校長ブログ

おがっちBlog

【おがっちBlog91】熱意

 「熱意」 最近、気になる言葉である。

 キミたちもよく耳にし、いろんな人から

「熱意」を持ちなさいと言われるのではないだ

ろうか。あの、パナソニックホールディングスを

一代で築き上げた経営者で「経営の神様」という

異名を持つ松下幸之助氏も「成功の条件の第一に

「熱意」を挙げることが多かった。「熱意」など

という平凡な条件こそが、成功するための第一歩

であり、同時にいちばん大切なものであると考え

ていた。」それは、彼の人生から学んだもので

ある。少々知識が乏しく、才能に乏しい点が

あっても、強い熱意があれば、その姿を見て多く

の人が協力してくれるようになる。「あの人は

熱心にやっているのだから、同じ物であれば、

あの人から買ってあげよう」「あの人が気が

ついていないようだから、これをひとつ教えて

あげよう」と、目に見えない加勢が自然に生まれ

てくる。熱心さは周囲の人を惹きつけ、周囲の

情勢を大きく動かしていく。例えば、なんとして

でもこの2階に上がりたいという熱意があれば、

ハシゴというものを考えつく。ところが、ただ

なんとなく上がってみたいなあと思うぐらいでは

ハシゴを考えだすところまでいかない。

「どうしても、なんとしてでも上がりたい。

自分の唯一の目的は2階に上がることだ」という

くらいの熱意のある人が、ハシゴを考えつくので

ある。是非ともやってみたいという熱意があれば

こそ、その人の才能や知識が十分に生きてくる。

何をなすべきかが次々と考えが浮かんでくる。

 果たして、キミたち自身の熱意が本物であるか

どうか。成功と失敗の分岐点は、そこに尽きるの

だとさえ言っていいと思う。進学目標を達成させ

たい、部活で勝ちたい、やるべき事を成功させ

たい、発展させたいという燃えるような熱意が

あれば、おのずと成功の知恵が見つかるもので

あると、松下氏は導いているのではないだろうか

 そして、松下氏は次の言葉を残すのである。

「世間は誰ひとりとして、キミの成功を邪魔

したりせんよ。やれないというのは、外部の

事情というよりも、自分自身に原因があるもの

なんや。外部のせいではない、理由は自分に

あるんだということを、常に心しておく必要が

あるな。」と。

 私もキミたちに負けないよう、この熱意を

大切に生きていく。

「できるからやるんじゃない。可能性がある

からやるんじゃない。どうしてもやりたいから

やる。」 これこそ、自己肯定感と自分自身の

価値に繋がるのではないかと感じているからで

ある。

 

【おがっちBlog90】激励

 この時期になると校長室での楽しみが増える。

 校長室の窓の向こう側にある「紅葉」である。

 太陽の光で、真っ赤に染まった紅葉の葉が

校長室に押し寄せる。そのチカラを背中で

受け止め仕事をするという快感。そして、

仕事の手を休め、窓越しに紅葉と向き合うと、

目前の朱色に圧倒される。

 この瞬間は、癒やされると言うより、

「もっと、校長という仕事に燃える気持ちを

込められるハズ。」と、激励されている感覚に

陥る。それだけの迫力なのだ。

 窓を開けて、同じ空気を感じる。

 この場所に「紅葉」を植栽した先人の気持ちを

確認したい。歴代校長はこの「紅葉」を観ながら

どんなことに思いを馳せていたのだろうか?

 1本の「紅葉」が様々な想いを繋いでくれる。

 ただただ、感謝である。

【おがっちBlog89】「希望の人」

 現在3年生は、進路目標達成のために、それ

ぞれの場所で動き始めている。3学年団が駐在

する第2職員室の入り口には共通テストまでの

カウントダウンボードが設置され、着実に

その日が近づいていることを伝えている。

 学校推薦型選抜や総合型選抜で受験する

生徒は、校長室に受験届や公欠届に必要な私の

押印を求めに校長室を訪れ、神妙な面持ちで説明

を行う。

 そこでの生徒との会話は、私にとってとても

楽しみな時間である。教師として生徒の進路に

ついて会話ができることは、もっと言わせて

もらえば、生徒自身の人生について、大事な決断

をし、そこに挑もうとしている生徒からその決意

を直接確認することができる。

 葵での高校3年間を全うしようとし、その中で

成長してきた生徒と向き合うことができるまさに

至福の時間である。

 私「キミは、この大学に進学し、どんな仕事に

就きたいのですか?」

生徒A「父親が〇〇学校の教諭をしており、その

姿を見て誇りに思い、自分も〇〇学校の教員を

目指したいと思っています。」

生徒B「母親が医療関係の仕事に就いており、

毎日子育てをし、帰りも遅いのに、それでも仕事

に誇りを持ち、頑張っている姿を見ているので、

自分も母と同じ仕事で頑張りたいと思ったから

です。」

生徒C「自分は葵ゼミで経済について研究し、

将来この分野で働いてみたいと感じることができ

ました。ゼミでの研究は自分にとって影響を

与えてくれました。」

生徒D「小さい頃から音楽に接し、吹奏楽部で

音楽の素晴らしさを感じることできました。

その為、自分の奏でる音楽で多くの人たちが癒や

されて、幸せな気持ちになってほしいと考え、

自衛隊の音楽隊で働きたいと思っています。」

生徒E「自分は演劇が好きで、よく観ていまし

た。その様な中、俳優ではなく、その演劇に必要

な舞台装飾や小道具を作成する仕事に惹かれ、

それを仕事にできればと思いました。」

 生徒からは自分の将来を見据え、その為に

必要な資格取得や知識を学ぶために大学や専門

学校を自分で選択し、決断したことを、目を

輝かせ私に話してくれるのである。

 キミたちの決断が行動を起こし、自分自身で

未来を引き寄せる。

 そう、キミたちは「希望の人」である。

 

