重し、判断し、想いを言語で表現する。

まずは、その1歩を踏み出した。

 『自ら、主体的に!』

 社会で通用する人材を輩出するために、

葵教員の心意気が垣間見れた。

 この研修は、今後も継続して行っていく。

 *「葵ゼミ」の詳細については、本校

  HPの「葵ゼミ」をごらんください。

 

【おがっちBlog65】保護者の皆様へ。

 4月27日に令和6年度の父母と教師の会総会

が開催された。今年度から新たな取り組みと

して、総会前に部活動発表の時間を設け、

合唱・ギターマンドリン・吹奏楽・なぎなた

部が約15分間発表を行った。

 保護者だけではなく、生徒の祖父母、兄弟

も駆けつけ、日頃の授業や部活動の様子を

見ていただくことができ、有意義な時間に

なったのではと考えている。

 今回は、その時に保護者の方々へ話した

私の挨拶を抜粋して紹介する。

 

 皆様こんにちは。

本校校長として2年目となりました

尾形幸男です。今年度もどうぞよろしく

お願いいたします。

  本日は休日にもかかわらず、父母と教師の会

総会にご出席いただきありがとうございます。

また、日頃から本校教育活動に対しまして、

御理解と御協力をいただき感謝申し上げます。

 さて、4月8日に始業式・入学式が行われ

令和6年度がスタートしました。授業と部活動

も本格的に動きだし、運動部は5月に入ると

インターハイの地区大会が開催されます。

学芸部と併せ生徒一人一人、そしてチームの

目標達成の為、それぞれが部活動に励んで

おります。

 本日は皆様に校長から直接お話ができる

貴重な時間ですので、本校の状況や主に課題

となる点に重点を置きながら、今後の葵高校

についての方向性についてお話しさせて

いただきたいと思います。

 まず、本校の現状といたしましては、

① 現在の少子化傾向を鑑み、県教委では、

県立高校改革後期実施計画において、

本校は令和10年までに1クラス減が予定されて

います。

② 今年度高校入試におきまして、4年振りの

定員割れということになりました。

③ 本校生徒の特色・魅力でもある「葵ゼミ」を

軸にした本校教育活動等を地域の方々へ発信

するという部分が不足していたのではないかと

感じています。

④県教委が定める進学指導重点校としての

在り方について、どのように取り組むべきか

等々があげられます。

 本校としては、これらの現状を踏まえ

県教委が掲げる「学びの変革」に歩調を

合わせながら、本校の特色・魅力を明確にし、

先を見据えた対応が必要であると考えて

います。昨年、本校HPに載せましたが、

本校が掲げるスクール・ポリシーの中に、

本校生徒を卒業するまでに、このような

生徒に育てますというグラヂュエーション

ポリシーがあり、そこには「主体的に

考え、判断し、行動できる人材を育成する」

とあります。そのために、始業式・入学式に

於いて、生徒に話したことは、

「葵高校は、キミたちに、学ぶ必要性を

自覚させ、学びが創造力に結びつくこと、

新たな発想や先を見据えて行動できるなど、

生き方全てに波及していくことを目指して

いきます。それが、「葵プライド」つまり、

自立・自学を身につけることにつながると

信じているからです。その為には、キミたち

自身も今の自分を振り返り、「今まで、先生方

に頼りすぎてはいなかったか」「保護者や

先生方に言われたことだけを行ってはいな

かったか」「自分で考え、判断することを、

真剣に考えてきただろうか」という反省に

基づいた、意識改革が必要です。」という

話をしました。私は、先生方には、生徒に

寄り添い、教え込むだけの指導法ではなく、

伴走者としてともに歩むことを求め、生徒

には、この葵高校で多くの友人や先生方、

そして地域の方々と関わり、自分の未知

なる力を創り出し、伸ばしていくことが、

本校で学ぶ意義であることを自覚して

ほしいと思っています。本校の授業、

部活動そして「葵ゼミ」を軸とし、全ての

教育活動に於いて、この取組を進めて参り

ますので、ご家庭でも、お子様に「考える」

ことが自然に身につく思考を与え続けて

いただければと思います。

 葵高校に行けば、自ら考えて行動し、

自己肯定感を身につけ、進路目標を明確に、

社会で生きていく術を身につけられる。

それが、本校の最大の魅力として発信できる

学校創りを進めて参りたいと考えています。

  尚、本校教育活動、生徒の活動状況等は

HPにおいて随時発信しております。今年度から

動画でのUpも始めました。また、生徒会でも

インスタグラムを開設したり、私のBlogも随時

更新していますので、御覧頂き、皆さんからも

本校の良さをPRしていただきたいと思って

います。次に、これも、各ご家庭と連携をして

いかなければならない重要な事だと考え、

お話をさせていただきます。それは、携帯電話

を中心とした生徒のSNS利用に関することです。

学校では、毎年5月に全校生徒を対象に、SNSに

関連する問題等について警察の方を講師として

講話を実施すると共に、学年集会やクラス、

部活動でも様々な問題について話しをして

おります。ご家庭で、主に携帯電話を利用する

にあたっての約束事やSNS関連の問題について

は、事ある毎に話していただいているとは存じ

ますが、この問題は、学校だけで解決できる

ものではありません。問題行動を起こしたり、

巻き込まれたりすることで、生徒の大切な

進路にも大きな影響を及ぼすことになります。

高校生の現状で最も憂慮される問題はこの

SNSに関する事案であるということを御理解

いただき、保護者の皆様の責任の下での対応

もよろしくお願いいたします。

  生徒の充実した高校生活を支えるには、

保護者の皆様と学校の連携が不可欠です。

どうか、今まで同様、本校の教育活動に

御理解と御協力をいただきますよう、

重ねてお願いいたします。

 という内容です。

 今回の総会には、コロナ渦からの

リスタートということもあり、例年以上に

多くの方々に来校いただきました。今後も

生徒の活動の様子を保護者の方々に見て

いただけるよう、工夫して参りますので

どうぞ、学校へお越しください。

 

 

【おがっちBlog64】葵サヨナラ!!

 「葵サヨナラ」

 これは、4月25日付けのスポーツ紙の裏面に

大きなスペースで掲載されていた記事の見出しで

ある。

 4月下旬から、春季東北地区高等学校野球会津

支部大会が開催されており、その1回戦で本校

野球部が9回裏に3点差をひっくり返す執念の

逆転サヨナラ勝ちをしたのである。

 野球部の今年のスローガンは、

「ミスしても全員でカバーする野球」である。

それを見事に体現した選手達を髙波監督も

称えていた。

 9回表に3点を加えられ、残された攻撃は

その裏の1回のみである。普通であれば、

諦めてしまう雰囲気になっても不思議では

ない。しかし、

「葵ベンチは一人も下を向いていなかった。」

という記事があった。

 先発の長谷川君(3年)は約160球を投げ

満身創痍であった。2,3年生部員が少なく

野球部存続にも黄信号という危機感を感じる中

1年生は、8名の選手と2名のマネージャーが

入部した。それぞれの部員の想いが交錯する

中で、今回の劇的勝利がもたらした価値は

大きい。

 「最後まで諦めない」思っていてもなかなか

できることではない。マネージャーを含め

誰一人欠けることなく、その思いを全員が持ち

合わせたとき、まさに目に見えない力が生まれ

「勝ちたい」思いを実現に導くことを

目の当たりにした。

 葵高生は、素直な気持ちを持ち、何事にも

粘り強く、真摯に取り組めることはわかって

いる。それに加え、自分や仲間を信じ、

最後までやり続けられたことを誇りに思える。

そんな葵高生活を過ごしてほしい。

 今回の野球部の勝利は、葵高校の

目指すべき姿を表現してくれた。

 心から誇りに思う。

 ありがとう。

K 100 200 103   7

葵   000 031 004×   8

 

 

【おがっちBlog63】『切望』

 先日、テレビで歌番組を何気なく見ていた。

 すると、何故かそのグループが歌う歌詞と

ボーカルの熱さに釘付けになった。

 そのグループは、日本の4人組ロックバンド

「SUPER BEAVER」といい、『切望』という

名の歌であった。

 私はその歌が流れた後にすぐ、ユーチューブ

で動画を見た。何回も見た。

 その歌詞のいくつかを紹介する。

「人ひとりの幸せに どれだけの人生が携わって

いるだろう」

「ひとりずつの自尊心に どれほどの人生も

いたずらに石投げていいはずがないんだ」

「許せない その人もまた誰かの許したい人かも

しれない 想像くらいしたい」

「個性だ 多様だ それもまた枠だった だから

ずっと言ってるんだ 初めから 僕で あなたで

人だって らしさってなんだったっけ

限りある日々と わかっているから 

地に足つけたら もう俯かなくていいぜ

想いの正体に 人に触れるたび 無性に愛を想う

愛を想う 歓ぶ顔が見たい」

 人と人との関わり、様々な人が抱える問題や

気持ちが交わる嬉しさや難しさ、笑顔がもたらす

計り知れない力等々について考えさせられる。

 明るいリズムで、前向きになれる雰囲気もあり

聴いているだけで元気がもらえる。

 そして何より感じるのは、「言葉の力」。

素敵な言葉を投げかけられれば、自己肯定を感じ

気持ちが穏やかになったり、奮い立つことさえも

できる。しかし、自分の感情をそのままぶつける

ことで、相手を傷つける刃にもなる。人と関わる

ことが多い学校や社会の中では、言葉を大切にし

「言葉の力」を私たち自身が信じることも必要

なのかもしれない。

 葵の諸君。この歌を一度聴いてほしい。

 そして是非、この歌詞の意味をキミたちなりに

考えてほしい。

 

 

 

 

【おがっちBlog62】3学年集会にて

 4月10日、3学年集会が開催され、冒頭に

校長から話しをしてほしいという学年主任の

要望に応える形で、時間をいただいた。

 本校を担う新3年生に向けて、激励の

気持ちを込めて話しをした。

 内容は、本校の教育目標である

「自ら考え、判断し、行動できる生徒を

育てます」に関して、その全てに必要な主体性

とはどのように生まれるのか?について、私の

考えを述べた。

 主体性とは自分の意志・判断により自ら責任

を持って行動することであり、その主体性が

生まれるためには、キミたち自身が本当にやる

意味があることと認識すること。そして自分が

やってみたいと思えることを目の前にしない

限り、主体性は生まれないと話した。

 つまり、様々な経験やコミュニケーション、

出会い等々から、自ら「考える」をはじめな

ければ、主体性に結びつけることは難しいの

ではないだろうか?と私は思うのである。

 3年生の諸君がどこまで自分事としてこの話を

聞き入れてくれたか、非常に興味がある。

 そして、話しの最後に、葵高校で、キミたちと

教員生活最後の1年を過ごすことに、運命を感じ

ている。お互い、自分がやりたいことを見つけて

主体的に生きて、葵での生活を楽しみ、来年の

卒業式で私は、未来への一歩をキミたち自身で

考え、判断し、踏み出したことに

「よく頑張った」と言いたい。

 そして、キミたちからも「校長先生、お疲れ様

でした。」と言われるよう、葵高校の為に、

全集中したい。お互い、ここに居る先生方を

はじめキミたちを心から応援してくれる方々の

力を借りて、進んで行きましょう。

 キミたちが校長室に話しに来てくれることを、

いつでも待っています。

 と、結んだ。

 さあ、3年生諸君。いよいよキミたちの

「高校3年生」が始まる!!

 

【おがっちBlog61】決意表明!

 4月8日(月)令和6年度入学式を行った。

真新しい制服に慣れない様子と、憧れていた

制服を着用できた喜びが、一人一人の笑顔

から感じ取れた。

 新入生195名の新たな仲間を心から歓迎

する。

 式の開始1時間半前から、保護者と新入生が

集まり始めた。本校の桜も満開への準備を

着々と進め、新入生を見守っているようだ。

 コロナ禍も過ぎ、以前のような制限のない

入学式となった。私は常々、アフターコロナの

対応がチャンスだと考えている。何事も通常に

戻るタイミングで前例踏襲ではなく、変える

べき所を変え、新たな取り組みをしたいと

思っている。そんな中、通常の入学式に於いて

「校歌披露」がある。これは、式の最後に

合唱部がステージ上で校歌を披露するのであるが

コロナ禍ではCDによる披露であった。

 しかし、今回初の試みとして、混声合唱として

それもアカペラで披露したのである。

本校合唱部は、女子生徒がほとんどで、校歌の

混声合唱にまではなかなか辿り着けなかったの

だが、顧問のチャレンジ精神に火が付き、

男子生徒3名を育て上げ、今回の披露となった。

 緊張感と期待に式場内は静まりかえった。が、

間もなく、素晴らしいハーモニーに包まれた。

 そして私の身体は、鳥肌で包まれた…

 私は式辞の中で、こんな話をした。

「葵高校は、生徒に学ぶ必要性を自覚させ、

学びが創造力に結びつくこと、それが、

新たな発想や先を見据えて行動できるなど、

生き方全てに波及していくことを目指していき

ます。それが、葵プライド、つまり、

『自立・自学』を身につけることにつながると

考えます。」と。

 今回の合唱部の新たな発想から生まれた

チャレンジは、今年度の本校の決意表明と

なった。

 我々が目指す「学び」を生徒に伝え、会得して

もらうため、今年度も前を向いて進みます。

  尚、合唱部の校歌披露に向けた練習の様子が

本校HPのトップページに動画によりUpされて

いますので、御覧下さい。

   

【おがっちBlog60】4月1日のサプライズ!!

 葵高校の令和6年度がスタートした。

 新たに本校のメンバーとして転入された方の

着任式を行い、新「チーム葵」として動き出した

 4月1日は先生方にとって会議が多い日と

なるが、その合間に、ある先生が校長室に来て

私に「校長先生へプレゼントがあります」と

一冊の本を差し出した。その先生は私が読書

好きなのを知っており、気持ちが嬉しかった。

 その本の題名は、

「60代からの老けない習慣」心も体も若く!

である。私が今年60歳をむかえることを

確実に知ってのプレゼントである(笑)

 嬉しさは、半減した……

 その本を受け取り、お互いに顔を見合わせ

ニヤリと笑った。こんなことをされると、

60歳になることを改めて実感させられる。

「どんなつもりで、わざわざ購入してまで

私に渡そうと思ったのか。」確認した。

「校長先生も現実を受け止め、準備を

なさった方がいいのではなかと思い、

渡しました。」と嬉しそうな顔で答えた。

 「準備するなら、新年度のスタートに

合わせた方がいいのでは」

 「まだまだ大丈夫と思っているのは、

自分だけではないですか?」

 「校長先生には、いつまでも心と体を

若く保ってほしい」

 「先日、廊下で普通にコケていました

よね?」

 と先生方の顔を思い浮かべながら、私の

妄想は膨らんでいった。

 学校は常に動いている。その動きを

我々教職員は、事前に察知し、対応する。

その動きを適切に判断し、行動を起こす。

 その為には、心と体に余裕と安定感が必要で

ある。

 私は、その先生からのプレゼントを『優しさ』

として受け取ることにした。

「この本を読んで、老けない習慣を身につけ

よう」という気持ちを忘れないように。

 そして、何より、

「この本をいただいたことすら、忘れない

ように」と言い聞かせている。

 

 追伸

 それから数日後、別な先生方が校長室に来て

「仕事や勉強等による一時的・心理的な

ストレスを低減する GABA」という

チョコレートをプレゼントしてくれた。

 m(_ _)m

 どれだけ、先生方に気を遣っていただいて

いるのか??