  葵高校第21期生のキミたちに贈ります。

「希望のあるところに人生がある。

 希望は新しい勇気をもたらし、何度でも

 強い気持ちにしてくれる。」

 アンネ・フランクの言葉です。 

【おがっちBlog88】「三分の一の悪人」

 この言葉は、諏訪中央病院名誉院長である

鎌田實(みのる)氏の言葉である。鎌田氏は国際

医療支援や作家としても幅広く活躍している方で

あるが、私は、ある本を読んでいる中で、鎌田氏

のこの言葉に興味を惹かれた。

 鎌田氏は、日本を代表する臨床心理学者である

河合隼雄氏の「三分の一の常識人」という言葉

から自分なりに考えた言葉であると話していた。

それは、「三分の一の常識人」が自分の中に存在

するという河合氏の言葉から、鎌田氏は「自分の

中に「三分の一の悪人」がいるんだと納得する

感情が存在し、むしろその悪を知っているから

こそ、これまで医師と作家という仕事を続ける

ことができた。河合先生が「三分の一の常識人」

によって世の中を生きていくことができたと

すれば、私の場合には「三分の一の悪人」が表に

でないようにすることが、働くことであり、

生きることだったのかもしれない。」と話す。

河合氏の言葉については、河合氏の愛弟子といわ

れる皆藤章氏は「全部でも、半分でもなく三分の

一だからこそ、自分の個性を十分に発揮しつつ、

世の中の常識、ルールに則って生きていける。」

と解説している。そして、河合氏も「これが、

二分の一の常識人」だったら、きっと模範的では

あってもつまらない人間になるでしょうし、私も

「二分の一の悪人」だったら、今頃どうなって

いたか分からない。」と話していた。

 自分のことは自分がよくわかる。と一般的に

使われる言葉はあるが、善も悪も、それが自分の

中でどの位の比重を占めているか分からないし、

自分は悪い部分が多いのではないか、常識が

備わっていないのではないか等々、自己嫌悪に

苛まれることは度々ある。

 そんな中、私はこの「三分の一の悪人」という

言葉を聞いて変な安心感が生まれた。つまり、

完璧な人間など存在するはずはなく、誰しもが

善と悪を持ち合わせ、悪の自分が出てしまった

ときに後悔し苦悩する。悪を存在させたくない、

自分から排除しなければならないと考えるのでは

なく、自分の中にも悪は三分の一存在し、その

ことを自覚しながら、その悪が出ないように

意識し、残りの三分の二が自分にとって大切に

しなければいけところと肝に銘じ生きていくべき

ではないかと考えたからである。

 キミたちは、自分の悪にどう向き合っている

か、考えてみてほしい。

 

【おがっちBlog87】知事が葵で特別授業。

 10月11日(金)内堀知事による特別授業が

本校で開催された。これは、県の復興・総合

計画課が主催し、福島県総合計画について、

未来を担う若者世代に周知するとともに、

本県の将来について知事と一緒に考え、

意見を交わすことを目的とし、本校が選ばれ

開催されたのである。

 1年生と教職員210名がこの授業に参加した

 鈴木詩乃さんが知事を案内し、ギターマンド

リン部の演奏で知事が体育館に入場してくると、

参加者の緊張感は一気に高まった。司会を担当

した渋谷百那さんの開式の言葉を受け、

いよいよ知事の授業が始まった。

 会場に張り詰めた緊張感は知事の発した

「葵高校の皆さん、こんにちは」の一言で、

一瞬にして知事ワールドへ引き込まれた。

 知事がわかりやすく総合計画について説明し,

軽妙なトークで生徒たちに話しやすい雰囲気を

作り出していただいた。知事はその機を逃さず

ステージを降り生徒に質問し、生徒とのやり

とりが始まった。知事は、挙手をし質問に答えて

くれる生徒の近くまで出向き、直接目を見ながら

対話を楽しみ、必ず「ありがとう」と伝えて

対話を終える。

 ・知事が高校生にお薦めの本は何ですか?

 ・どうして、福島県の知事になろうと思ったの

  ですか?

 生徒たちも、その状況に緊張しながらも、

勇気を持って質問する姿が頼もしかった。

 あっという間に授業が終わり、生徒代表の

遠藤南雛さんが、知事にお礼の言葉を述べた。

そして、知事からサプライズの提案が。

参加した1年生全員とハイタッチをしたいと

申し出てくれたのだ。生徒たちは、喜びと

驚きで満面の笑みを浮かべたり、ガッツポーズ

をしたり、手を制服で拭いてそのときに備える

等々、様々な表情を見せていた。

 本校にとっても、生徒にとっても貴重な時間

となり、知事が去った体育館は暫く興奮冷め

やらぬ状況であった。すると、県の担当者が

「知事から電話が入り、校長に代わってほしい」

と言われ、その方の携帯電話で知事と話した。

 知事は、本校生徒の聞く態度、それぞれ役割の

あった生徒の対応、勇気を持って質問してくれた

生徒への感謝、お礼の言葉を述べた遠藤さんの

内容が素晴らしく感心したこと、そして、この

ような生徒に向き合い指導している先生方への

労いの言葉を述べてくれたのである。

 私は、片付けをしていた生徒をもう一度集め、

知事からのメッセージをその場で伝えた。

 わざわざ移動の車中から電話をくださる知事の

心遣いに嬉しさが込み上げた。知事のお人柄を

直接感じることができた時間になった。

 生徒にとって、一生思い出に残る時間を

提供いただきました知事、そして県の担当の

方々に心から感謝申し上げます。

「葵プライド」を自覚し、葵高校は未来へ

進んで参ります。

【おがっちBlog86】同窓会とのコラボ。

 本校同窓会については、このblogでも

何度か書かせていただいた。その同窓会の

活動がコロナ禍からのリスタートに合わせ

スピード感を持って事業の推進を図っている。

そのひとつが、オリジナルトートバックの制作で

ある。新城同窓会長のもと、事業委員会が中心と

なって企画を練り始め、同窓会と在校生のコラボ

ができればということで、バックのロゴデザイン

を本校美術工芸部員に依頼したいと申し出が

あった。この依頼は本校にとっても、部員に

とっても有り難いものであり、早速デザイン作成

に取り掛かった。

 まず、美術工芸部の希望者でコンペを実施、

その中で古川礼さん(3年生)が選出された。

古川さんはデザインを考案するにあたり、同窓会

の意向を踏まえるため何度か協議を重ね、同窓会

役員にアンケートを取るなどしてイメージを

固めた。また、校章にもあるフタバアオイを採用

したり、本校に咲き誇るタチアオイも使い、

アルファベット文字も自作しながら渾身の

デザインが完成した。

 新聞記事にも取り上げていただいたが、先日

そのトートバックの完成披露会が開催された。

 新城会長は、「同窓会と生徒がコラボして

作品が出来上がったことを嬉しく感じている。

今後も、より一層生徒支援を充実させていき

たい。」と話してくれました。

 また、古川さんは、「デザインを考案する

のは難しかったが、いい経験をさせていただき

ました。何より同窓会の皆さんに、仕上がりに

満足していただいたのが嬉しかった。」と

笑顔で話してくれました。

 古川さんにとっては、緊張感と不安、そして

納得してもらえるデザインにしたいという様々な

想いを持ちながら、幸せな時間を過ごしたのでは

ないでしょうか。このような機会を提供していた

だいた同窓会の方々に心から感謝申し上げます。

生徒の可能性を引き出すことは、葵高校にとって

大切な教育目標であり、その部分を同窓会に

サポートしていただきました。

 生徒の未来を、生徒自身が見出すことのできる

学校作りをしていきますので、これからも、

温かい目で見守っていただきたいと思います。

 

 

【おがっちBlog85】「全力」球技大会。

 最高の天気に恵まれ、球技大会開催。

 各クラスのTシャツが色鮮やかで、それぞれの

センスが発揮され、見ているだけで楽しくなる。

 競技時間の確保、暑さ対策もあり開会式は放送

で行った。その中で私は、こう話した。

 「皆さん、おはようございます。

 今日から10月です。今年も残り3ヶ月になり

ました。そして、今日は待ちに待った球技大会

です。この大会の運営に携わってくれた運動委員

の皆さん、先生方そして、キミたちの勇姿を記録

に残すため写真撮影をしていただくPTA役員の

方々に心から感謝いたします。

 さて、学校行事はまさに季節を感じる行事だと

思います。10月は、球技大会、修学旅行があり

ます。しかし、各学年によって、この季節の感じ

方はちがいます。3年生の皆さん、今日は皆さん

にとって高校生活最後の球技大会となります。

昨日、3年生の女子と廊下で話しました。

「明日の球技大会で私たちの学校行事、最後なん

ですよね。」と淋しそうに話していたのが印象的

でした。残り半年となった葵での生活を愛おしく

楽しみたいのだと感じました。

 今日からの球技大会を、これまで培ってきた

チームワーク、友達との思い出、そしてたくさん

の笑顔が詰まった時間を思い出しながら、

一瞬一瞬を楽しんでください。この大会は、

結果以上に、これまでの努力や友情を感じる

大切な日です。全力でプレーし、笑い合い、

仲間と最高の思い出を作ってください。

 1.2年生の皆さん、先輩の胸を借り、

競い合う最後の機会となります。正々堂々と

戦い、先輩達の凄さを目の当たりに感じてくれる

ことを期待しています。

 全校生の輝く姿を楽しみに、そして、

それぞれの想いを胸に、2日間全力で楽しみ

ましょう。」と。

 3年生の全力での戦いぶり、クラスの団結は

見ていて気持ちいいほど凄まじい(笑)この姿

こそが、後輩に大きな影響を与えるてくれると

思う。進路目標達成に立ち向かう覚悟を潔くする

ために、最高の笑顔で、そしてこの一瞬を全力で

楽しんでいる生徒たちを愛おしく感じた。

 最終試合は、教員チームと各競技優勝チーム

とのエキシビジョンマッチ。本校教員は、生徒に

忖度することなく、全力で戦い、大人の壁を

見せつけようと必死だったが、残念ながら

心と身体のアンバランスを見せつけただけで

あった。 (´;ω;`)ウゥゥ

  いずれにしても、素敵な2日間になった。

 平日にもかかわらず御協力をいただいた、

PTA役員、広報委員会の方々に、心から感謝

申し上げます。 

 

 

 

【おがっちBlog84】雨の会津まつりが繋いでくれたもの。

 今年の会津まつりは、雨。 早朝の天気予報を

見る限り、「今年は中止だな」と残念な気持ち

でいたが、通常開催の決定。

 会津若松市、なかなかである。

 しかし、学校へ向かう道すがら、傘を差し

鶴ヶ城へ向かう家族、年配の夫婦、そして

インバウンドの方々の嬉しそうな様子を見て、

この日を楽しみに全国、海外から会津を訪れた人

地元でこの日を大切に考えている人がたくさん

いることを思うと、雨=中止と簡単な判断は

できないんだろうと思った。

 学校へ向かったのには訳がある。それは、本校

舞踊部が出陣式で娘子隊演舞を行う為、同行した

のである。 今回の会津まつりで舞踊部の担当を

してくれたのは、市役所の女性職員で、話をする

と葵高校としての1期生であることが分かった。

とても感じがいい方で、後輩が悪天候の中でも、

練習の成果が発揮できるようにと様々な気遣いを

してくれた。その気持ちが、繋がりが嬉しく感じ

た。 舞踊部の生徒も、私が思うほど雨など気に

する様子はない。「自分たちのやるべきことを

やるだけ。」と強い意志を感じた。そんな中、

演舞の前に、控え場所で隣になった出陣式の

関係者が声を掛けてきた。「毎年、葵高校の

演舞を見ると先人の想いが伝わり、涙が出る

んです。」と気持ちを伝えてくださった。

 部員達の覚悟が、その演舞が、会津の歴史に

思いを馳せる人の心を動かす。ここでも、人と

繋がった。

 今年も会津まつりに参加していただいた

綾瀬はるかさんは、出陣式の挨拶で

「雨が降っているけど、さすけねえか?

(大丈夫ですか)」と会津弁で参加者を気遣い、

「目いっぱい楽しんで最高の1日にしましょう」

と呼び掛け拍手を浴びていた。新聞の記事には

「綾瀬さんが毎年参加してくれるのは感謝しか

ない。そのおかげで会津にこれだけの人が来て

くれている。」と書いてあった。大河ドラマ

から繋がった会津との縁を綾瀬さんは今でも

大切に繋いでくれている。

 そして、その夜は、前日中止になった

「会津磐梯山踊り」が実施された。私は、

同窓会の方々から教わった「会津磐梯山踊り」を

踊っている人々が見たくなり、神明通りに足を

運んだ。きっと踊っている方の中に、同窓生の

方もいるんだろうなと思いながら見ていると、

本校男子生徒の何人かが、別々の場所で

「校長先生!」と声をかけてくれたのである。

 嬉しかった。とっても。

 多くの人の会津に対する想い、その想いが形に

なり、本校生徒を含めた様々な人の繋がりを生み

出し、会津が忘れられない場所となる。

 雨の会津まつりが様々な繋がりを感じさせて

くれた1日。それは、秋の気配を感じた、

爽やかな1日になった。

【おがっちBlog83】「見えない力」を育む。

 キミたちは、「見えない力」という言葉を聞い

たことがあるだろうか?実は今、教育界において

「見えない力」が注目されつつある。

 「見えない力」があるということは「見える

力」があるということ。それぞれの説明を

ベネッセ教育総合研究所の岡部主任研究員が

わかりやすく説明している。

 「見える力」=知能検査や学力テストで測定

される力。これを認知能力と呼ぶ。

 「見えない力」=自制心や好奇心、協調性、

やりぬく力などの情緒や社会性に関する能力。

これを非認知能力と呼ぶ。

 ということだ。なぜ、この「見えない力」が

注目されているか。それは、非認知能力は、より

よい人生を送るために必要な資質・能力として

必要であり、幸福度の向上や身体的健康の増進、

反社会的な行動の減少など、生涯にわたって

大きな恩恵をもたらすことが、様々な研究に

よって明らかになっているからである。

 さて、本校のグラデュエーションポリシー

(卒業までに、このような生徒を育てます)に

目を向けると、「自立・自学の校訓のもと、

主体的に考え、判断し、行動できる人材を育成

する。」である。

 このポリシーは、まさに「見えない力」、

非認知能力そのものであることがわかる。

先生方は、その「見えない力」がどのように育成

されたかを知るために悩む。「見えない力」を

見える化しなければならないのである。

 実はそのために、本校には「葵高生が身につけ

たい10のチカラ」を明記し、そのチカラを

見える化するためのルーブリックが存在する。

校内の至る所にこのルーブリックが貼ってあり、

これにより、キミたち自身が、そして先生方が

日々の振り返りによって、自己認識と自己調整が

可能になると考えている。

 改めて、このルーブリックを見直してみて

ほしい。きっと、葵高校の生活の中で自然に身に

ついている、キミたち自身の「見えない力」が

見えるのではないだろうか。

 キミたちには、「見えない力」を見える化

する。つまり、今の自分をもう一人の自分が

客観的に見られる能力を身につけてほしいと

思っている。

 