 自分で苦笑するしかなかった(笑笑)

 

  

【おがっちBlog59】至福の50分

 終業式の前に、本校では50分かけて大掃除が

行われる。勿論、校長室もである。

 担当は2年〇組男子5名。強者揃いである。

 大掃除は特別なので、掃除内容を分担し、

作業に入った。いつもは、授業で疲れているのか

のんびりとした態度であるが、この日の彼らは

違っていた。

 全員でソファーを何度か移動し、掃き掃除。

その後、拭き掃除(洗面台、棚の上、掛け軸)と

窓拭き班に分かれる。それぞれに必要な用具を

保健室や事務室から借りに行き、高い場所は、

背の高い生徒にお願いしたり、椅子を持って

きて対応するなど、実に要領よく動いている。

(いつも、こんな感じに動けばいいのに…)

そのうち、指示した場所以外にまで掃除場所を

見つけ、黙々と手を動かしている。

 その働きぶりを見せたくなり、思わず担任を

呼び、滅多に見られないその光景を見て

もらった。担任も、流石に満足した様子で、

ニヤッとして校長室を後にした。

 この至福の50分に感謝したい。

 やるときはやる彼らの姿を見せつけられ、

スイッチが入ったときの計り知れない集中力に

頼もしくなると共に、3年生になる彼らが

どこまで大きく成長していくのか楽しみで

仕方がない。

 4月からは担当が新2年生に変わるが、

新たな出会いに、ワクワクしている。

 

 

 

【おがっちBlog58】令和5年度第3学期終業式

 3月19日、第3学期の終業式が行われた。

 1,2年生が体育館に参集し、合唱部学生

指揮者、伴奏者のもと、校歌を斉唱し、式は

粛々と進められた。

 今回は、終業式での校長挨拶を掲載する。

 おはようございます。

 先日、東日本大震災・原発事故から

13年が経過しました。キミたちは幼稚園

・保育所で過ごしていた人も多いと思いますが、

高校生となり、現在はどんな想いを感じながら

この日を過ごしたのでしょうか。

  昨年、双葉町の東日本大震災・原子力災害

伝承館の見学をしてきた生徒もいますが、

13年が過ぎても、復興に至っていないのが

現状です。3月11日に知事が誓いの

メッセージを出しました。その文章の中に

「震災によって多くのものを失いながらも、

多くの温かさに支えられてきた私たちだから

こそ災害で苦しんでいる人達の思いを我が事

として受け止め、寄り添っていかなければ

なりません。」そして、「私たちはこれからも、

光と影が入り交じる福島のありのままの姿を

しっかりと受け止め前へと進んでいきます」

と発しています。

 私は、キミたちには、葵高生として、知識の幅

を広げ、福島の復興に積極的に関わることを考え

ながら過ごしてくれることを期待しています。

 さて、3月1日、第76回卒業証書授与式が

行われました。3年生は、凛とした態度で、

厳粛な式に臨み、卒業という最高の資格取得と

これからの未来に胸を高鳴らせ、この学び舎を

巣立っていきました。

 来賓の方々も、式に参加した生徒の態度、

3年生の返事、校歌に想いを込めて歌う姿と

声量、そして最後のサプライズ。式の一つ一つ

に対し、感動されていたようです。

 卒業生の姿を目の当たりにしたキミたち

在校生は素晴らしい先輩方からバトンを引継ぎ、

葵高校の新たな歴史を創り出す、重要な役割を

担うことになります。

 私から、新学年を迎えるキミたちに強く感じて

ほしいこと。心に刻んで欲しいことを話します。

 それは、キミたち次第で、成長できる環境が、

この葵高にはあるということ。そして、部活動

だけではなくキミたちの様々な能力を引き出し

地域社会と共に成長できる学校であること。

それを気づかせてくれる先生方が存在すると

いうことです。今日からの1年間がキミたちの

人生に大きな影響を及ぼすことになります。

葵高校は、「自ら考え・判断し・行動できる」

生徒を育てるために学校生活の全てで、

様々な経験とチャレンジする機会を提供して

いきます。その中で、キミたち自身が真剣に

考えながら取り組めば、今まで気づくことが

なかった新たな自分に出会うことが出来ます。

 成功や失敗で一喜一憂するのではなく、

チャレンジした自分、気持ちを伝えられる自分、

やり遂げたことを認める自分を大切にする

ところから、始めてみてください。

 今年度、キミたちは学習・部活動・

ボランティア・生徒会活動等、あらゆる場面で

本当によく頑張りました。その頑張った証と

して、進級することが出来ることを忘れず、

自信に繋げてください。

 キミたちは「新たな葵高を創り出す」

「葵プライド」を持った3年生、2年生に

なるのです。自覚と覚悟を先生方と共有し、

前へ進んでいきましょう。

 この春休み、キミたち一人一人が健康や

交通事故等に十分気をつけて、新学年に

向けた意味のある時間を過ごしてください。

 

 学校関係者の方々、保護者そして地域の皆様、

来年度の葵高校に、どうぞご期待ください!!

 

【おがっちBlog57】葵図書館の存在感

 今年度、葵図書館で2月までの本の貸出数は、

4,108冊。このうち、1冊以上借りた生徒は

485名。全校生徒の約83%にのぼるようだ。

 また、入館者数に於いては、7,550人で、

全校生徒の約13倍となる。この数を昨年度と

比較すると、入館者は2倍を超え、貸出も

約1,500冊多くなっている。

 昨年度の貸出数、入館者数については、

コロナ感染症の影響を受け、図書館活用にも

制約が及んだ為だと想像できる。しかし、

今年度、図書貸出が飛躍的な伸びを見せた

理由としてあげられることは、図書部では

様々な趣向を凝らし、生徒を図書館へ誘ったこと

ではないだろうか。年間を通して継続的に

イベントを企画してくれた成果だと、嬉しく

感じている。また、葵ゼミでの探究活動にも

本からの情報は重要であり、探究を深める為の

一役を担っているのではないだろうか。

 更に、Blog26で紹介したように、「本の検索

サービス」・ブクログ・カーリルを本校図書館で

導入したのも、貸出増加に繋がっているのだと

思う。

 先日、「高校生新聞 ONLINE」を読んで

いると、「年間100冊読む高校生が教える 

読みたい本の見つけ方」という記事が掲載されて

いた。以下が、その方法である。

 ①「好きなもの」で検索

 ②「本屋大賞」をチェック

 ③周りの人におすすめを聞く

 ④タイトルや表紙から直感で選ぶ

 葵図書館では、検索環境、本屋大賞コーナー、

頼りになる司書、様々な工夫で本のタイトルが

目に飛び込んでくる仕掛け等々が充実している。

 葵の諸君、これからも葵図書館に足を運び

人生を豊かにするきっかけ作りに役立てて

ほしい。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

【おがっちBlog56】卒業生へ

 3月1日、卒業証書授与式の朝、本校教諭の

有志から卒業生へプレゼントが贈られた。

 前日の夜、誰も居なくなった校舎に残り、

卒業クラスの黒板にメッセージを添えて

プレゼントを残した。

 卒業生に対しての細やかなプレゼントでは

あるが、本校教員全ての想いが込められてい

るし、こんなことをしてくれる教員がいる。

 それが、葵高校である。

 卒業、おめでとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog55】贈る言葉

 第76回卒業証書授与式において、栄えある

卒業証書を手にする3年生諸君に贈る。

 

 葵高校生活は充実していましたか?

 楽しい思い出が、出来ましたか?

 辛かったこと、ありましたか?

 新しい自分を見つけ出せましたか?

 親友はそばに居ますか?

 授業は楽しかった?辛かった?

 「葵ゼミ」で何を学びましたか?

 部活動はやりきりましたか?

 優しい自分に気づきましたか?

 誰かに優しくされましたか?

 自分の情けなさを実感しましたか?

 誰かのために、行動できましたか?

 考えることを学びましたか?

 自分の成長を感じましたか?

 保護者の存在の大きさに改めて

気づきましたか?

 先生方は、キミたちに何をプレゼント

してくれましたか?

 担任との絆は結べましたか?

 クラスメイトの大切さを感じましたか?

 クラスの団結力は最強でしたか?

 キミたちに寄り添ってくれた人はいますか?

 キミたちが寄り添った人はいますか?

 葵高校を、誇れますか?

 「葵プライド」は身につきましたか?

 自己肯定することの大切さを覚えましたか?

 キミたちが、葵高校の歴史を積み重ねたことを

知っていますか?

 キミたちが、毎日当たり前の日常を過ごした

ことが、どれだけ奇跡なのか感じていますか?

 葵高校での全ての出会いは、偶然ではなく、

必然だったことを感じますか?

 キミたちは、歌う機会が少なかった校歌が

どれだけ素晴らしいか、わかりますか?

 3年間の葵高校生活をやり遂げた自信で、

次のステップにチャレンジできますか?

 

 自分の意志で葵高校を選び、入学し、

様々な困難を乗り越え、自己嫌悪に

押しつぶされそうな自分を奮い立たせ、

見事に卒業証書を手にするキミたちに、

心からエールを贈りたい。

 葵高校は、キミたちと出会えたことに

感謝しています。

 本当に、ありがとう。

 

 

 

 

【おがっちBlog54】皆勤賞

 皆勤賞

 「3年間無欠席・無欠課・無遅刻・無早退の者」

 本年度の卒業生において、この素晴らしい賞を

受賞する生徒は16名。

 3年間日々様々な事があるにも拘わらず、高校

生活を皆勤できるなんて、凄いこと。

 何事も、最後までやり遂げる事が、どれだけ

難しいことか。皆勤賞を受賞する皆さん、

本当によくやり遂げました。

 そして、皆さんがこの偉業を達成する為には、

ご家族等のサポートが必要だったでしょう。

そのことを、忘れないで下さいね。

  

 

  

【おがっちBlog53】なぜ学ぶ?

 「なぜ学ぶのか?」という疑問に、誰もが一度は

向き合っているのではないだろうか?そんな中、

渋谷教育学園長の田村哲夫氏の書物に出会った。

その中の一説を紹介したい。

「模倣という言葉は、あまりいい意味では使われ

ないのですが、決められた形を学ぶことで、

そもそも学ぶという言葉は「まねぶ」からきたと

言われています。決められた公式や定型をまね

することから、学ぶことが始まったというわけ

ですね。数学で言えば決められた公式、国語で

言えば言葉の意味や定型を知る。模倣がまねぶ

ことの出発点。最初から新しいことを考えつく

などということは、誰もできないのです。

天才作曲家のモーツァルトも、若い頃には、

先輩の素晴らしい曲を繰り返し聴いてまねした

曲を残しています。模倣を繰り返す中から、

ある年にピアノ協奏曲第23番という曲を突然

つくるんですね。モーツァルトの素晴らしい曲

の数々は、創造力でつくられたものです。

英語で、

模倣をイミテーション(imitation)、

創造をクリエーション(creation)

と言います。学ぶがまねぶから来ているのは、

まねすることから始まるからなんです。

人間の能力が認知能力と非認知能力に分かれる

ということは聞いたことがありますか?

AIと言われる人工知能は、過去に人間が行った

ことを蓄積した膨大なデータを駆使して共通項を

出します。これが認知能力で、多くの人の経験を

活用し、失敗しないようなやり方を見つけ出す

ことです。ところがAIがまねをしながら積み

重ねていくやり方は、今のところ、非認知能力の

代表である創造力の壁を越えられていません。

創造まで飛躍できない。ここに大きな壁がある

んですね。(後略)」

 という。非認知能力については、また別の

機会にBlogに記すとして、「学ぶ」ことを

地道に繰り返すことで、現在のAIでは

超えられない「創造力」を身につけることが

できるということは理解できる。

 今、君たちの本校での学びが、一人一人

の創造力へ繋がっている。想像するだけで、

嬉しくなる。

 しかし、「学び」→「考え」→「判断」→

「行動」のサイクルを粘り強く継続することが、

「創造力」を身につけるスキルであることを

忘れてはいけない。

「学ぶ」ことは、人が人としてよりよく生きて

いくために、必要なことなのではないか?

 と、今回は考えさせられた。

 さて、君たちは、どう考えたかな?

  

【おがっちBlog52】葵の鉄人!

 葵高校に鉄人と呼ばれる教員がいることを

ご存じだろうか?

 在るときは、担任、在るときは、学芸部顧問、

そして在るときは、フルマラソンランナーで

ある。

(勿論フルマラソンなので42.195kmを

走るのである)

 その鉄人が今回出場したのは、「さいたま

マラソン」である。さいたまスーパーアリーナを

スタート・ゴールとし、4時間51分28秒で

見事に完走した。

 鉄人がフルマラソンに出場するのは4回目で

あり、自己ベストは4時間24分20秒。(経験

した人にしかわからないタイムである)

 驚くべきことに、鉄人は高校時代は文化部

所属で、スポーツには全く無縁であったこと。

そして、走る事へのきっかけは、ご子息と親子

マラソンに出場したことのようである。

 そこから、5km、10km、ハーフマラソンと

距離を伸ばし、フルマラソンランナーへ変貌を

遂げた。

 大会の次の日、5km毎のラップタイムを私に

見せてくれた。(ランナーであれば、誰もが

ラップタイムを計測する)

「練習不足がそのままタイムに反映され

ました。」と淡々と話す鉄人の姿は、既に

トップランナーの風格を備えている。

   そして、鉄人から改めて

「新たなことにチャレンジするのに年齢は

全く関係ないこと」「やり続けることで

確実に、自己肯定感を身につけることが

できること」を感じさせてもらった。

 この鉄人から、生徒たちが学ぶべき事は

多々あると思う。様々なきっかけから、自分の

やりたいことを見出し、やり続ける事で、

新たな自分に出会い、人生の幅を広げ、

楽しんでいる。

 これからも、鉄人は目標をひとつひとつ

達成しながら走り続けるだろう。

 乞うご期待!!

 最後に、完走メダルと共に誇らしげに

写真に収まる鉄人の勇姿を添えます。

 目に焼き付けるんだ!葵高校の諸君!!

そして、2年1組の諸君!!!