 

 

 

【おがっちBlog82】「未見の我」を見つけ出すためには?

 以前にもこのblogで書いたことがある。

「未見の我」とは、未だ出会ったことのない自分

という意味である。そのためには、様々な経験や

人との関わりの中で、新たな自分を見いだすこと

ができるのだと思う。

 先日、本校生徒が、会津支援学校で開催された

「ボランティア学習会」に参加してきた。この

学習会の趣旨は、この学校に通う生徒の保護者が

子育ての中の様々な経験談を話すことで、障がい

のある子どもたちへの理解の輪を広げるとともに

障がいに応じたサポートが重要であることを伝え

たいというものである。本校生徒を含めた会津

市内の高校生11名が参加し、障がいのある子ども

たちに対する理解が広まったようである。

 参加した生徒の感想には、

・自分の知らない考え方がたくさんあり、新しい

発見があった。

・お母さんたちは、大変ではあるが嫌だとは

思っておらず、ポジティブで明るくすごいと

思った。

・お母さんたちの言葉に感動した。実際の事例を

見て考えることで、具体的にどんなことをしたら

いいのかわかった。

・これからも積極的に関わっていきたいと思った

し、みんなにも障がいについて知ってもらいたい

という思いが強くなった。

・父親が携わった職業だからという気軽な気持ち

で参加した会だったが、将来、障がいをもつ子が

楽しめる社会作りに携わりたいという自分の夢が

広がった。

・小さい頃から障がいについていろいろな動画を

見てきたが、生で触れ合うことは少なかったので

参加できてよかった。

・起業して障がいをもつ人たちの施設などが作れ

たらと思った。

 参加した生徒のほとんどが、今回の経験により

「未見の我」を見いだすことができたのではない

だろうか。継続的に開催している会津支援学校の

関係者各位に敬意を表したい。

 現代社会は、SNSの発達により、多くの

情報を気軽に、一瞬にして手に入れることが

できる。しかし、自らが経験したり、関わった人

から直接話を聞いて感じることの方が、情報に

感情がプラスされ、心に深く刻まれるのでは

ないか。つまり「未見の我」を見いだした喜びも

軽い感覚ではなく、心から新たな自分と出会えた

という感覚に満たされるのだと思う。

 葵高生には、成功経験だけではなく、悩み、

苦しみ、多くの失敗も経験してほしい。そこから

感じる全てが、キミたちの未来に繋がると信じる

からである。そして、そのために、葵高での

日常が存在している事を忘れないでほしい。

【おがっちBlog81】葵の夏 2024!

 朝夕は、爽やかな風が吹き始め心地よい気分に

なるが、日中は暑い日が続き、処暑の訪れを望み

たい。

 今回は、葵の夏を何枚かのスナップ写真で

紹介したい。

☆エントリー1「男子トイレに葵タワー出現?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 男子トイレに颯爽とそびえ立つタワーを発見

した。誰がどのような意図で作成したのかは

不明であるが、トイレを訪れた男子生徒の

子供心を擽ったことは間違いない。

 もしかして、第2タワーの作成に着手するの

かと思いきや、2日後にはさら地に戻っていた…

(^-^*)

☆エントリー2「中秋の名月」

 

 

 

 

 

 

 

 

 家庭クラブの生徒が毎年購買室隣に作成して

くれる「葵版 中秋の名月」。今年の中秋の名月

は、9月17日であるが、葵版では、ウサギの

餅つきが何とも可愛らしい。

 生徒たちのさり気ない心遣いが本校の特色で

ある。

☆エントリー3「葵 オアシス」

 

 

 

 

 

 

 

 

 1棟と2棟を結ぶ2階通路。私はこの空間を、

「葵オアシス」だと常々感じている。

 生徒同士、教師と生徒、先生方がそれぞれ、

ここに集まり進路の話、読書、学習、相談等々

を行う場になっている。ここから様々な希望が

生み出されているのだろうと想像する。

☆エントリー4「カウントダウン!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、第2職員室(3学年関係者常駐)入口

にあるカウントダウンボードである。3年生に

とっては毎日、目に飛び込む数字となる。この

数字の変化から、3年生はいろんな感情を抱き、

自己と向き合うことになる。全ては、自分の

感じ方次第。みんなで、頑張ろう!!

☆エントリー5「風情あり。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 2年5組の入り口に佇む風鈴。

 きっと、廊下を渡る風や生徒たちの行動が

その時々の音色を奏でるのであろう。その音は

生徒たちにどんな感情を届けるのか。そして

その音を聞いた生徒たちは何を感じるのか。

感じてくれるのか。とても興味がある。

 それぞれが、2024 葵の夏の細やかな

1ページ。素敵な場所です。

 

 

 

 

【おがっちBlog80】星に願いを!

 本校図書館では、毎年七夕にちなみ、図書館

入り口に笹の葉を準備し、生徒に短冊を書いて

もらい飾るというイベントを開催しているが、

今年は近年で最も多い151枚の短冊が集まった

ようである。七夕の短冊の由来は、古代からの

日本の祈りの風習と中国の伝説が結びついた

ものと言われており、願い事を文字にすること

で実現への意志を強くするという日本独自の

文化として大切にされている。

 そこで私は、生徒がどのような願いを短冊に

したためたのか興味があり、内容を精査してみた

 因みに私が小学生時代に短冊に書いた願いは

「プロ野球選手になれますように」だったと記憶

している(笑) 

 精査の結果、

第1位「進路目標達成や成績向上」31短冊

これは、想定通りであった。生徒は神にもすがる

思いで日々努力を重ねているのである。中には、

・日本史で報われますように。

・古典の授業で、指名されませんように。

・先輩が合格できますように。

・赤点回避!!