  

【おがっちBlog51】白波五人男

 「今日、この同窓会新年会に出席してくれた、

白波五人男です。」と発したのは、会津女子高校

・葵高校同窓会顧問の畑 洋子様である。

 2月3日、市内で会津女子高校・葵高校の

同窓会新年会が開催され、118人の参加者で

盛り上がった。

 畑顧問は、乾杯前のお話しの中で、新たな

同窓会を作り上げていくためには、葵高校生、

特に男性の参加者を増やさなければならないと

熱弁した。

 そのような中、新年会には71回卒業の男性

4名が参加してくれた。昨年度に引き続きの

参加であり、私も含めた5名が「白波五人男」

と表現されたのである。さて、「白波五人男」

(しらなみごにんおとこ)という言葉、説明

できる人は少ないのでは?と思う。

 調べてみると、原作は「青砥稿花紅彩画

(あおとぞうしはなのにしきえ)」という

河竹黙阿弥の歌舞伎作品で、白浪五人男とは、

日本駄右衛門(にっぽんだえもん)、

忠信利平(ただのぶりへい)、

南郷力丸(なんごうりきまる)、

赤星十三郎(あかぼしじゅうざぶろう)、

弁天小僧菊之助(べんてんこぞうきくのすけ)

の5人組の盗賊のことで、白浪五人男と

名奉行青砥藤綱の工房を描いた内容の

ようです。白浪五人男の名乗りのシーンが

見せ場であり、特に「知らざあ言って聞かせや

しょう」で始まる弁天小僧菊之助の啖呵は有名。

と、ありました。

 乾杯の場面でこのような言葉を簡単に発する、

畑顧問の様々な分野への造詣の深さには驚かされ

るばかりです。

 今回参加していただいた男性4名には心から

感謝申し上げたい。

 私は君たちが「葵プライド」を継承し、

今でも勉学に励み、社会に貢献している姿を

誇らしく思うと共に、頼もしくて仕方がない。

 是非、同窓会総会、新年会等々に少しずつ

男性同窓生が増えていくよう、力を貸して

欲しい。

 参加してくれて、本当にありがとう。

 それでは、白波五人男を紹介します。

 71回卒業生(下の写真 左から) 

 髙橋和也氏 早川武流氏 校長

 玉川右京氏 大関一輝氏

 

 

 

【おがっちBlog50】校長室掃除

 現在は、2年生が校長室掃除の担当である。

 私は、生徒と触れ合えるこの時間が楽しみで

仕方がない。

 最初は生徒たちも緊張しており、黙々と掃除

をしている。しかし、私はそれに耐えきれず、

話しかける。

 「きみ、何部?」

 「こないだの大会の結果は?」

 「考査どうだった?」

 「休みの日は何してるの?」

 「学級通信、ちゃんと読んでるか?」

 と、生徒たちは、私の質問攻めに遭う。

 生徒たちはとても真面目なので、その質問に

答えながらも、掃除の手は休めない。

 最近、担当しているのは男子でようやく心が

通じ合ってきたのか(!?)、その手を休め、

顔を見ながら会話するようになってきた。

そして、校内ですれ違うときも、短い会話を

するようになり、私の目論見に生徒はまんまと

ハマっているのである(笑) 

 果たして、掃除の時間をこんな時間にして

いいのか、甚だ疑問ではあるが、どうにも

止められそうにない。

 これからも、校長室掃除になる生徒諸君は、

質問攻めに遭うことを覚悟して、嫌がらず

掃除に来て欲しい。

 

【おがっちBlog49】人として

 この時期、私は全ての先生方と面接を行って

いる。その中で、日頃先生方の感じている事や

教育活動について様々な話しを伺うことができ、

校長としては非常に楽しみな時間である。

 面接も終盤に差し掛かかり、先生方と話し、

一人になって暫くすると、ある歌が脳裏を

過ぎった。

 その歌は、海援隊の「人として」

 海援隊というグループを、生徒諸君で知って

いる人は少ないと思う。ボーカルは、武田鉄矢氏

調べてみれば、きっと「この人」って

なるかな??

 そのメロディは優しく、聴く人の心にスッと

入り込む感じがする。そして、その歌詞は、

 

 遠くまで見える道で 君の手を握りしめた

 手渡す言葉も 何もないけれど

 思いのままに生きられず 

 心に石の礫(つぶて)なげて

 自分を苦しめた 愚かさに気付く

 私は悲しみを繰り返す そうだ人なんだ

 人として人と出会い

 人として人に迷い

 人として人に傷つき

 人として人と別れて

 それでも人しか 愛せない

 

 夢を語り合えばいつも 

 言葉はすぐに 途切れてしまう 

 膝を抱えて うつむくことばかり

 鳥のように生きたいと

 夕空見上げて佇むけれど 

 翼は愚かな あこがれと気付く

 私は大地に影おとし 歩く人なんだ

 人として人と出会い

 人として人に迷い

 人として人に傷つき

 人として人と別れて

 それでも人しか 愛せない

 それでも人しか 愛せない

 

 何故、この歌を口ずさんだかは自分でも

わからない。教員という仕事は、「人として」

どうあるべきなのか?最終的には、ここに、

辿り着くのではないか。人との関わりの中で、

様々な感情と向き合い、コントロールし、

なんとかバランスを保つ。教員という仕事に

就きながら、「人として」の在り方を模索し

生きていくのである。

 生徒諸君にも是非、この歌を聴いて欲しい。

 

 

 

【おがっちBlog48】ある外国人から見た日本の素晴らしさ

 会津若松市の人口(2023年4月1日現在)

は、113,386人であり、10年前の人口より

10,233人減少している。これは、1年間で

約1,023人減少していることになる。

その中で、2023年4月の人口動態では、

自然動態が出生46人、死亡165人で119人

の減、社会動態では、転入が661人、転出が

1,149人で転出が488人多く、自然動態と

併せると人口は607人の減となっている。

 そのような中、アメリカの政治学博士

ロバート・D・エルドリッヂ氏が、

「日本人が知らない日本人の素晴らしさ」を

このように話していた。彼自身が日本で33年

生活し、その中で感じた日本の魅力は、

①「郷土愛」

 生まれ育った、それぞれの故郷のためを

思って自発的に協力する姿勢。そのような

郷土愛は、よりよい国を創っていくために

絶対必要である。

②「優しさ・礼儀正しい・自分のことよりも

相手優先」

③「多様性」

 全国各地を訪れると、生活習慣や言葉、料理

など、どこにいっても必ずその地域ならではの

特徴、魅力が存在する。日本人はよく

「全国一律」という言葉を使うが、日本ほど

地域の多様性がある国はない。この地域性が

「郷土愛」にも繋がっている。

④「地域の繋がり、家族の繋がり」

 特に地方では、兄弟姉妹、親戚が近くに住み、

お互い助け合いながら地域や家族の中で歴史・

文化・伝統・生活の知恵がきちんと継承されて

いる。そのような継承が各地域・各家族で

なされているというのは、国や社会の安定、

発展に極めて重要である。

と話し、こうまとめている。

 日本がここまで発展してきた要因は地域の

多様性、豊かな自然、家族・郷土愛、なにより

歴史・文化・伝統をきちんと継承し、その中で

育まれた日本人一人一人の資質、つまり『人』

に在ることは間違いない。

 私は、この会津の地こそ、彼が感じた日本の

素晴らしさを体現できる場所なのではないかと

思う。行政の支援に依存するのではなく、

自助努力を惜しまず、会津にある財産に目を

向け、会津を出て行った若者達、会津を訪れ

て魅せられた人達を含め全会津として結びつけ

ていくことが、会津の地域活性化のためには

必要ではないかと考える。

 本校生徒にも、「葵ゼミ」を中心に、様々な

教育活動を通して、会津の良さを身を以て

感じてもらえるよう学校が関わり、会津活性化

のリーダーとして貢献できる有為な人材を輩出

することこそが、我々の使命であると改めて

感じた。

 

【おがっちBlog47】「もし、自分の作品が県立美術館に展示されることになったら。」の続編

 【おがっちBlog42】に、

「もし、自分の作品が県立美術館に展示される

ことになったら。」というタイトルでBlogを

書いたが、今回はその続編。

 実は、あの展示の際に美術館に来館された

お客様が生徒たちの作品を目にとめ、わざわざ

生徒へメッセージを残してくれていた。

 その中のいくつかを紹介したい。

◯ クスッと笑えたり、なんともおしゃれ。

 発想が素晴らしいね。ぜひ、県美(県立

 美術館)のエコバックとして商品化して

 欲しいな。

◯ 1つ1つが個性的でどれも「県美が

 気になる!」作品ばかりでした。こんな

 個性や才能を持った高校生達が地元にいる事

 を知って、嬉しく、楽しく、明るい気持ちに

 なりました。これからも、面白いことに挑戦

 しながらやりたいことをしていって下さい。

◯ 生徒たちのユニークな作品に目を奪われて

 しまいました。作者・作品が生き生きと

 描かれているなあと思いました。未来の芸術家

 が現れるかもしれないと思いました。

◯ 今日の美術館の中で一番おもしろかった。

 この作品を見て、私もみんなと話してみたい。

◯ 私は宮城県に住んでいますが、福島の美術館

 が好きで年間パスを買っています。みなさんの

 応援プロジェクトを見て、もっと好きになり

 ました。センスとてもいいです!Good Job!

 

 授業者の5年越しの構想が見事に県立美術館に

届き、実を結んだ。生徒の作品が様々な視点から

共感を呼び、刺激を与えることとなった。

大きな自信に繋がるだろう。

 授業者の様子から、「教員としてのやりがい」

を感じる瞬間に立ち会えた気がして

嬉しくなった。

 今、生徒たちの作品は大きな輝きを放ち、

校舎内に展示されている。 

 

【おがっちBlog46】ある女子生徒の戦い

 先日、新人戦県大会に出場するため、顧問と

共に校長室に挨拶に来てくれた女子生徒がいた。

 3年生が引退した後、たった1名の女子

バスケットボール部員となった生徒である。

 彼女は、大会に出場するため、会津学鳳

高校と合同チームを編成し、見事に地区大会を

勝ち抜き県大会に参加するのである。

 バスケットボールは1チーム5人で戦う競技

であり、日々の練習は男子チームと練習を重ね、

その中で個人のスキルを高めるためのものが

中心になる。チームとして様々な戦術を練習

することはできない。それでも、彼女は練習

を継続してきた。彼女のバスケットボール愛

をだれも止めることはできないのである。

 屈託のない笑顔で「頑張ってきます」と

決意表明をする生徒に、心からのエールを

贈った。

 本心は葵高校の単独チームで出場したいに

決まっている。しかし現実を真摯に受け止め、

自分がやるべきことをひたすら繰り返す彼女の

振る舞いを誇りに思う。顧問も、その生徒に

寄り添い、バスケットボールの魅力を伝え、

顧問としての役割を十分に果たしてくれている。

 私は、彼女に「葵の代表として、存分に

戦ってきて欲しい。来年度1年生が多数入部し、

単独チームが組めるといいね。」と話した。

彼女は最高の笑顔で「ハイ」と言ってくれた。

これが葵の生徒である。「葵プライド」である。

 誰かが言った。

「スポーツの本質は、スポーツを行うことで

様々な理不尽を感じ、それに打ち勝つ強い心を

養うものである。」と。

 必ずや、彼女の想いが報われることを願わず

にはいられない。

 県大会は1回戦見事に勝利。2回戦で敗れた

と本人が報告に来てくれた。今回のプレーの

反省を次に生かしたいという、先を見据えた

言葉が嬉しかった。お疲れ様。

 

 

 

【おがっちBlog45】2024 葵高校始動

 2024の葵高校が始動しました。

 今年最初のBlogは、久々に全校生が参集

して行われた始業式での校長挨拶を掲載

します。

 

 まずは、能登半島地震において亡くなられた

方々に哀悼の意を表しますと共に、被災された

皆さんにお見舞い申し上げます。

 東日本大震災から、13年が経とうとして

いますが、改めて当たり前の日常が一瞬にして

奪われる自然災害の脅威を思い知らされます。

 被災した皆さんが一日も早く元の生活を

取り戻すことが出来るよう皆さんで

祈りましょう。

 改めまして、全校生の皆さん、

明けましておめでとうございます。

 令和6年が、いよいよ始まりました。

君たち1人1人が、どんな思いで新年を迎え

たのか、とても興味があります。

 それぞれの学年によって、今年に向けた

決意と覚悟は違うと思うからです。

 さて、今年は辰年です。

「辰」は12支の中では唯一の架空の

生き物、龍(竜)を意味します。 辰年は陽の気

が動いて万物が振動するので、活力旺盛に

なって大きく成長し、形が整う年だといわれて

います。

 過去の辰年を振り返れば、平成24年、京都

大学の山中伸弥氏は、成熟した細胞をiPS細胞

へと初期化できることを発見しました。

この発見は、再生医療の分野に革命をもたらす

画期的な成果として、ノーベル生理学・医学賞

を受賞しました。

 平成12年には、シドニー五輪が開催され、

女子としては史上初の金メダルを獲得した

女子マラソンの高橋尚子選手や、日本女子柔道

史上初の金メダルを獲得した田村亮子選手など

の活躍で過去最多18個のメダルを獲得しまし

た。

 昭和63年には、世界最長の

全長53.85kmの青函トンネルが

開通しました。工事期間は約24年間にも及び、

これは、日本の土木史上空前のスケールを誇る

仕事でした。

 このように、努力した成果が実を結ぶような

出来事が多く起こっています。これらは、

辰年の「成功の芽が成長し、姿を整えていく」

という傾向の表れかもしれません。

 そして、2024年を迎えたわけですが、

ある雑誌にこんなことが、書いてありました。

『現在の世界情勢や我が国の経済状況、

教育環境の急速な変化、更に、人間関係の

複雑さや、なかなか自己肯定に結び付ける

ことのできない葛藤など、この激動の時代を

生き抜くために、今の日本に強く求められて

いるのは、1人1人の自助努力の精神である。

現在の風潮は、国や自治体に依存する

ばかりで、自分でやればすむことすら積極的

にやろうとしない。

 かつて日本は、「東洋の君子の国」と

言われていた。それは、政治家や特定の

人たちが立派だったからではない。 

国民多くが「自助努力・独立自尊」の気風を

備えていたからである。』と。自助努力とは、

他に依存せず、自分の力で困難を乗り越える

努力のこと、独立自尊とは、自他の尊厳を

守り、何事も自分の判断、責任の下に行うと

いうことです。

 この文章を読んだとき、私自身も

「確かに」と、感じることができました。

君たちはどうだろうか?

「自助努力・独立自尊」は、これからの

キーワードになるかもしれません。

 本校のグラヂュエーション・ポリシー

つまり、卒業までにこのような生徒を育てます。

という目標は、「自立・自学」の校訓の元、 

主体的に考え、判断し、行動できる人材の育成

です。

 葵高校は、今年、「自助努力・独立自尊」と

同じ意味を持つ、このポリシーを達成する

ために、君たちに寄り添い、共に学び、人間力を

向上させながら進んでいきます。

 3年生の諸君は、高校生活最後の学期と

なります。そして、共通テストはこの週末に

実施されます。進路目標実現の為に挑戦を

続けている人は、これまでの自分の積み重ね

を信じ、最後まで粘り強く取り組んでください。

既に進学先が決まっている人は、一般受験の

入学者に負けないよう、時間を有効に活用し、

学力向上は勿論、専門分野の本を読んだりする

など、自分を磨いてください。

 また、就職が決まった人は、社会人としての

生活に入る、心の準備をしてください。

3年生全員が、残り少ない、ここ葵での生活を

有意義に過ごし、有終の美を飾り、巣立って

いくことを、心から願っています。

 2年生は、最高学年になります。

諸君にとって今年は、学習や部活動の面で

結果が求められる年になります。

 学校行事や部活動では、リーダーとしての

役割を期待しています。また、進路目標の達成

に向け、本格的に始動する時期でもあります。

いずれにせよ、準備に早すぎるということは

ありません。進路資料として配付される

「葵の軌跡」(明日への道標)を、諸君の

進路指導バイブルとして、有効に活用する

とともに、何事にも積極的に取り組んで

ください。期待しています。

 1年生は、学校にも慣れ、高校生としての

生活のリズムもでき上がったと思います。

諸君にとって、今年は学習や部活動の面で

力を蓄え、大きく飛躍・成長することが期待

できる時期です。また新年度になれば、先輩

となり、中堅学年としての役割が求められる

ことになります。諸君には、自分を見つめ

直し、自ら目標を見つけ、何事にも自発的に

取り組むことを期待しています。

 結びに、君たち1人1人が、1日1日を

大切に過ごし、「自助努力・独立自尊」の

気持ちを忘れず、「葵プライド」を持つ

ことで、葵高校が活気に満ち溢れることを

心より期待しています。

 全校生が笑顔で、前を向き、新たな葵高校を

作り上げるにふさわしい一歩を踏み出せるよう

祈念して、挨拶とします。

 

 本年も葵高校を、何卒よろしくお願い

いたします。

【おがっちBlog44】2023 今年の一文字

 激動の2023年も残りわずか。

 今年最後のブログは、私の今年を振り返り

その想いを一文字で表してみたいと思います。

 スッと思い浮かんだのは「会」という漢字

でした。教職生活で、初めて「会津」地区に

赴任し、多くの方々と「出会い」、「会話」

から様々なことを学ぶことができました。

 しかし、常に「会心」の笑みが出来た

わけではありませんでした。来年への課題です。

 そんな中でも、「会心の友」に成り得る人物と

「出会え」たことは、私にとって来年の希望と

なりました。

 さて、皆さんは、会津地方に、「会津三泣」

という言葉があるのをご存じですよね?

 会津の人の“気質”を表したとされる言葉で、

その意味は、会津に来た人は、初め会津の人の

「よそ者」に対する厳しさに泣き、2回目は、

会津の人の温かな心と人情に触れて泣く。

そして3回目は、会津を去るときに離れることの

つらさに泣くというものです。

 会津の人が持つどこか少しとっつきにくい

性格(勿論、全ての人に当てはまる訳では

ありません)と、一度仲良くなってしまうと離れ

がたくなるほどの深い人情を表した言葉です。

 そんな私は赴任してから、1回目の泣きを

経験することなく、過ごさせていただいて

います。出会った方々は皆さんとても優しく、

広い心で接してくれます。そして、

嬉しいことに、既に2回目の泣きを

経験しています。

 葵の生徒、保護者、教職員、同窓会、地域の

方々に支えられ 、温かな心と人情に触れて

います。ただ、会津の寒さに、私の心身は

大きなダメージを受けそうで、今から少々不安

です。(笑)

 

 「縁尋機妙(えんじんきみょう)

  多逢聖因(たほうしょういん)」

これは、安岡正篤師(哲学者、思想家)の言葉

です。良い縁が良い縁を呼んで発展していく

さまは、まことに妙なるものがあり、良い人に

交わっていると良い結果に恵まれるという

意味です。

 今年1年、この言葉を改めて噛みしめる

私にとっては大切な年になりました。

 生徒諸君、そして葵高校に関わる全ての

方々が、優しさと希望に溢れた年になる

ことを祈念しています。

 ありがとうございました。

 来年も、何卒よろしくお願いいたします。

    【関漆器店 蒔絵年賀状 青龍】

 

 

 

【おがっちBlog43】2学期 終了

 暑さと感染症に悩まされた2学期が無事終了

した。最近の急激な寒さとインフルエンザに

よる欠席者の増加を踏まえて、放送での終業式と

になった。

 今回は、その中での校長挨拶を掲載したい。

 

 まずは、全校生が大きな事故や事件に巻き込ま

れず、2学期の終業式を迎えられたことに安堵

しています。

 私は、学校という場所は生徒の安全安心が第一

であり、その環境が確保できて、はじめて教育が

成立すると考えています。

  実は、前任校で、生徒の命が奪われるという

信じられない事態を経験しています。交通事故

でした。その生徒は、とても明るく、将来美容師

になりたいという夢を持っていました。

 私とも元気に挨拶をし、クラスの中心人物と

して楽しい学校生活を送っていたのですが、

全てが一瞬にして奪われました。親族は勿論、

親友、クラスメイト、部活動の仲間と、多くの

人が想像を絶する悲しみと、喪失感に打ちのめ

され、学校全体が悲しみに包まれました。

 これは、学校生活の中で起こったことでは

ありませんでしたが、将来の夢を叶えるために

高校生活で多くのことを学んでいた、大切な

生徒を失うことは、私にとって耐えがたい事実

を突きつけられました。

 そのような経験もあり、君たちに何事もなく、

2学期を終えることができたことを安堵して

います。

 我々人間は、当たり前の日常を過ごせる

ことが奇跡的で、どれだけ感謝に値すること

なのかを忘れがちです。家族や友達との会話、

試験結果での一喜一憂、部活動での喜びや

挫折、その全てが生きていることの証です。

この2学期、君たちはこの当たり前の日常を、

どんな気持ちで過ごしてきましたか?

コロナ感染が不気味に継続し、異常な暑さに

耐え、熱中症に気をつけながら、延期に

なった体育祭でクラスの絆を強固なものとし、

部活動では3年生はやり遂げた充実感や

悔しさが残る生徒もいるでしょう。そして

1・2年生は3年生の引退を目の当たりにし、

先輩の偉大さを痛感すると共に、これからの

自分たちの責任に不安を覚え、修学旅行では、

非日常的な経験を通し一生心に残る思い出を

作り出せたのではないでしょうか。

 また、3年生は、既に就職内定や大学に

合格した人もいますが、多くの生徒諸君は、

今、人生の岐路に立ち、戦っています。

 君たちが葵を選び、入試を勝ち抜き、

当たり前に生活しているこの時間に

生きている実感はありますか?

 切磋琢磨できる友達ができ、その絆を深め、

その時間に彩りを与えて貰っている人、

部活動や様々なコンクールで結果を出し、

未見の我をいくつも見出した人、

何をやってもうまくいかず、

自己嫌悪に陥り、辛い日々を過ごした人、

家族や先生、仲間と対立し、自分を見失って

しまった人、君たち一人一人が、全く違う

時間を過ごし、自己肯定感を確立したり、

もがき苦しみ、それでも前を向いて

生きてきたのではないでしょうか?

 そんな中、私はこの2学期に多くの生徒と

話し、君たちの姿を様々な場面で確認し、

感じることが出来ました。その感じたことを、

 本校ホームページの私のブログで発信して

きました。やはり、記録に残しておくことは

大事であることを改めて感じました。それは、

その時感じた気持ちを忘れずにいることが

出来るからです。

 2学期以降のブログには、図書館で新たに

開始された本の検索サービスのこと、

1学年通信「きらり、光る」の内容、

家庭クラブの活動や、舞踊部の会津まつりに

おける演舞、合唱部の東北大会参加について、

そして、福島県短歌祭で歌人会 会長賞を

受賞した件について掲載しました。

 「思春期の 弟に作る お弁当 

 ぼそっと聞こえた いつもありがと」

その光景が目に浮かぶ、素敵な歌です。

 また、修学旅行で特に印象に残った

「西雲院(さいうんいん)」について、

県家庭クラブ研究発表会で最優秀賞を受賞した

こと、これは18年ぶりの快挙となり嬉しかった

ですね。更に、プロのヴァイオリニスト

竜馬さんが音楽の授業に講師として来校して

くれたこと。3年生が受験許可のために校長室に

来ることを成長の証と感じていることなど、

掲載してきました。

 それぞれの場面で「葵プライド」を存分に

発揮している君たちが、私の誇りであると

共に、君たちとの関わりから、生きる力を

もらっています。そして、葵高生の多くが、

日々、様々な感情と向き合い、たとえ

辛くても、一日一日を積み重ねて2学期を

乗り切ることができたのではないかと

感じています。

 これからも、君たちにとって

かけがえのない時間を大切に、大切に使って、

自分が納得できるまで、生きて、生き抜いて

欲しいと思います。

 君たちをはじめ、葵高校に関係する全ての

皆さんが希望に満ちた、新たな年を迎えられる

ことを心から祈念し、終業式の挨拶とします。

 

【おがっちBlog42】もし、自分の作品が県立美術館に展示されることになったら。

 本校の美術科教諭は、なかなかおもしろい

人間であり、私も美術の授業の概念を一掃

され、新たな刺激を受けている。

 その教諭は授業で「勝手に美術館応援

プロジェクト」という単元を設け、美術館と

コラボして作品を創り、美術館に展示して

もらっているのである。

 これは、県立美術館のコレクションをもとに

した「ぽけっとアート」というカードを利用し

シルクスクリーンという技法を用いてマルシェ

バッグを作成するという授業である。

 そして、作成したバックを実際に使用すること

により歩く広告塔となり、美術館をアピール

するという、まさにwin-winの授業と

なったのである。

 生徒の作成したバックは12月27日(水)

まで県立美術館エントランスホールに展示

されている。先日、私も足を運んだが、

マリノ・マリーニの彫刻「騎手」と同じ空間に

展示されている32点のバックを見て、

何とも言えない気持ちになった。

 1人の教諭の発想が、生徒の能力を

引き出し、美術館とのコラボを可能にし、

展示されるに至るのである。

 団体展での入賞や美術館が独自に企画した

展覧会に招待されるのではなく、授業の一環

として作成した作品が県立美術館に展示される

ということは、生徒にとって、通常では

体感できない喜びを感じるに違いない。

 県立美術館は福島市内にあるので、なかなか

行くことは難しいと思うが、都合がつく方は

是非、素敵な時間を過ごして欲しい。

 なお、この内容については、

福島県立美術館

(@fukushima_kenbi) · Xでも、

紹介されていますので、御覧下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog41】ある帰り道のこと。

 この時季になると夕方17時には、

既に暗くなっている。更に会津の冬は、

寒さも加わり、生徒たちには帰り道、

様々な状況が想定され、気をつけて

欲しいと願う。

 そんな中、私が車で帰路に就いている途中、

こんなことがあった。

 交差点を右折しようとする為、信号機が

変わるのを待っていた。右折側の横断歩道

には本校生徒の男女が楽しそうに話しながら

同じく信号が変わるのを待っていた。

 私は、微笑ましくその光景を見ていた。

 信号が変わり右折するためにゆっくりと

前進した。2人は話しながら横断歩道を

進んできたが、車が止まっていることに

気づくと、2人同時にお辞儀をしながら

走って渡ったのである。そして、何事も

なかったかのように話しながら進んでいった。

 この行動が、当たり前のこととして2人の

身についているとしたら。嬉しい。

 横断歩道では歩行者優先のルールが

あるにも拘わらず、車に待っててもらう

という事に、お辞儀までして走って行く。

 自分のことよりも、相手をおもいやる判断や

行動がいつのまにか自然に身についている。

 人としての在り方や本当の強さ、優しさは

常に誰かに教えられ、指導されてのみ身につく

ものではない。

 親や教師の後ろ姿や仲間との何気ない会話、

多様な経験、憧れや辛い思い出等々、

生活している全ての時間から様々なことを感じ、

考え、行動に結びつけることが、子どもたち

(年齢に関係なく)にはできるのである。

 我々大人の役割は、子どもたちの

その能力を理解し、大切にするとともに、

言葉や行動に、責任を持って

接していかなければならないと

改めて実感した。

  

 

 

【おがっちBlog40】至極の一杯。

 先日、ある先生から

「美味しいお蕎麦屋さんがあるのですが、

もしよろしければ、一緒にどうですか?」

と誘われた。

 蕎麦は好きであるが、その先生が私に声を

かけてくれたことも嬉しかったので、喜んで

出掛けた。

 会津坂下町の民家で営んでる、「由庵」。

御主人は初対面であるにもかかわらず、気さくに

話をしてくれる。その対応が心地いい。

 聞けばその御主人、職業は高校の国語教師

だったらしく、「常々、退職後の人生を考えた

とき、自分が好きなことをして過ごしたい。」と

思っていたらしい。そんな時、たまたま蕎麦打ち

の経験をし、「初めはそれほどやる気はなかった

が、上達していくにつれ、ハマってしまった。」

という。

 そこからの拘り具合は半端なく、拘り抜いて

今に至るのだそうだ。

 保健所から認可を受けた蕎麦打ち場所を

拝見し、食事場所へ案内される。

 日常生活で食事をしているという

その場所は、既に準備が整っていた。

 そばつゆは、薬味のからし大根と

わさび用の2つ準備してあった。

 急激にお腹が空いてきた。

「地物のわさび、たまたま手に入ったんだよ。

これで新蕎麦食べれるなんて、贅沢だよね。」と

鮫皮おろしで、そのわさびをおろしながら

ほほ笑む。

 茹であがった蕎麦を、流水でぬめりを落とす

ために水を入れ替えて(半分の水)、2度の

もみ洗い。そして丸いざるへ。(丸いざるにも

拘っている)

 更科蕎麦がこんなにも輝いて見えたのは、

初めてだ。白く光っているのである。

 先ずは、わさび入りのそばつゆで頂く。

香り、味、喉ごし。全てが絶妙のバランスで

美味しい。なんとも言えない幸福感で心身共に

満たされる。からし大根も、ひけをとらない。

 まさに、至極の一杯とは、このことか。

 「拘る」ことは、未見の我を見つけ出す為に、

必要なことなのだ。

 この御主人、拘ることに拘り、コーヒー、

緑茶、もやし炒め、だし巻き卵、そして、

自分で身につける袢纏にまで、拘りだして

いる。

 文化は、人生を豊かにするための一つの

ツールであるが、その選択は人それぞれ。

どのようなきっかけであれ、ハマったもん勝ち

であることに間違いはない。

 最後まで、御主人の話は尽きることが

なかった。そして、自分の人生を大いに

愉しんでいる姿が羨ましくなった。

 素敵な出会いに、感謝。 

  

 

 

 

【おがっちBlog39】成長の証。

 3年生は、進路目標を達成する為の戦いが

始まっている。 私は、それぞれの進路先への

受験のため、校長室へ許可をもらいに来る

生徒と向き合う時間が好きだ。

 生徒たちは、85センチ(Blog8を参照)

の入り口の前で呼吸を整え、緊張感の中でドア

をノックする。中には、緊張感を全く感じさせ

ない生徒もいるが…笑

 ほとんどの生徒が校長室に入ることは、

3年間でこの時位ではないだろうか。

 目と目を合わせ、一呼吸置いて、生徒が

許可をもらう為に、説明を始める。

 説明が終わり、許可願いの文書を受け取って

から、私は生徒に質問をする。

 その進路先の後に、どんな職業に就きたいの?