といった、内容もあった。

第2位「恋愛に関する願い」30短冊

生徒にとってはとても切実なのだと思う。

願いが叶い、いや叶わなくても高校生活に彩りを

添えるのは確か。今の気持ちを大切にしてもらい

たい。

・もらった浴衣が無駄になりませんように。

 彼氏がほしい。切実に!

・一緒に夏祭りに行けますように。

・好きな人の、好きな人になれますように。

・彼女ください。

と、願い方も様々である。

第3位「社会的な願い」16短冊

個人的な願いや成績向上などの願いだけではなく

社会正義に関する願いを書く人が増えている。

・葵高生のみんなが毎日ハッピーに過ごせます

 ように。

・世界が平和になりますように。

・幸と愛

・大好きな人達が元気に暮らせますように。

 本当に、優しい気持ちを持つ生徒が多いと

感じる。

第4位「健康に関する願い」15短冊

特に代表されるのが、

・目指せ-10kg

・3kg落とす!!

・美味しい物を食べても体重が増えない身体

 ください。

等々、体重に関する願いであった。また、

・腰の痛みがなくなりますように。

・切実に身長が欲しい。

・足痩せできますように。

・家族みんなが健康でいれますように。

という願いもあった。 

 その次に、部活動に対する願いが多かった。

 最後に、特別編として紹介する。

・何事も適度に頑張れますように。

・人間関係が広がりますように。

・大人な1年になりますように。

・自分を愛せるようになりたい。

・強く生きる。

・世界一の女優になれますように。

・平野先生が元気になりますように。

・可愛くなって高校生活を全力で楽しむ。

 自分の想いを素直に短冊にしたため、星に願う

生徒の姿を想像するだけで胸が熱くなる。

 現代ではSNSによる情報発信が主流となり、

自分の気持ちを自分の文字で書くことは少なく

なっているのではないか。

 この風習が葵高校に残っていること。そして、

葵高生の本音が詰まった貴重な短冊を読むことが

出来て、嬉しく思う。

 因みに、短冊は、陰陽五行説に基づいた五色

(青(緑)、赤、黄、白、黒(紫))の紙を

用いることが多く、それぞれが異なる願いを表す

とも言われているようだ。本校の短冊もこれらの

色の紙を用いています。

 図書館関係者の細かな配慮に感謝です。

 「この思いが、全校生に伝わりますように」と

願いを込めて。

 

【おがっちBlog79】2学期始業式

 8月22日、2学期始業式を行った。2学期は

生徒にとって、様々な行事が予定されている

だけではなく、3年生にとっては重要な時期

になる。その始業式の中で、この夏、私が感じた

ことを校長挨拶として述べた。今回はその内容を

記したいと思う。

 

 まずは、全校生の中に大きな事故や事件に巻き

込まれたという報告もなく2学期の始業式を迎え

られたこと嬉しく思います。君たちは進路活動や

課外授業、部活動、大学見学、ボランティア等に

励み、意義のある充実した夏休みを過ごしてくれ

たのではないかと思っています。

 さて、2学期始業式にあたり、私がこの夏感じ

たことを話したいと思います。それは、葵高生の

計り知れない可能性を目の当たりに感じることが

できた。そんな素敵な夏になりました。

 夏休み直前の合唱部定演から先週開催された

吹奏楽部定演まで本校生徒の活動を見たり、参加

することができました。

 合唱部定演では、少ない人数でも、お互いを

信じ合い、今まで先輩方ができなかった校歌の

混成合唱にチャレンジする強さと優しさを感じる

ことが出来ました。

  野球部は甲子園を目指した1回戦で安達・本宮

高校の連合チームと対戦。終盤に逆転され無念の

敗退となりました。しかし、渡部主将の大きな

声は球場に響き渡り、全員が最後まで諦めない姿

で戦い抜いたことに勇気をもらいました。

 ギターマンドリン部の定演では定演の後に、

私のもとへギターマンドリン部に所属していた

という同窓生の方が来て、今でもギターマンド

リン部が存在していることの喜びと、心に響く

演奏をしてくれたことへの感謝の言葉をいただ

きました。

 インターハイには、弓道部の星野翔和君が

出場し、本県代表として、葵高校の名札を付け

全国の精鋭たちと正々堂々と戦いました。

インターハイという大舞台でも緊張感を感じ

させず、いつも通りの弓道をやり遂げた星野君の

強さに驚かされました。

 茶道部からもお茶会に招待され参加してきま

した。3年生にとっては最後のお茶会と言うこと

で、茶道部で学んだ作法の集大成を拝見させて

いただきました。1つ1つの所作には意味があり

迷いのない自然な動きに、ただただ感心させ

られるばかりでした。茶道部員は、誰もが身に

つけることの出来ない所作を見事に会得したの

だと感じることができました。

 また、家庭クラブの夏野菜をメインにした

創作料理の試食に招かれました。生徒1人

1人の感性と個性豊かで、想像力に満ち溢れた

料理を食し、毎日自炊をしている私にとって

食の大切さと、ありがたさを身にしみて

感じる時間となりました。

 美術工芸部の夏祭りにも参加しました。

スイカ割りやスーパーボールすくい、かき氷

等々久しぶりに童心に戻り、貴重な時間を

過ごすことができました。美術工芸部に対し

ては、部員がお互いの存在を認め合い、

芸術を楽しみ、各自の能力を引き出すために

日々努力している姿が印象に残っています。

 書道部の大作にも驚きました。体験入学で

参加した中学生に「葵」をメインにした

2つの書を披露し書道部の存在感をアピール

してくれました。書道には、心に深く訴える

力があると思います。文字そのものが持つ

意味だけではなく書き手の感情や個性が、

筆の動きや墨の濃淡、線の勢いに表れると

感じます。1号棟2階廊下に展示してあり

ますので、是非見てください。

 最後は、吹奏楽部の定演です。會津風雅堂の

1階席のほとんどが観客で埋まっていました。

約800人の方が来られたと聞きました。

部員が自ら考えたプログラムには、様々な

工夫が凝らされ、聞く人を葵ワールドに引き込ん

でいました。音楽の素晴らしさだけではなく、

本校生の持つ、凜とした姿と底知れない力がある

ことを見せてくれました。

 本当にありがとう。

 これらが、この夏私が体感し、私自身が

未見の我を見出したかけがえのない時間となり

ました。葵高生の計り知れない可能性を

目の当たりにし、嬉しくてたまりませんでした。

そして何より、君たちの持つ可能性を信じ、

引き出してくれている先生方の力を改めて知る

ことができました。

 全ての部活動、学校生活を通して、決して

君たちは、1人ではないこと。お互いを尊重し、

愛おしい気持ちを持ち、コミュニケーションが

どれだけ大切かを知ることこそが必要です。

この夏の出来事は、今話したそれぞれの部員

だけが持つ力なのではなく、葵高生の全てが

秘めている能力を、それぞれの部員が代行し

表現してくれたのだと思います。

 私が君たちと接し、感じたのは

「葵高生はもっと自分を信じていい」し、

「自己を肯定する勇気を持っていい」という

ことです。

 多くの生徒が「葵プライド」全開で活躍した

熱い夏になりました。

 いよいよ勝負の2学期が始まります。3年生は

進路目標の実現の為に、1・2年生は部活動での

活躍や将来の自分を見つけ出す為に、何をすれば

いいのか、考え、実践して欲しいと思います。

 君たちにとって、実り多い2学期になることを

 大いに期待し、私の話とします。

  

 

 

 

【おがっちBlog78】154㎝のグッドルーザー(Good Loser)

 パリオリンピックが、盛り上がりを見せ終了

した。キミたちは、今回のオリンピックで何を

感じたのだろうか?

 私はグッドルーザーと言う言葉が気になった。

グッドルーザーとは、「スポーツや競技、さら

にはビジネスや日常生活の中で、負けたときに

相手や自分自身に対してフェアで、冷静で、

前向きな態度を示す人を指します。」とある。

 大会前から、活躍を期待されていた選手が早々

に負けてしまったのも印象に残っている。柔道の

阿部 詩選手、レスリングの須崎優衣選手等が

あげられる。そんな中、私はスポーツクライ

ミング女子の森 秋彩選手の言葉に引き込まれた

 スポーツクライミングという競技は、ボルダー

&リードの総合点数で争うのだが、ボルダーラウ

ンドは「課題」と呼ばれる4つのコースを登った

数で競い、1回の挑戦で登った高さを競うリード

ラウンドとの合計点で順位が決まる。森選手は、

ボルダーラウンドの1つ目の課題で、身長が

高くリーチのある海外選手たちが次々と完登

していく中、154㎝という身長の為、最初の

ホールドをつかむことができず、登りを始める

ことすらできなかった。(このコースセッティ

ングには、試合後フェアではないと物議を醸し

た)この時点で、決勝に進んだ8名中7位。次の

リードラウンドでは、圧倒的な登りで決勝に

進んだ8人中トップとなり、世界一の実力を示し

た。この結果、森選手はボルダーラウンドとの

合計が135.1ポイントとなり、残念ながら

銅メダルの選手には12.3ポイント届かず4位

となったのです。この後、森選手は次のような

言葉を残します。「メダルも取れなかったし、

完登もできず、すごく悔しいが、悔しい思いを

持ち帰った方が今後強くなる原動力になる。この

順位でよかったと思う。もっと強くてかっこいい

クライマーを目指したい。」と話したのです。

 森選手は自分の身長やコースセッティング

については一言も触れず、前を向いています。

これは、勝敗に関わらず尊重されるべき価値観

を体現していると感じました。グッドルーザー

とは、勝利だけが重要なのではなく、競技や

活動を通じて得られる経験や友情、そして自分

自身の成長が重要であることを理解しています。

この価値観は、競技やビジネスだけでなく、

私たちの日常生活でも生かされるのではないで

しょうか。

 グッドルーザーであることは、個人の品格や

人間性を高めるだけでなく、チームやコミュニ

ティ全体に良い影響を与えます。勝者も敗者も

互いに尊重し合うことで、健全な競争が生まれ、

より良い社会や文化が築かれます。

 パリオリンピックの日本勢の活躍は国民に

勇気をもたらしました。スポーツだけではなく、

何事にも直向きに、一生懸命取り組む姿に

人々は共感し、自分自身の生きる力にしよう

とするのです。

 誰かに認めてもらうために何かに取り組む

ことも必要かもしれません。しかし、自分

自身の生きる証として、自分で決めたことに

取り組むこと。それも必要ではないでしょうか。

 もうすぐ2学期が始まります。逞しくなった

葵高生の姿に、期待しかありません。

 

【おがっちBlog77】ホガード・アディソン先生が教えてくれたこと。

 本校で3年間お勤めいただいたALTの

ホガード・アディソン先生が帰国することに

なり、本校での勤務を終えた。終業式の日に

離任式を行い、全校生徒に最後の挨拶をして

いただいた。(挨拶の内容はトップページ

7月19日の「アディソン先生のスピーチ原稿」

に掲載してあります)

 帰国する前に、先生にお礼の言葉を伝えると

ともに、3年間についての話しを聞かせて

いただいた。その中で印象に残ったのは、

①アメリカでは教員が組織として動くのでは

なく、個人としての仕事なので、日本のような

組織として生徒に関わる事の大切さを学んだ。

②担任制度により、担任が生徒との繋がりを

とても大切にしている。葵高校では、この

繋がりをとても感じることができた。

③葵高校の生徒はとても優しく、考え方や

振る舞いが大人びていた。そして何より

英語の授業に興味を持って積極的に参加して

くれたことが嬉しかった。

④葵校生に望むこと。それは、自分の意見を

怖がらずに表現してほしい。そして、考え方

を日本だけではなく、世界を見て感じる発想

に転換してもらいたい。

⑤授業に必要なのは、生徒が安心して参加

できること。失敗しても大丈夫、頑張った

ことが認められる雰囲気作りだと思う。

 生徒にも、我々教師にも大切なメッセージを

残してくれた。そして、葵高校での授業を総括し

「葵高校では多くの授業実践を行うことが出来た

ので、やり残したことがあるとは思わない。

確かな成果を残すことも出来たので、非常に

晴れやかな気持ちでもある。そして、この学校で

過ごした多くの時間は、非常に素晴らしい時間で

あった。自分が離任した後も、生徒の心に良い

影響が残れば嬉しい。」と笑顔で話してくれた。

 アディソン先生は「3年間でやり残したことは

ない」とはっきり言えるまで、本校生徒と向き

合い、英語の楽しさと必要性を伝えてくれた。

 この出会いに心から感謝したい。

 アディソン先生、あなたが、会津で葵高校で

過ごした3年間が、今後のあなたの成功に繋がる

ことを願っています。

 どうか、お身体に気をつけて、幸せな人生を

送ってください。そして、また会える日を葵高校

一同で楽しみにしています。

 