 その職業を目指したいと思ったきっかけは?

 どうして、この大学(進学先)を選んだのか?

 保護者は、背中を押してくれてる?

 試験内容は?

 その為の指導を、誰に受けているの?等々

 全ての生徒の受け答えを聞いていると、

是非合格して、未来への一歩を踏み出して欲しい

と願いたくなる。そう思わせる程、生徒たちの

強い想いが私に届く。

 文書に押印をし、生徒に返す。

 様々な経験や出会いを重ね、

自分のやりたいこと、夢を見つけ、

その想いを保護者に伝え、

その夢の実現のために勇気と覚悟を持って、

進みはじめた生徒を誇りに思う。

 そして、誰に対しても目を逸らすことなく、

自分の気持ちを真っ直ぐに伝える事ができる。

 それは、とっても難しいこと。

 当たり前に、できることではないんだよ。

 生徒一人一人の成長の証である。

 その姿を目の当たりに出来る、

この時間が私は好きだ。

 

【おがっちBlog38】ある朝の出来事。

 本校では、現在でもインフルエンザ感染者

とコロナ陽性者が何名かおり、体調不良の

生徒が早退することもある。

 そのような中、先日体調不良で早退しよう

としていた生徒に声をかけた。

「期末考査前なんだから、ゆっくり休んで

体調を整えるんだよ。」

「はい、わかりました。」と言って、家路に

就いた。

 次の週から期末考査が始まり、考査2日目

の朝、その生徒と廊下ですれ違った。

 「おはよう。体調どうかな?」

 「おはようございます。喉の調子はイマイチ

ですが、何とか大丈夫です。ご心配いただいて、

ありがとうございます。」と話し、微笑みながら

教室へ向かっていった。

「ご心配いただいて、ありがとうございます。」

自然に生徒から出たその言葉が、心に残った。

 自分が高校時代に、ここまでの返事ができた

とは思えない。どうして、こんな素敵な言葉を

自然に発することができるのだろう?

 私は常々、生徒たちと接する中で、このような 

感覚を覚えることがある。

 18歳で成人となる高校生ではあるが、

まだまだ成長の途中である。しかし、大人と呼ば

れる我々が、彼らから気づかされることが多い

ことも事実である。

 葵高生との関わりは、私自身を振り返るために

必要な、かけがえのない時間である。

 

 

 

【おがっちBlog37】憧れるのをやめましょう!

 「憧れるのをやめましょう!」

 この言葉は、大谷翔平選手が2023ワールド 

ベースボール クラッシックの決勝、アメリカ戦

直前に日本選手に語りかけたものである。

 憧れの人物がいることは素晴らしいが、

今回の場合、その気持ちを持つことが、

勝つんだと言う気持ちの壁になることを

払拭した、名言だと感じた。

 大谷選手は、今年、野球の聖地アメリカ

大リーグで2度目の最優秀選手となった。

(因みに、大リーグで最優秀選手になった

日本人は、イチロー選手と大谷選手しか

いないし、2度の獲得は大谷選手のみ)

 この快挙にアメリカのニューズデー紙の

エリック記者は、大谷選手に関する最大の

賛辞は、選手たちからの声だと話す。

 メジャーで戦う選手たちが同世代の選手に

畏敬の念を抱くことは凄いことだが、他の選手

たちが大谷選手について語っている声を聞くと、

まさに全員が畏敬の念を抱いている。

 そのような選手はごくわずかであり、その中

でも、大谷選手への尊敬の気持ちはップなのだ

そうだ。

 また、大谷選手の花巻東高校時代の恩師である

佐々木洋監督は、

 大谷選手が「目指していること」と「そのため

にやらなければならないこと」を一致させ、

夢を遙かに超えて実現していく。彼は子どもたち

にグラブを与え、更にこれからは夢を与えていく

ことだろう。

 運命を決めるのは、今までの「歴史」ではなく

その人の「選択」であり、「決断」だと思い知ら

される。

 と語っている。

 葵の諸君、君たちのたった一度の人生、

どうか、この葵で仲間を増やし、刺激し合い、

たくさんの経験から、悩み、苦しみ、考え、

そして決断、行動できる人間になってみないか。

 自分自身を認める為に。

 自分自身を愛する為に。

 自分自身で生き抜く為に。

【おがっちBlog36】『竜馬』さんが葵にやってきた。

 千葉県出身のヴァイオリニスト竜馬さんを、

本校音楽の授業に講師として招聘し3年が経つ。

 生徒の目の前で、プロのヴァイオリニスト、

それも、NHK大河ドラマ「龍馬伝」、映画

「ALWAYS三丁目の夕日」「嫌われ松子の

一生」等、ゲーム「ファイナルファンタジーX」

等々に関わった方が奏でるのである。

 生徒たちの心にその音楽は、どれだけの衝撃を

持って、届いたのだろうか。

 私も、何度か拝聴させていただいたが

「目をつむって聴きたい、体中に染み渡る感覚」

「感情が高ぶられ、涙腺を刺激する」

「音楽から、その情景が目に浮かぶ」…

 音楽担当の長谷川先生と竜馬さんが偶然に

出会い、「是非、生徒にも聴かせたい」という

先生の依頼を、快諾してくださった事により、

今に至るのである。

 長谷川先生は、「教えることだけなら、県内の

方に依頼すればいいが、竜馬さんのLIVEの空気感、

臨場感を直接生徒に感じてもらいたい。そこから

生徒たちは、今まで経験したことのない感覚を

得ることが出来る。」と断言する。

 多くの生徒は、その奇跡の授業を受けた後、

竜馬さんの前に並び、握手とサインを

してもらう。その気持ちは十分に理解できる。

 また、竜馬さんと話をすると、決して今に満足

することなく、常にその先を見据えて、自分が

何をしていきたいかを考えていることがわかる。

プロのヴァイオリニストとして成功を収めながら

エンターテイメントを通して子どもたちの心の

育成を目的とする会社を立ち上げ、地域活性活動

や慈善事業にも積極的に参加し、独自のやり方で

社会貢献の一役を担っているのである。

 そんな生き方をする竜馬さんから、生徒だけで

なく、我々も学ぶべき事は多い。

 どんなツール使っても、人の感情を揺さぶり、

気持ちに大きな衝撃を与えることができる人には

共通点がある。

 それは、成功と苦い経験から得た揺るぎない

「自己肯定」ではないだろうか。

 竜馬さんのこれからの活躍を祈念すると共に、

葵高生との繋がりも継続させていただきたい。 

 感謝!!

 

 

【おがっちBlog35】18年ぶりの快挙達成!!

 福島県高等学校家庭クラブ連盟が主催する

研究発表大会で2年5組の遠藤結衣さんが、

ホームプロジェクトの部で最優秀賞を受賞した。

 この大会は、今年度で第71回を迎える歴史

ある大会であり、本校にとって18年ぶりの

快挙となった。

 ホームプロジェクトの部というのは、個人

研究であり、会津地区予選を勝ち抜き、会津を

代表して県大会に挑んだ結果であった。

 先日、顧問の須賀先生と発表のサポートを

してくれた同じクラスの菅山さくらさんと共に、

校長室に大会報告に来てくれた。

 遠藤さんの喜びに満ちた笑顔は輝いていた。

 今回の発表は、

「野菜が食べたい!! ~野菜嫌い克服チャレ

ンジ~」という題である。この題にした理由は、

遠藤さんの住む地域は、稲作を中心とした農業

が盛んで、美味しい野菜や果物が沢山採れる。

しかし、遠藤さんの家族は野菜を好まず、

食卓には肉や魚が多く、野菜があまり並ばない

そうだ。そこで、遠藤さんは、自分が大好きな

野菜料理を食卓に並べたいと思い、この題と

なったそうだ。

 この研究を進める為に、計画を立て、実態

調査①、実践①、中間評価から改善点を見つけ

出し、実態調査②、実践②を行い、まとめと

今後の課題を明確にするまで集中して取り組み、

この度の受賞となった。

 遠藤さんは、今回の研究を通して様々な発見

があったと話してくれた。

 調理法や野菜の形状を工夫することで食べ

やすくなること。時短料理も出来るように

なったこと。更に、タレの効果や災害時に

役立つ調理法も身についた。そして何より、

家族との繋がりを強く感じることが出来た

そうだ。

 家族との何気ない日常生活の中から課題を

見つけ出し、家族を想って改善策を考え、

家族の豊かな食生活を実現させた。

 まさに、本校のグラヂュエーションポリシー

(卒業までに、このような生徒を育てます)を

体現してくれたと嬉しく感じている。

 そして、須賀先生、菅山さん、家庭クラブの

仲間と、多くの人たちからサポートを受けた

遠藤さんのこの受賞は、「葵プライド」を象徴

するものになった。

 この研究は、本県を代表し、来月宮城県で

開催される東北大会に進むことになり、

結果次第では全国大会である。

 乞うご期待!!

  左 菅山さくらさん  右 遠藤結衣さん 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog34】西雲院(せいうんいん)②

 鶴ヶ城天守閣の側で、あの日の出来事を

思い出す。

 我々は、會津藩士の供養をしたいと思い

西雲院を訪ねた。鳥の囀りと暖かな日差しを

受け、ひっそりとした場所に佇むその墓地は、

松平容保公の石像に見守られように建墓されて

いた。

 花を手向けようとした時だった。なんと

西雲院の住職 橋本周現様が、現れたのです。

 会津の高校から供養に訪れたことを知り、

お忙しい中、我々の前で、供養のためのお経を

唱え、御焼香までさせていただいた。

 住職は、お経の後、

「わざわざ、この場所を訪れて頂き、ありがとう

ございます。新島八重さんの故郷ですよね。」

 と発せられた。その後

「この墓地は、幕末に松平容保公が京都守護職に

任ぜられ會津藩士千名と共に入京しました。

 当時の京都は暗殺と強奪が日常化していました

が、會津藩士の目覚ましい活躍で治安は回復され

ていきました。しかし、藩士の中で戦病死する者

が続出したためここに墓地が整備され葬られたの

です。その後、鳥羽・伏見の戦い等で亡くなった

352霊を合祀しています。」

 という話をしてくださった。

 そして、新島八重さんも、よくこの場所を訪れ

供養してくれたそうだ。また、会津の方々が来れ

ば、ここに案内し一緒に記念写真を撮っていたと

いうと貴重な話をしてくださった。

 お忙しい中対応してくださった住職は、最後に

我々一人一人に御守りをくださった。

 この御守りは、會津墓地を約80年見守った

ミズナラの材で作成した、腕輪念珠御守りで

ある。

 松平容保公が入京してから約160年。

 目の前にある鶴ヶ城天守閣を想う気持ちに

新たな感情が加わった。

 今回の修学旅行の目的の一つに、

「史跡や文化遺産、地域に息づく風土、

伝統産業、人々の暮らしなどを肌で感じると

ともに、あらためて日本文化の歴史や伝統に

ついて考える。」とある。

 生徒たちは、この修学旅行で、何を感じ、

何を想い、いくつ未見の我を見つけ出す

ことができただろうか?

 

【おがっちBlog33】西雲院(せいうんいん)①

 10月22日から3泊4日で本校2学年修学

旅行が実施された。私も団長として、生徒と共に

奈良、大阪、京都へ出掛けた。

 天候にも恵まれ、旅行行程も順調にこなし、

生徒一人一人の自覚によって、この旅行の目的を

果たすことができたと感じている。

 多くの見学地を訪れて見識を深めたが、私が

最も意義ある場所と感じたのは、京都市左京区

黒谷にある、「浄土宗大本山 金戒光明寺 

山内 西雲院」である。

 この院を私は初めて知った。京都ガイドにも

掲載されているのは少ないのではないだろうか。

この院のパンフレットには「浄土宗の開祖

法然上人由来の『紫雲石』、會津藩士をとむらう

『會津墓地』など、聖なる史跡が、季節の花々に

包まれて歴史を今に伝えています。」と書かれて

いる。

 今回の訪問は、葵の修学旅行において、

葵の地に深く関わりのある、會津藩士の供養に

訪れたいと思ったからである。

 そこで、予想もしていなかった出会いと、

新島八重さんに関する貴重な話を聞くことが

できた。まさに、この場所に引き寄せられた

感じがした。

 

 修学旅行から戻り、私はどうしても「鶴ヶ城」

に行きたいという衝動に駆られ、次の日には

天守閣の側で、ただただ時間を過ごしていた。

 

 次号へ続く!!

 

 

【おがっちBlog32】第71回福島県短歌祭

 福島県歌人会が主催する「福島県短歌祭」に

本校生徒が応募をし、多くの賞を受賞したので

紹介します。

 福島県歌人会 会長賞

 3年3組 田中玲音凪

「思春期の 弟に作る お弁当 

ぼそっと聞こえた いつもありがと」

 田中さんがお弁当を作っているように

感じます。そして、ぼそっと「いつもありがと」

と言われたけれど、後ろを向いているので、

振り向かず、そのままニコッとしている田中さん

の笑顔が思う浮かびました。

 優しい兄弟ですね。

 

 福島県短歌祭実行委員会 会長賞

 3年2組 大島弓佳莉

「白黒の 銀盤見つめ 深呼吸

私を照らす スポットライト」

 この歌は、今年の校内合唱コンクールで伴奏を

した大島さんの心境でしょうか?