【おがっちBlog76】体験入学に参加してくれた中学生の皆さんへ。

 7月24日、体験入学が開催された。

 今年の参加者は約500名。多くの中学生と

引率、保護者の方に参加していただいた。

 7時過ぎには既に校舎の外に中学生の姿が

見受けられた。そのような中、今年の体験入学

で感じたことがあった。それは、中学生の挨拶、

態度が素晴らしかったことである。

 すれ違う生徒全てが明るく、大きな声で挨拶

をしてくれたし、体験入学に参加し、葵高校が

どんな雰囲気で、どんな高校なのか感じたいと

いう気持ちが前面に出ていた。それは、生徒会

役員が作成した、学校紹介プレゼン、動画を

集中して見ていた態度からも知ることができた。

 私から伝えたのは、「葵高校は、勉強も

部活動も、自主的に考え、判断し行動できる

生徒を育てていきます。」ということ。

 皆さんは、これから様々な方と相談し、自分

で進学したい高校を決め、合格するために必要な

勉強に取り組むことになります。

 ある雑誌に「あの大谷翔平選手は、なぜ世界の

大谷翔平になったのか?」という記事があり、

この問いにWBCの日本監督を努めた栗山英樹氏

がこう答えていました。「彼は、自分で考えて

自分で答えを出してきた。自分で考えてやった

ことしか失敗したときにプラスにならないと

言っていた。要するに、人から言われたことを

鵜呑みにしてやっていると、うまくいかなかった

時に本質的に自分のせいにならないので、進み方

が遅いという感覚を彼は持っていると思う。常に

自分で考えて自分でやってきた習慣が、ああいう

選手を作り上げた。」と。

 皆さんの人生に少なからず影響を与える高校を

選ぶにあたり、どうか、皆さん自身の考えを

きちんと持って相談し、決めて下さい。

 今回の葵高校体験入学で、何を感じ、何を学び

ましたか?皆さんが考える、皆さんの未来を作り

上げるために葵高校がその一翼を担えればと

思っています。

 葵高校は、葵を選び勇気を持って受験して

くれる皆さんを心から応援しています。そして、

この学び舎で共に過ごし、全力で青春を楽しみ

ましょう。

 

 

  

 

 

 

 

 

【おがっちBlog75】1学期終了!!

 暑さ指数が気になったが、状況を確認し、

第1学期終業式を体育館で実施した。暑さに

対する我々の配慮は勿論必要だが、我々が

思っている以上に生徒たちは逞しいと感じ

させられる。

 そんな頼もしい生徒たちに、1学期を振り返り

メッセージを送ったので、記してみたい。

 1学期終業式にあたり、挨拶をします。

 先週開催された合唱コンクールにおける君たち

の躍動は、目を見張るものがありました。私は、

始業式で「自主的に考え・判断し・行動できる」

生徒を育てるために、この言葉を意識し、学校を

運営していくと述べました。君たちには、既に

1人1人の個性に加え自主的・自発的な態度 

そして困難な局面も自力で乗り越える強さが

培われていると感じています。その姿が、

合唱コンクールで垣間見れたこと、嬉しい限り

です。ある先生は、こんな言い方をしていま

した。「3年生はどのクラスも葵高校の合唱

コンクールはこうあるべき。という姿を見せて

くれた。葵高校の伝統のバトンを後輩に渡して

くれたと思う。3年間しか在籍せず、1年ごとに

メンバーが代わる中で、学校の伝統が引き継がれ

ていくというのは、各学年の生徒が、それぞれの

役割を担い、特に最上級学年の仕事は重要である

と感じた。」と。葵プライドを自覚し、学校行事

に真摯に取り組み、勉強と部活動を両立し、

葵での生活を充実させている君たちを頼もしく

思います。

 また、あるクラスで、アディソン先生の授業を

参観しました。その授業に参加していた生徒は、

英語で話すことは勿論、各チームのリーダーを

中心に考え、アイディアを出し合い、内容を

まとめ、それぞれの役割を責任持って果たし、

プレゼンに繋げ、質疑応答までこなしていま

した。全ての生徒が授業に関わり、まさに葵ゼミ

のミニプレゼンのような形の授業でした。

やらされるのではなく、自分たちの主体性で

動いている授業を見ることができ、嬉しくなり

ました。

 更に、ある生徒と、数学の授業について

話しをしました。その生徒は1年時、数学担当

の先生は課題が多く、授業についていくことも

出来ず、不安な状況が続きました。しかし、

2年生になり、その先生の授業を受けていると

数学に対する強い思いを感じることができ、

徐々に親しみを覚え授業がわかりやすく、数学に

対する抵抗感が自然になくなっていったという

ことです。君たちは、先生方それぞれの指導法に

触れ、自分なりの学びを、自然に確立している

のではないでしょうか。その積み重ねで進路目標

が決まり、自分が何をやるべきなのかを見出す

ことができていると感じました。

 これは、勉強に限ったことではありません。

部活動や生徒会活動についても、同じ事です。

  改めて確認しますが、葵高校は本校を選び

入学してきた君たちを卒業までに、

「自主的に考え・判断し・行動できる」よう、

関わっていきます。そのためにカリキュラムや

部活動、学校行事等を充実させています。

 そして、本校最大の特徴は、前回も話しまし

たが、先生方の君たちに寄り添う姿勢です。

君たちは全く違う思考、能力、感性、表現力

等々を持ち合わせていますが、その1人1人の

話を聞き、一緒に悩み、激励し、君たちの学校

生活がより充実するよう、関わってくれて

います。これは、教員として、ごくごく当たり前

のことではありますが、先生方が望むのは、

君たちの成長です。この葵高校の教育環境の中で

君たちの「考え・判断・行動」に成長を感じ

たい。それだけです。

 君たちには、1学期が終わるこの機会に自分

の変化について、見つめ直してほしいと思い

ます。様々なタイミングで自分自身を俯瞰し、

知ることはこれからの人生に於いて、非常に

大切なことであり、そこから新たな方向性を

見出す事が出来る。そんな人になってくれる

ことを願います。

 明日から、夏休みが始まります。この休みの

過ごし方が2学期からの君たちに大きな影響を

 及ぼすことになるでしょう。特に、3年生は

進路目標実現に向けた、自分自身との戦いが

始まります。残り少ない葵高生活を思う存分

楽しみながらも、全員が進路目標達成を果たして

ください。

 全校生には熱中症対策に万全を期し、事故や

事件に巻き込まれず、思い出に残る夏の日々を

過ごしてください。そして、8月22日には、

今よりも逞しくなった姿で会えることを楽しみ

にし、終業式の挨拶とします。

 

 

  

 

【おがっちBlog74】感動は突然やってくる

 本校の伝統行事であり、55回目となった校内

合唱コンクールが先日開催された。200名を

超える保護者の方々にもお越し頂き、各クラスの

練習の成果を見事に発揮してくれた。特別審査員

を若松商業高校の宍戸真市先生に依頼し、3年目

となるが、宍戸先生からも、本校生徒の合唱に

取り組む姿勢、レベルの高さ等々について、

お褒めの言葉をいただいた。特に3年生の歌声

には、1,2年生も驚かされたに違いない。

 全てのクラス発表後、審査結果が出るまで、

昨年から、教員合唱団、通称「おがっち合唱団」

を結成し、少しの濁声で歌声を披露しているが、

今年も我が合唱団はノリノリで、放課後練習も

実施し、本番に備えた。今年披露した曲は

『ゆず』 の「栄光の架け橋」である。

指揮 尾形幸男 

ピアノ伴奏 上野健一3学年主任

と異色のコンビで、不安定ながら先生方に

助けられ、最高の盛り上がりの中、終了した

のである。

 興奮冷めやらぬ中、7月17日(水)