 きっと大島さんはピアノに親しむ機会が多く、

弾く前のルーティーンを表した歌と想像します。

そして、スポットライトを浴び、「いくぞ」と

いう気合いと緊張感が伝わってきます。

 

 福島民報社賞

 3年2組 伊藤 柚葉

「取り返す コロナが奪った 青春を

高3にして 初の体育祭」

 まさに3年生は、コロナに振り回された学年

でした。 その悔しさと、体育祭が行われた喜びが

見事に表現されている歌ですね。

 確かに、体育祭での3年生の盛り上がりは最高

でした。

 どんな状況でも、しっかりと向き合い、それでも

自分がやれることに、直向きに取り組んだ3年生を

心から誇りに思います。

  そのほか、

 福島民友新聞社賞に 3年3組の伊藤 茉緒、

そして3名の生徒が佳作を受賞し、

今回「学校賞」をいただきました。

 今回もまた、本校生徒の持つ計り知れない能力

と才能の一端を垣間見ることができました。

 最後に、着任当時からの私の心境を

「葵の地 自分に何が できるのか

何をするのか 覚悟し進む」

 

【おがっちBlog31】「私たちは、伸びる芽」

 合唱の東北支部大会が秋田で開催された。

 この大会には本校合唱部をはじめ、東北各県

を勝ち抜いた35校が参加した。

 結果は銅賞で、残念ながら全国大会への出場は

叶わなかった。しかし、歌い終わった16人の部員

達からは、やり遂げる事が出来たという達成感を

感じることができた。

 部長の金田美胡さんは、「今まで大変な事が

多かったけど、今はみんなで乗り越えてここまで

来れたので、何の悔いもありません。」と笑顔で

話した。

 顧問の桜先生は、「全国大会に出場したい

けれども、それだけが大切なのではなく、

合唱部で経験した全ての事が、あなた達の人生

において役立つ時が必ずくる。この経験を

部活動を通してできたことこそ大切なんだよ」

と力強く伝えてくれた。

 まさに、葵高教育の本質を垣間見た。

 このような考えを持ち、生徒に寄り添う教師が

多い集団であることが、これからも本校を進化

させる。

 「私たちは、伸びる芽」

 合唱部のスローガンである。

 部員達は、活動を通して気付くことがなかった

可能性(芽)を見出し、その芽をしっかりと伸ば

した。

 これから、素敵な花を咲かせるに違いない。

 

【おがっちBlog30】娘子隊演舞

 9月23日、会津藩校行列に先立ち、鶴ヶ城で

盛大な出陣式が執り行われた。

 本校舞踊部はその出陣式の中で、演舞を行う

という名誉にあずかった。

 戊辰戦争を戦った娘子隊に扮し、見事に演舞を

披露した部員に心から拍手を送りたい。

 そして、舞踊部に外部指導者として日頃から

御指導いただいている、丸山京子様とお供の方に

感謝申し上げる。

 当日も早朝から駆けつけていただき、衣装への

着替え、入念な準備、そして直前まで「胸を

張って踊りなさい」「内股で踊るんですよ」

「眼鏡を外すのを忘れないように」と細部に

まで、お気遣いいただいた。

 部員たちが大観衆の前で、臆することなく

演舞を披露することは、なかなかできない経験

であり、自信と自己肯定感に繋がる。

 その陰には、会津の歴史に触れ、教え、

その中で生徒の能力を引き出していただける

指導者が存在することを改めて感じた次第で

ある。

 地域の方々に支えられ、見守られている

葵校生が、地域に貢献できる人材として成長

できるよう、我々もサポートして参ります

ので、今後ともお力添えをいただければ幸い

です。

 

【おがっちBlog29】一通の手紙から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皆さんは、このような便箋で手紙をいただいた

ことが、ありますか?

 学校に届いたこの手紙は、封筒の文字から

私の興味を惹き付け、丁寧に封を開けなければ

という感情に囚われ、ゆっくり取り出したのが

この便箋です。

 この手紙は、先日、同窓会郡山支部総会で

お目にかかった、顧問の歌川美沙子様から

頂いた礼状です。

 各支部同窓会総会に参加するたび、

同窓生の方々の母校愛は勿論、上品な振る舞いや

話し言葉、気遣いに、会津女子高校・葵高校

同窓生としての誇りを感じております。 

 この手紙には、支部同窓会総会に校長が

参加してくれたことに対するお礼、同窓会に参加

するのを毎年楽しみにしていること、葵高生徒を

よろしく頼みますという優しい言葉が綴られて

いました。その中で特に印象に残っているのが

「会場を後にした心の中に、絆の糸がつな

がったと嬉しく感じました。」という言葉であり

ます。

 このような有難いお言葉を頂けたことは、

私にとって最高の喜びであり、この職の責務

を改めて感じることとなりました。

 

 葵高校に関わりのある方々との出会いが、

これから新たな歴史を積み上げていく原動力に

なる。

 人と出会い、人に支えられ、人から力を授かり

葵高の明日へ繋げる。

 誠に、やりがいのある仕事である。

 

【おがっちBlog28】中秋の名月

 2023年の中秋の名月は、9月29日です。

 「中秋の名月」とは、太陰太陽暦の

8月15日の夜に見える月を指すようです。

この月を愛でる習慣は、平安時代に中国から

伝わったと言われています。

 葵高校では、この風情を感じてもらうため、

既に名月が出ています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 家庭クラブの生徒が季節ごとの展示をして

くれるのです。

 この心遣いと、日本の風情を自然に感じ、その

素晴らしさに身を置くことのできる、

 

「人」

 

になりたいものですね。

 

 

【おがっちBlog27】きらり、光る

「きらり、光る」これは、1学年通信の題名

です。今回は、その第6号に掲載されていた

詩を紹介します。

 

ひとつの言葉でけんかして
ひとつの言葉でなかなおり
ひとつの言葉で頭が下がり
ひとつの言葉で心が痛む
ひとつの言葉で楽しく笑い
ひとつの言葉で泣かされる
ひとつの言葉はそれぞれに
ひとつの心をもっている

きれいな言葉はきれいな心
優しい言葉は優しい心

ひとつの言葉を大切に
ひとつの言葉を美しく

 

 この詩は、真宗大谷派の伊奈教雄さんの

「風の声・竹の声」の中に掲載されているよう

です。また、詩人 北原 白秋が作成したとも

言われています。更に、山田洋次監督の映画

『男はつらいよ』の舞台「とらや」の額縁にも

この言葉が使われているそうです。

 

 この詩を読んで、何を感じるかは人それぞれ。

 本校生が、自分を見つめ直す機会になる

ことを切に願います。

 先生方は、日常の中のそれぞれの言動、

行動で、君たちに様々なことを考えるチャンスを

プレゼントしています。気づいていますか?

 是非、「葵プライド」に繋げましょう!!

 

【おがっちBlog26】ブクログ?カーリル?

 葵高生よ、

ブクログ。カーリル。勿論、知ってるよね?

 改めて紹介しよう。

 実は、どちらも本校が誇る葵図書館が導入

した「本の検索サービス」の名称なんだよ。

 このサービスを県内で活用している高校は

少なく、新たな本検索サービスの先駆けと

なる画期的なシステムなんだ。

【ブクログ】

・葵高校図書館に新しく入った本を探すことがで

 きる。

・本の表紙を一覧で見ることができる。

・本を選択すると、あらすじやブクログ内の感想

 を見られる。

・毎月の新着図書ごとに追加。

・「新書」「マンガ」「小論文」などジャンル

 ごとに見られる。

・タイトル、著者名などで検索可能。

    URL : https://booklog.jp/users/aoilibrary 

 このサービス、凄くない?

 次のサービスは、もっと凄い。

 【カーリル】

・葵高校、会津若松市立図書館、福島県立図書館

 の本が一度に検索、予約できる。

・上記の3館合計約164万冊の資料が、葵高校図

 書館を窓口に利用可能。

・タイトルやキーワードから詳細に本の検索が

 可能。

URL : https://private.calil.jp/gk-2004333-1113w/

 どちらのサービスも、図書館内の検索用PC・

タブレット、そして自分のスマホから、自由に

検索できるし、保護者の方も利用できる。

 このサービスを有効活用しないなんて…

もったいない。

 配付されているプリントを要チェック!

 詳細は司書の渡部さんに聞いてみてね。

 このサービス導入で、今まで以上に君たちの

読書時間が増えることを大いに期待しています。

*福島県立図書館の本の取り寄せには1週間

 程度かかるようです。

*保護者の方は、生徒のアドレスで予約して

 ください。

 

【おがっちBlog25】細やかな幸せ

 生徒達の夏休みが終わりに近づいたある日、

いつかはと狙っていた、喜多方ラーメンを食する為に車を走らせた。

 この日は快晴で青空の下、絶好のドライブ日和となった。

 121号線バイパスを走行中、磐越西線姥堂駅付近で、

運転しているのを忘れる程の絶景が目の前に現れた。

 奥に飯豊連峰、その前には一面に広がった収穫間近の稲穂が

黄緑に色付き、風に靡く。その中を、愉しむかのように電車が、

のんびりと動いている。

 凄い。

 まるで齋正機氏の水彩画のようである。

 こんな光景滅多に見られないと、思わずスピードを落として走った。

 生きていると、些細な日常の中からでも、

こんな幸せな時間が生まれてくるんだなぁ。

 感謝。

 勿論、1時間並んで食べたラーメンに隠し味が加わり、

美味しくいただいたのは、言うまでもない笑

【おがっちBlog24】2学期 始動

 8月25日(金)本校2学期が始まった。

 この日9時現在の「暑さ指数」は29.7(厳重警戒)のため

残念ではあったが、放送での始業式となった。

 今回は、その中での、校長挨拶を掲載する。

 

 まずは、全校生の中で大きな事故や事件に巻き込まれたという

報告もなく、2学期の始業式を迎えられたこと嬉しく思います。

 君たちは進路活動や課外授業、部活動、ボランティア活動等に励み、

意義のある充実した夏休みを過ごしてくれたのではないかと

思っています。

 そして、多くの生徒が「葵プライド」全開で活躍した暑い夏になりました。

 陸上競技では、3年生の五十嵐 聖(ひじり)君が、インターハイに出場し、

全国の精鋭たちと正々堂々と戦いました。 

 2年生の佐藤陸喜(りき)君は、本校を代表し、アメリカ・カナダで

海外研修をし、彼の人生観に大きな影響を及ぼし、国際的視野を広げました。

 同じく2年生の大塚虹大(こうた)君は、県内高校生を代表し、

福島県議会議長と懇談、県行政が抱える課題に対して、堂々と自分の考えを

述べました。

 更に、7月から8月にかけてギターマンドリン部、合唱部、吹奏楽部の

定期演奏会が通常に近い形で開催され、多くの方々に御来場いただき、

音楽の素晴らしさを伝えるだけではなく、本校生の凜とした姿と

底知れない力があることを見せてくれました。本当にありがとう。

 全校生の多くが、この夏、様々な経験をし、新たな自分を見つけ出せた

のではないでしょうか。

 そんな君たちが2学期を迎えるにあたり、

 私から「期待に応える」大切さについて話したいと思います。

 私が校長として着任し、5ヶ月が過ぎようとしていますが、

たった5ヶ月でも、強く感じるのは、多くの関係者や

地域の方々からの葵高校に対する期待が、とても大きいということです。

 なぜ、葵高に対する期待が大きいのか。

 それは、君たちの先輩方、そして、今の君たちの有り様(ありよう)が、

期待に結びついていると感じています。

 中学生を対象にした体験入学には500人を超える中学生が

来校しました。

 「葵で学びたい。」

 「先輩方のように部活を楽しみ、自分の進路を決め、両立しながら

 その目標を達成したい。」

 「葵ならそれが、できるかもしれない。」

 そんな期待を持たせるのは、先輩方、君たちの実績そして、

葵高校の雰囲気の良さが伝わっているからだと思います。

 また、1学期終業式に配布された「生徒指導部だより」の裏面に、

3年生の有志が、雨の中にも関わらす、外にあるゴミ箱周辺の掃除と

分別を行ってくれた記事が掲載されていました。

 更に、7月10日の夕方、急なゲリラ豪雨により神明通り商店街

でも被害を受けたのですが、1年生の何名かが、商店で散乱した

品物を回収したり、水はけ作業を献身的にしてくれたと、

学校にお礼の電話がありました。

 このような、君たち1人1人に備わる思考力、創造力、

そして行動力が、多くの人たちの心を揺り動かす原動力になり、

葵高校への期待をより一層大きくしているのだと感じます。

 今後も、1人でも多くの生徒が「葵プライド」を自覚し、

実践する力を養ってもらいたいと願っています。

 期待されると言うことは、君たちが持つ力を発揮するための

 原動力にもなるし、プレッシャーになる人もいるかもしれません。

しかし、自己肯定力を常に意識し、期待されることを前向きに捉え、

進んでいきましょう。

 私は、そんな君たちと、君たちを支えることを第一に考える

先生方とともに、ここで過ごしていけることが

楽しみでしかありません。

   3年生は進路目標実現の為に、1、2年生は部活動での活躍や

将来の自分を見つけ出す為に、何をすればいいのか、考え、実践して

欲しいと思います。

   君たちにとって、実り多い2学期になることを大いに期待し、

私の話とします。

【おがっちBlog23】2023 regular concert

 7月から8月にかけて、

本校音楽系3部(合唱、ギターマンドリン、吹奏楽)の

regular concert(定期演奏会)が会津風雅堂で開催された。

 昨年までのような厳しい制限を設けず、通常に近い形で開催した

それぞれの定演には、猛暑の中、多くの観客の方々に御来場いただいた。

 校長として、定演に向け、工夫を凝らした構成を考え、

協賛していただく企業や団体の皆様に挨拶をし、各関係者との打合せを重ね、

素晴らしい音楽を奏でてくれた部員たちを誇りに思う。

 各部の演奏を動画に収め、音楽に耳を傾け、頷いたりリズムを取りながら

部員達を見つめる御家族や年配の方、小中学生の様子を拝見して、更に嬉しくなる。

 それぞれの部員は、音楽の持つ見えない力を存分に伝えてくれた。

 そして、部員が奏でる音楽は、本校が新たな歴史を積み上げるため、

今よりも更に誇れる学校になれるよう、前を向いて進んでいくために

背中を押してくれると信じている。 

 本校生徒の部活動加入率は100%に近く、勉強との両立を図っている

生徒も多い。 勿論、生徒一人一人の能力を少しでも引き出すために顧問も

しっかり寄り添っている。

 

 まさに「葵プライド」を体現している、生徒、教職員は『あっぱれ』である。

【おがっちBlog22】声は時を超えて

 先日、学校へ電話があった。

 その声を聞いた瞬間、35年前の教え子だとわかった。

 私が小学校の教諭として、2度目の担任をしたクラスの児童である。

 現在、40代半ばを過ぎているが、その話す声、笑い声は、

小学校5年生のままであった。(と私は感じた 笑)

 長い時間が過ぎているはずなのに、あの頃の光景があっという間に

目に浮かぶ。

 教諭として歩み出し、その至らなさを、あたたかな眼差しで

見守ってくださった各先輩方、 人間として未熟な私に、様々な経験を

させてくれた子どもたちに感謝しかない。

 35年前の当たり前の日常の中で交わす会話で、記憶されたその声が、

時を超え、何気ない当たり前の日常で蘇る。

 その声が、あの頃の自分を振り返らせ、今の自分を見つめ直す

キッカケになる。 これも、人生の醍醐味か。

 教え子は、現在韓国に在住し、幸せな生活を送っている。

 