12時10分、校長室のドアがノックされ、上野

学年主任・副担任の村山先生と共に、3年生

7名が入ってきた。

 突然の訪問に、「何事?」と、戸惑った…

 私の前に全員が並んで、代表の男子生徒が

いきなり、コメントを読み始めた。

「今年の合唱コンクールは、3年間の高校生活 

の中で、忘れられない行事になりました。今年の

おがっち合唱団の『栄光の架け橋』は、先生方の

私たちへの熱いメッセージが込められていて、

聞いていて大変感動しました。また、先生方の

歌声を会津風雅堂に響き渡らせた校長先生の

指揮も素晴らしかったです。私たち3年生は、

『この歌で3年生全員の進路目標達成を後押し

したい』という校長先生の熱意と、おがっち

合唱団の年齢を感じさせないパワフルな歌声に

全員が進路希望の第1目標を目指して、残された

高校生活をより良いものにするために頑張ります

よってここに、3年生一同より、指揮者賞を贈り

ます。」と。そして、賞状が手渡された。

 パソコンに向かい、難しい顔をして書類を作成

していた私は、このいきなり押し寄せた感情を

コントロールすることができずに、ただただ沈黙

するのみであった。この時間に耐えられなくなり

言葉をかけてくれた上野主任の言葉さえも耳に

入らなかった。

 先生方を代表して、ありがたくそのコメントを

受け取ったが、なかなか見ることも感じることも

難しい、生徒と先生方の繋がりを感じることが

できた。

 そして、葵高校の中に存在する、目に見えない

優しさとお互いを尊重し合う気持ちをうかがい

知ることができた、心地よい時間となった。

 想いを形にして表現してくれた3年生に心から

感謝したい。

 ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog73】同窓生の想い

 先日、第112回会津女子高等学校・葵高等

学校同窓会総会が開催された。今年の

参加者は154名(内男性1名)。これからの

同窓会の在り方について、様々な意見が

出された。歴史と伝統があるため、同窓生の

皆様の本校に対する想いは強い。

 コロナ渦からのリスタート、更には新城

新会長となり、同窓会活動も今まで以上に

活溌になるのではないかと感じた。ただ、

男性の参加者をどのように増やしていくか、

毎年卒業生各クラスから選出される学年幹事の

活動について等々が懸案事項としてあげられる。

 いずれにしても、本校発展の為には同窓会との

連携は必要不可欠であり、今後も随時話し合いを

継続していきたいと考えている。

 そんな中、6月に葵高校の卒業生男女1組、

7月に卒業生の男性1人が校長室を訪れた。

 1組は、高校時代から交際を始め、この度、

結婚することになった2人である。式の中で

2人にとって思い出が詰まった葵高校の大切な

場所を撮影し映したいということで、許可を

得に来たのである。

 もう1人も結婚が決まり、相手が葵の卒業生

で、式の中で彼女にサプライズ動画を作成し、

映したい。その動画に2人が過ごした葵高校

の教室等を入れて、驚かせたいということで、

こちらも撮影の許可を得に来たのである。

 会津女子高等学校から葵高等学校に名称が

変更され、男女共学校として発足したのが

平成14年。それから22年の時が流れ、今年

このような依頼が連続で舞い込んだ。

 葵高校が、卒業生にとって、青春時代の

記憶に残る、大切な場所になっている。これは、

会津高等女学校、会津女子高等学校の卒業生の

皆様にとっても同じなのではないかと感じて

いる。先日の同窓会総会でも、「皆さんに

とって会津女子高等学校、葵高等学校は

今までも、これからも母校であることに

変わりはありません。いつでも学校に来て、

今の生徒たちを見てください。」と話しました。

 今、葵高校で生徒と共に過ごしている我々は、

今までとこれからを繋ぐ大事な役目を担って

いることを改めて自覚しなければならない。

 それぞれの結婚式で映される動画がどのように

編集されたのか、どれだけ盛り上がって、彼女を

感動させるのか、気になって仕方がない。

 (^-^*)

 どうぞ、お幸せに!!

 

【おがっちBlog72】葵新聞がおもしろい。

 本校では、新聞委員会が年に2回、「葵新聞」

を発行しており、今年度の第1号が発行された。

その目玉が、「ようこそ葵高校へ」という

タイトルで、今年度本校に異動や採用された方々

からのメッセージが記載されている。

 その内容が、それぞれの方々を知る上で、非常

に興味深い内容であり、おもしろく読ませていた

だいた。

〇私が大切にしているものは「日本刀」、

「ルーティーン」、「人との出会い」(それぞれ

別の方)と答えてくれた方がいた。「日本刀」が

何故大切なのか?それは、居合道の昇段審査の

為に必要だから。「ルーティーン」を何故大切に

しているのか?それは、この流れがあることで、

気持ちの好不調を抑制することができるのだそう

だ。そして、「人との出会い」この方は、様々

な人との出会いを通して、年齢、職業、事情も

様々、考え方も様々なことを知り、それまでの

自分の中の「当たり前」が大きく変わったと

書いてあった。また、

〇「私が得意なこと」の中に、「炭や薪を使った

野外調理」、「手芸」と答えた方もいました。

肉の炭火焼きは遠赤外線効果で肉汁(うまみ成分

のアミノ酸)をしっかり閉じ込めるので

美味しい。ダッチオーブン(鋳鉄製の鍋)も重宝

すると書かれてあった。一度、この方の料理を

食べてみたくなった。(笑)「手芸」の方は

「編みぐるみ」、「洋服」、「リメイク小物」と

こちらも本格的である。糸や布から新たな物が

出来上がることがとても楽しいと書いてあった。

 その他の方々も、それぞれの視点から、その

思いを書いてくれています。普段、同じ職場で

働いていても、なかなかプライベートな話しを

する時間がないのが残念だと感じていた中で、

今回の「葵新聞」は仲間を知るために、とても

役に立ちましたし、書き手の人柄や優しさが

滲み出ており、おもしろく読ませていただいた。

 我々は、毎年、生徒を含め様々な方々との

出会いと別れの繰り返しであり、人との関わり

合いの中で生きている。その中で私自身が常に

意識するのは、「自分が今ここにいるのは、

自分の役目を果たすためであること。」

 そして、私が今日まで歩んで来られたのは、

「縁尋機妙(えんじんきみょう)・

 多逢聖因(たほうしょういん)」の連鎖である

ことは疑う余地もありません。

 ようこそ葵高校へ!!

 葵新聞第2号を心から楽しみにしています。