 「何よりも嬉しい。」

 

 私の所在を調べ、勇気を持って学校に電話してくれたことに

心から感謝する。

 

【おがっちBlog21】読書のススメ

 夏休み、私も心のリフレッシュが必要である。

 お気に入りの葵図書館に足を運び、本を借りた。

 漫画「君たちはどう生きるか」 (原作 吉野源三郎 漫画 羽賀翔一)

 「もっと早く、この本に出会えれば良かった。」という本音と、

これからの自分の生き方へのヒントになった。

 

 あるSNSで、高校時代に読書することのメリットについて、

 ①読解力&文章力のアップ

 ②創造力の育成

 ③ストレス発散

 ④会話のネタ

 と明記してあった。確かに、そのように感じる。

 そんな中、こんな本が目についた。

 「現役東大生が選ぶ『高校生のうちに読んで欲しいおすすめの本』

50選!」である。

 この中に、私も読んだことのある本が何冊かあった。

 その一冊が「嫌われる勇気」(著 岸見一郎 古賀史健)である。

 この本は、精神科医アドラーが患者を治療していく中で自分の考えを

まとめたものである。

 「この本を読むだけで生き方が変わる。」

 「自分の過去や環境とは関係なく真っ直ぐ生きるヒントがある。」

 「人のことばかり気にしている。そんな人に読んで欲しい。」

と東大生もコメントを寄せている。

 

 「君たちはどう生きるか」を読みながら「嫌われる勇気」を思い出して

いた。どちらも、60歳を目前にした人間がこれからの生きるヒントにしたい

と感じた本であるが、君たちが読むことで、その心に突き刺さる感情が

溢れ出すのではないだろうか。

 

 どうか、有意義な夏休みになりますように。

 

【おがっちBlog20】令和5年度「体験入学」開催

 7月27日(木)に開催された体験入学。

 今年度は会津域内の中学校35校から500名を超える中学生に

参加していただいた。

 新型コロナウイルス感染症が落ち着きを見せており、じっくりと

本校の良さを感じてもらうハズだったのだが、例年以上の酷暑に

見舞われ、熱中症予防の為に時間を短縮しての開催となった。

 

 生徒会役員が自作した学校紹介パワーポイントや動画で中学生の

心を掴み、進路状況、本校独自の教育プログラム「葵ゼミ」の説明を

担当責任者がわかりやすく、丁寧に伝え、我々が危惧した体調不良者を

出すことなく、一安心。

 その後の部活動等自由見学では、本校を少しでも知りたいという中学生の

積極的な姿勢と各部活動の部員が、それぞれのアピールを主体的に行ない、

学校全体が暑さをものともせず、活気に溢れた空間となった。

 

 その中で、本校生徒や各担当の柔軟で機転を利かせた行動に感心した。

 ①全体会で、「水分を自由に飲んでいいですよ」という言い方ではなく、

  各説明の間に「給水タイム」を設けて、参加者全員が漏れなく水分補給

  できる環境を確保。

 ②マイクやパワーポイントで、機器トラブルが発生したが、その後に

  説明した担当者が、「どんなに準備しても、どんなにリハーサルを

  繰り返しても、本番でトラブルは付きもの。その時、どのように

  対応できるか。どんな変化にも適応できる能力がこれからの時代は

  必要なのです。」と、トラブルを学びに変えた。

 ③生徒会役員が、昨年度の文化祭で作成した「うちわ」で残って

  いた物を部活動見学している中学生に配布。

 ④予定よりも早く終了したため、保護者の迎えが来るまで時間差が

  生じてしまった。待機を余儀なくされた中学生には、見学の時間を

  延長したり、図書館を待機場所にし、暑さ対策と本校図書館の環境の

  良さと充実ぶりをPR。

 等々。

 それぞれの場面に於いて、生徒や各担当が機転を利かせ、柔軟に対応

出来るのは、本校のリスク管理にとって大きな強みになると感じているし、

今後も磨きを掛けていきたい。

  

 参加していただいた中学生の皆さんにとって、今回の体験入学が

「葵高校で学びたい」と気持ちが固まる判断材料になれば幸いです。

 全体会でもお伝えしましたが、葵高校は「本校を選び、入学してくれる

皆さんの期待をしっかりと受け止め、葵を選んで良かった。」と思って

もらえるよう、寄り添います。

 私たちと共に、この場所で皆さんの未来を描きましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog19】繋がる喜び 生徒編 及び修正・訂正

終業式の日であった。

 放課後、男子生徒が85センチのドアを叩いた。

 

 生徒「校長先生に、お話があって来ました。よろしいでしょうか。」

 私 「もちろん。どうぞ、掛けて。」

 その生徒は、自分の就きたい職業について、その為の進路について、

この夏の勉強に取り組む自分の考えについて、そして、このBlogの感想に

ついて、わかりやすく話してくれた。

 その生徒とは初対面であったが、臆することなく、と

ても爽やかで、

目を輝かせ、話をしてくれる姿に驚きと頼もしさを感じた。

 私の高校時代を振り返ると、確かに言いたいことや、感じたことは

言わないと気が済まない生徒だったと思うが、ここまでの勇気はなかった。

 その生徒が進路目標を達成し、またここで話が出来ることを、今から

楽しみで仕方ない。

 これからも、この場所を葵高校に関する全ての方々のプラットフォームに

なれるよう頑張りますので、いつでもお越し下さい。

 

 次に、修正と訂正をさせてください。

 Blog18で紹介した玉川くんの内容について。

 玉川くんの内容をアップした後、早速玉川くんから「暑中見舞い」を

いただきました。(嬉しい限りです)

 その中で、現在の仕事について、詳細な内容を送っていただいたので

修正いたします。(彼の名刺にある大膳課について)

 〇宮中行事の際に饗宴、茶会などのほか、天皇陛下、上皇陛下及び

  内廷にある皇族方等の日常のお食事についての供進及び調理に

  関することを担当しています。(宮内庁HP用より)

 ということでした。

 また、片山右京氏をオートレーサーと明記しましたが、

元F1レーサーでしたので訂正してお詫び申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    (玉川くんからの暑中見舞い) 

【おがっちBlog18】繋がる喜び 2人目

  今回紹介するのは、2019年度卒業の23歳 玉川右京くん。

  彼もまた、85センチから校長室に来てくれた同窓生である。

  校長室に顔を出す同窓生の方々は、ただ者ではない人が多いようだ(笑)

 名刺をいただいて驚いた。

  「宮内庁大膳課食器係 内閣府事務官 玉川右京」とある。

  

  私「この名刺の肩書きとても興味がありますが、どんなお仕事を?」

  玉川くん「上皇上皇后両陛下に、御食事を提供させていただいております。」

  私「えっ? 上皇上皇后両陛下とは、あの上皇上皇后両陛下に?」

    と意味不明な質問。

  玉川くん「そうです。」

  私「どうして?」

    と言われても困る質問。

  玉川くん「それが、私の選んだ仕事なので。」

  これが、玉川右京くんである。

 

  私の好奇心スイッチがすぐさまONモードとなり、彼は、私の質問攻めに

 合うことになる。

  高校時代は剣道部、茶道部に所属。特に茶道部では現在も本校茶道部の

 外部指導者である佐野洋子様に師事し、佐野様の自宅にまで出向き、茶道に

 熱中した。

  常に、何か人と違うことがしたいと考えて生活していたようである。

  右京という名前は、「御両親がオートレーサーの片山右京氏の大ファンであり、

 そのため自分の名前が右京になった。」と爽やかな笑顔で教えてくれた。

  (是非、御両親にもお目にかかりたい)

  高校卒業後、苦難の時代を経て、宮内庁に就職したいと考えるようになり、

 国家公務員採用試験を受験、見事に合格。内閣府事務官となり、現在の業務に

 責任と誇りを持って当たっているのである。

  高校時代、特にお世話になった、上野健一先生、大澤真奈美先生、

星真由美さんへの挨拶は勿論、私にまでお土産を持参し、興味深い話を聞かせてくれた。

  前回の鈴木さんもしかり、人間味溢れる同窓生の方々との会話は時間を忘れる。

  様々な困難を乗り越え、自分の人生を切り拓いたお2人には「諦めない」そして

「感謝する気持ちを忘れない」という共通点がある。

 「葵プライド」を継承する在校生への羅針盤となるだろう。

 

  玉川くんと再会することが今から待ち遠しい。

  私たちは、未来に期待を抱かせてくれる若者が、この葵から輩出されている

 事実を喜びとして捉えながら、次に繋げなければならない。

 

 

 

 

【おがっちBlog17】繋がる喜び 1人目

 以前「85センチから見える世界」というBlogを書いた。

 その後、多くの方々にこの85センチから校長室に

来ていただき、非常に嬉しく感じている。

 今回から2回にわたり、その中の2人を紹介する。

 

 1人目は、これも以前のBlogで「東京同窓会総会」の内容を書いたが、

その総会の中で、素晴らしい歌声を披露していただいた、

シンガーソングライターの鈴木ミチさんである。

 鈴木さんは、会津女子高校45回生であり、フリーアナウンサーの

唐橋ユミさんと同期であると話していました。

 現在は茨城県を拠点とし、「ふるさとの良さを音楽にのせて」をモットーに

活動の幅を広げているようです。また、会津若松市の観光大使でもあり、

「赤べコの唄」で盛り上げていただいております。

(福島テレビ「アルピーの福島あるある認定委員会」にも赤べコ評論家として

出演経験あり)

 自分の夢を実現し、唄うことを生業とし人生を歩んでいる鈴木さん。

「大変なことも多い」と話していましたが、その顔は充実感で溢れて

いました。

 また、後輩たちに、「こんな人生もあるよ。」ということを、直接話せたら

嬉しいと話してくださいました。

 自分の将来に夢や希望、不安を抱いている生徒たちにとって、鈴木さんの

経験から、幅広い視点で的確なアドバイスをいただけると感じました。

 その後、校舎を案内させていただきましたが、鈴木さんは高校時代に

タイムスリップしたかのように、当時を懐かしんでおられました。

 とても話しやすく、気さくな方ではありましたが、

「周りの方々に支えられながら、自分の人生を一歩一歩積み重ねてきた。」

という言葉に人生の奥深さを感じ、印象に残りました。

 

 校長として、同窓生の方々が様々な分野に於いて、県内外で活躍する姿を

拝見することができ、とても嬉しく、誇らしいと感じます。在校生にとっても

大きな励みになるに違いありません。

 東京同窓会に御招待いただき、そこで出会い、来校していただいて、

繋がりました。

 

 鈴木さん、機会があれば後輩たちに夢を掴んだ、その歌声を

直接披露してください。そして、今後も音楽を通して多くの方々に

元気や癒やしを届けて下さい。

 益々の御活躍をお祈り申し上げます。

 お土産、ありがとうございました。

 

 

【おがっちBlog16】第54回葵高校 校内合唱コンクール

 54回目を迎えた、葵高校 校内合唱コンクール

 今回も無事、開催することができた。

 この歴史と伝統ある学校行事を絶やすことなく継続していただいた

学校関係者をはじめ、関係各位に心から感謝と敬意を表したい。

 私も初めて参加したが、「葵プライド」をしみじみと感じることができた。

 4年ぶりに保護者の方々の入場を可能にして開催したが、生徒の歌声に

心癒やされ、素敵な時間を過ごしていただいたと思う。

 

 1年生からの演奏になったが、学年が上がるにつれ、その完成度に驚き、

3年生の演奏では全クラスのレベルの高さに感動を覚えた。

 本校では、校内合唱コンクールではあるが、外部から特別審査員を招聘し、

審査と講評をお願いするという本格的なコンクールになっている。

 今回の特別審査員も、若松商業高校の宍戸真市先生に依頼した。

 宍戸先生は、長年にわたり本県(高校生)の合唱に携わり、レベルアップに

貢献なさっている実力者である。

 成績発表後に宍戸先生から講評をいただいたのだが、その内容が胸にスッと

入ってきて、とても有り難く、今後に繋がるものであった。

 ①女子生徒の優しい声は、会津女子高校時代から変わっていない

 ②男声合唱がコンクールの幅を広げ、よかった

 ③学年が上がるにつれて声が変わる。成長している証である

 ④他のクラスの合唱を聴く態度が素晴らしい。これが、伝統校の力

 今後に向けては、

 ①難しい曲にもチャレンジして欲しい。ポップスに偏る傾向がみられる

 ②各パートのバランスが大切。それぞれの声の使い方も習得して欲しい

 ③アルトパートがしっかりすると、全体のハーモニーに幅が出る

 宍戸先生、本当にありがとうございました。

 先生の講評を真摯に受け止め、更なる進化を遂げるために頑張ります。

 

 葵高校の生徒は男女、学年関係なくお互いを尊重し、優しく、笑顔で、

明るいと評判なのは、この合唱コンクールが一役買っていると感じました。

 生徒たちの最高の笑顔と歌声は、葵高の希望です。

 これからも、この学校行事を大切にしていきます。

 

 来年は是非、会場に来てください。

 葵高校一同、心からお待ちしています。

 

【おがっちBlog15】「葵プライド」ここにあり!!

 

 第105回全国高等学校野球選手権大会福島大会が開幕した。

 本校野球部は、開会式でマネージャーを先頭に堂々の入場行進を

行った。

   

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  7月11日(火)、葵野球部のスローガン「完全燃焼」を果たすための

 戦いが始まった。

  相手は、同支部で強豪の「会津北嶺」高校

     序盤から劣勢を覚悟したが、なんと4回までヒット数は同じで

 1-2という接戦。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 相手も思うように試合を支配できずに焦りが見える。

 しかし、本校野球部にとっては、ここからが正念場を向かえることとなる。

 厳しい暑さと緊張で軽度の熱中症、そしてデッドボールにより選手変更を

余儀なくされ、更にはフライを追って選手同士の交錯等、不運な状況が

容赦なく襲ってきた。

 しかし、監督はベンチで「みんなで戦うんだ。誰が出てもフォローしあい

乗り切って、最後は勝つんだ。」と選手を鼓舞し続け、チームは一つになった。

 選手、マネージャーは常に相手よりも大きな声を出し、最後まで諦めず

戦い続けた。

 1-5で敗れたが、私は野球部全員の野球に真摯に取り組み、笑顔を忘れず、

強豪に挑み続けた姿こそ「葵プライド」であると、誇りに感じた。

 3年生の石原くん、平野くんがチームをまとめ、ここまで戦えるチームに

してくれた。君たちの完全燃焼した姿を後輩たちは、はっきりと目に焼き付けた

と信じている。

 これからの野球部、楽しみで仕方ない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   (令和5年7月13日 福島民報掲載)

葵の「知」。ここから。

 「知」とは、心に感じ取る。物事の道理がわかる。覚える。

  (グーグル日本語辞書より)

 

 下の写真は、葵高校が誇る「図書館」です。

 図書部が工夫を凝らし、何度でも図書館に足を運びたくなるような仕掛けが、

随所にちりばめられています。

 〇生徒からのリクエスト本

 〇小論文推薦図書

 〇本屋大賞コーナー

 〇映画やドラマになった原作本

 〇「世界の国を知ろう」コーナー

 〇季節に合わせて展示が変わるコーナー

 〇「今日は何の日」に合わせた本をチョイス

 〇7月は七夕飾り(短冊に願いを)

 〇様々なジャンルの専門書

 等々、これが全てではありませんよ(^-^*)

 どうでしょう?

 また、訪ねたくなる場所じゃないですか?

 ここで、葵高生の「知」が育まれています。

 

専門書

ある朝の出来事

 

 梅雨の朝は、心も落ち込みがち。

 私は自家用車で通勤しているが、その途中、何カ所か狭い道幅を通らなければなばない。

 その場所は小学生や中高校生の通学路にもなっているため、気を遣う。

 その日も、幹線道路に合流するため待機していると、後ろから傘を差した

高校生が私の車に向かい歩いて来たので、申し訳ないと気にしていた。

 すると、その高校生は私の車の脇を傘をたたんで、雨に濡れながら

通り過ぎたのである。

 私は思わず、その生徒に頭を下げていた。

 そして、その制服からすぐに葵高生だとわかった。

 なかなか、咄嗟には出来ない行動ではないだろうか。

 梅雨の朝、心が洗われた時間を経験できた。

 ごめんね。雨に濡れさせて。

 

 

 

第111回会津女子高等学校・葵高等学校同窓会総会

 

 7月2日(日)に市内で開催された、第111回会津女子高等学校・葵高等学校

同窓会総会・懇親会に参加させていただいた。

 参加者は160名を超え、総会では活溌な意見そして懇親会では

様々な年代の同窓生の方々が懇親を深めた。

 私はこの会に参加し、今まで感じたことのない時間を

過ごすことになろうとは、夢にも思わなかった。

 参加者の9割以上は私より年上であり、女性である。

 人生の大先輩方を前に述べる祝辞にも、自然に気合いが入った。

 また、この大先輩方の振る舞い、言葉づかいに学ぶべきことが多かった。

 更には、この大先輩方のパワーに圧倒された。

 90歳を超える方が、理路整然、そして感情豊かに話をしていた。

また、その話が実に興味深い。いつまでも、話を聞いていたい気分になる。

 次から次へと、私のところへ挨拶や高校時代の思い出を話してくださる方々

が尽きなかった。皆さんの気さくな態度、優しさ、心遣いに救われました。

 本当にありがとうございました。

 平成14年度に会津女子高校から葵高校に校名が変わり、男女共学になった。

 共学から21年の歳月を経て、今回初めて2名の男子同窓生が参加を果たし、

同窓会にとって新たな1歩となった。

 小関千津子前会長は、男子同窓生の総会参加が同窓会の念願であり、その夢を果たして

くれた2名に、感謝の言葉を送っていた。氏名の公表(2人に公表の承諾をとっていないので)

は控えるが、「次回は、1テーブルが男子で埋まるように頑張ります。」と泣かせる

決意表明をしてくれた。(勇気を持って参加してくれた早〇君、髙〇君、本当にありがとう。

私も、君たちと出会えて、話が出来て嬉しかった。次回、また話せることを楽しみにしています。)

 懇親会の2時間もあっという間に過ぎ、「会津磐梯山踊り」でお開きとなった。

 母校愛、会津愛、同窓生愛、先輩を敬い後輩を慈しむ愛等々、様々な愛を感じたこの総会は、

今まで以上に校長としての自覚と責任、そして何より、誇りを抱かせていただいた貴重な時間

になった。

 元同窓会長の畑 洋子さんは、「福島県立葵高等学校百年史」の巻頭言で、

「会津高等女学校・会津女子高等学校の校歌が歌詞面で時代性がよく象徴され、かつ

歌い継がれるうちに旋律と巧みに溶け合い、情理両面で母校の実態を創ってアピールしている。

中略~私たちはこの校歌を五十余年、そこに母校の実体を感じながら熱唱してきました。」と記し、

校歌によって同窓生の結びつきが強くなり、母校の実体を感じることができる大切なものとして

います。そして、「男女共学制実施に伴って生まれた現校歌。中略~『葵のように 今をまっすぐに

生きる』なるキーワードに期待いたします。」と結び、在校生に大きな大きなエールを送っていただいて

います。

 今回、役員改選行われ、新城希子新会長のもと新体制がスタートしました。

 同窓会活動に対する旧役員の方々の御尽力に、心から敬意を表します。

 今後も、葵高校は保護者、同窓会、地域の方々のサポートを受けながら、生徒一人一人の

能力を最大限に引き出し、リーダーとして社会に貢献できる有為な人材の育成のため

尽力して参ります。

 同窓生の皆様、素敵な時間をありがとうございました。

 

これからの葵を担う、勇士集結!!

 6月20日、松操会新役員認証式を行いました。

 会長をはじめ8名の役員一人一人に認証書を配布し、気持ちを込めて

握手を交わしました。

 その握手から、熱い思いは勿論、自覚と責任をはっきりと感じることが

できました。

 新役員は、立ち会い演説会でそれぞれ公約を述べています。

 「葵プライドを持って、社会貢献したい」

 「葵高校全体が生徒会」

 「小さな声にも耳を傾ける」

 「先輩方が築き上げたものに、自分たちの色を加えたい」等々、

頼もしい限りです。

 会津高等女学校ー会津女子高等学校ー葵高等学校→創立115年

 まだまだ、前へ進みます。

 新役員を中心に進化を遂げる葵高校に、こうご期待!!!

 

プールと立葵のコラボ

 

  粋な場所に花を咲かせた立葵

  本校各部活動のユニフォームや道着に合わせたかのような、白い花

  輝く水と、どこまでも伸び続けそうな立葵

  清々しさと、まっすぐに大空に向かう凜とした本校生の姿そのもの

  これからの君たちの有り様、楽しみでしかないよ

  

ある放課後の素敵な出来事

 

 曇天の放課後、職員室から出てきた私と同じ方向へ向かう生徒と挨拶を交わし、少し並んで歩いた。

 事務室を過ぎたあたりで、その生徒は急に立ち止まり、しゃがみ込んであるものを拾い、方向転換をして

職員室に向かった。

 落とし物を届けたのだ。

 躊躇うことが全くなく、当たり前のように落ちていたものを拾い、届ける。

 残念ながら、私は廊下に落ちているものさえ視界には入っていなかった。

 その生徒にとっては、ごくごく当たり前のことであったと思うが、私には、新鮮で、素敵な光景だった。

 生徒の背景にある様々な環境が想像でき、嬉しさが込み上げた……

 このような、一つ一つが「葵プライド」に繋がっているんだよ。

85センチから見える世界

 

 校長室から廊下に出るためのドアがあります。

 私は、朝校長室に入ると、そのドアを開け、できる限り閉めないようにしています。

 先生方は、職員室に向かうため、生徒も体育館等に行くときは、校長室の前を通らなければなりません。

 その狭い空間から見えるもので、様々な妄想ができるのは、校長として嬉しい限りです。(^▽^)

 朝は、多くの先生方が、ドアが開いているだけで大きな挨拶をしてくれます。(身が引き締まります)

 生徒は、横目で校長の存在を確かめます。(確かに、ガン見はできないですよね)

 最近は、ノックをしなくていいので、挨拶をして気軽に声をかけてくれる先生もいます。

 (こういうの、好きです)

 落ち込んでいる生徒は、うなだれ、猫背になって歩いて行きます。(背中を押してあげたい)

 しかし、生徒の多くは、友達と楽しく話しながら、通り過ぎていきます。(ニコッとしてしまいます)

 私は、小学校、中学校、高校時代に1度ずつ校長室に入ったことがあります。

 (高校時代は、もしかしたら、もっと多かったかもしれません…)

 その何れもが、いい思い出ではありませんでした(;_;)

 この部屋で、多くの生徒や先生方と葵高校の未来に繋がる話をしたい。

 この部屋を、そんな場所にしたい。

 その入り口が、幅85センチから見える世界です。

 生徒や先生方だけではなく、同窓生の皆さん、地域の皆さん、業者の皆さん等々、

いつでも、ドアを開けてお待ちしています。

  

 

 

梅雨のある日に 癒やされて

 

 

  家庭クラブの生徒たちが、購買部の脇にさりげなく飾ってくれました。

  よく見ると、雨粒があるの見えますか?

  梅雨が続いて、気分が晴れなくても、心を癒やしてくれる何かがあるから

 人は救われるのかもしれません。

  これもまた、「葵プライド」です。

 

葵高生の逞しさ

 

 先日、インターハイを目指し戦ったサッカー部・陸上競技部・弓道部・バドミントン部が、

校長室に報告に来てくれました。

 サッカー部は福島成蹊高校に延長の末1-2で敗れましたが、私立相手に最後まで粘り強く

戦い抜いた姿を誇りに感じました。

 陸上競技部は、自己記録を塗り替える活躍をした生徒が多く、6月中旬に開催される東北大会へ

弾みがつきました。

 弓道部は、男子団体で東北大会出場、女子もあと一射という戦いを見せてくれました。

(校長情報=弓道特有の所作についても、他校の先生方からお褒めの言葉をいただきました)

 バドミントン部は、自分たちのやるべきことはやったが、悔しい気持ちがあることも、正直に

話してくれました。

(校長情報=大会運営の準備等に率先して取り組む姿勢が他校の模範になりました)

 報告に来てくれた生徒たちは、ここまでやり遂げた満足感だけではなく、負けた悔しさ、

これからの抱負、進路目標達成のための切り替え等々、それぞれの想いを私に伝えてくれました。

 その顔つき、目力に、生徒一人ひとりの逞しさを感じることができた、貴重な時間となりました。

 私から言えるのは、それぞれの取り組む熱量で、全てをやり遂げた後の感じ方は違うと言うことです。

 そして、君たちには、楽しいことばかりではなく、辛い時間を一緒に共有できた仲間がこの葵高校で

できた。このことを決して忘れないで欲しい。

 「葵プライド」を見事に体現してくれた生徒に、心から拍手を送ります。

母校での思い出は、永遠に…

 5月28日(日)、快晴の中、ホテル椿山荘東京に於いて、第61回東京同窓会が開催されました。

会津高等女学校、会津女子高等学校の卒業生261名が参加し、男性も何名か参加するといいなあと

淡い期待をしていましたが、見事に全員が女性でした。(^-^*)

 まさに圧巻の光景の中、勇気を振り絞り校長挨拶を行いましたが、参加者の皆さんはとても優しく、                                                                                                              

気持ちよく本校の状況等を伝えることができました。

 懇談の時間には多くの方とお話をさせていただき、当時の部活動、先生方との交流、地元会津への想い

等々、今でも皆さんの胸中には「ふるさと会津」は確実に根付いているのをヒシヒシと感じることが

できました。

 そして、現在の葵高生が充実した高校生活を過ごせるよう、お気遣いいただきました。

 私が会の最後にお話をさせていただいたのは91歳の方でした。高校卒業後73年が経っても、

高校3年間の様々な思い出は一生の宝であり、本校で学べて本当によかったとあの頃に思いを馳せ、

話されておりました。

 現在の生徒にも、「葵での3年間で多くの経験をし、未見の我を一つでも多く見つけ出せる、

そんな教育環境を提供しなくては」と、改めて感じさせられました。

 参加していただいた皆さん、この会の準備に尽力された皆さん、本当に素敵な時間をありがとう

ございました。

 御自愛いただき、是非、来年もお会いできることを、心から楽しみにしております。

   

 

 

 

 

 

 

歴史を感じ、未来へつなぐ

 

 会津若松市内の善龍寺様に、奈與竹(なよたけ)之碑があります。

 この碑は、1868年の戊辰戦争に於いて殉節された会津藩女子の事績を顕彰したものです。

 毎年5月1日に市民有志の方々と地元住民の方々が参列し、碑前祭が開催されており、

本校なぎなた部が演武を、舞踊部が舞踊を奉納しました。

 本校生徒が、このような歴史ある碑前祭で奉納する機会を与えていただき、関係各位に

心から感謝いたします。

 本校生徒が、地域の方々から様々な機会を与えられ、その交流の中で会津を知り、会津を学び、

会津を感じることは、将来「我がふるさと」を誇りにし、社会貢献に繋がると確信いたします。

 

              

     (善龍寺様内 奈與竹之碑)           (読売新聞 5月3日掲載)

この優しさって…part2

 想像してみて下さい。

 新入生が期待と不安で入学式を迎え、入学許可を受けた後、それぞれの教室にゆっくり足を踏み入れる…

 そこで、この光景が目の前に広がったら、



 

 私だったら、嬉しくて、嬉しくて、葵高校での生活が楽しみで仕方なくなるでしょう。

 美術工芸部の生徒が各クラス3~4名の班で、作成してくれました。

 様々な表情の赤べこ、かわいいです。

 本当にありがとう。

 葵高校って、優しい学校なんです。

 「葵プライド」やっぱり、いいね!!

この優しさって…

 

 下の写真は、昨年までこのクラスを利用していた現2年生が、今年度から利用する新1年生に対して送った

メッセージです。

 実は、1年生の4クラスは1棟3階なのですが、このクラスだけが、学校内の教室配当の都合で1棟1階と

なってしまうのです。

 学年で1クラスだけ離れてしまうことへの不安を払拭するために、現2年生は、このクラス配置の良さを

見出す為のヒントを、このクラスで過ごす新1年生にメッセージとして残してくれたのです。

 新1年生は、このメッセージを読み解き、プラス思考で葵での生活を充実させているに違いありません。

 この優しさと、思いやりは、どこから生まれるのでしょうか…

 ありがとうね。

 そして、脈々と受け継がれる「葵プライド」。いいね!!

 

「満を持して」

 葵高校に着任し、2ヶ月が経とうとしています。

 生徒、教職員と共に、父母と教師の会、同窓会、そして地域の方々からの温かいサポートを受け、

何とか過ごすことが出来ています。

 このBlogをスタートするために、着々と準備を進めて参りましたが、ようやくその時が来ました!!

 皆様に親しみを持っていただくため、「おがっちBlog」と命名しましたので、気楽に読んでいただけると

有り難いです。

 これから、私自身が「葵プライド」を持って、葵高校に関係する様々な情報、葵高校の素晴らしさ、

魅力を幅広い視点で発信していきますので、ご愛顧の程よろしくお願いします。