校長ブログ

おがっちBlog

【おがっちBlog64】葵サヨナラ!!

 「葵サヨナラ」

 これは、4月25日付けのスポーツ紙の裏面に

大きなスペースで掲載されていた記事の見出しで

ある。

 4月下旬から、春季東北地区高等学校野球会津

支部大会が開催されており、その1回戦で本校

野球部が9回裏に3点差をひっくり返す執念の

逆転サヨナラ勝ちをしたのである。

 野球部の今年のスローガンは、

「ミスしても全員でカバーする野球」である。

それを見事に体現した選手達を髙波監督も

称えていた。

 9回表に3点を加えられ、残された攻撃は

その裏の1回のみである。普通であれば、

諦めてしまう雰囲気になっても不思議では

ない。しかし、

「葵ベンチは一人も下を向いていなかった。」

という記事があった。

 先発の長谷川君(3年)は約160球を投げ

満身創痍であった。2,3年生部員が少なく

野球部存続にも黄信号という危機感を感じる中

1年生は、8名の選手と2名のマネージャーが

入部した。それぞれの部員の想いが交錯する

中で、今回の劇的勝利がもたらした価値は

大きい。

 「最後まで諦めない」思っていてもなかなか

できることではない。マネージャーを含め

誰一人欠けることなく、その思いを全員が持ち

合わせたとき、まさに目に見えない力が生まれ

「勝ちたい」思いを実現に導くことを

目の当たりにした。

 葵高生は、素直な気持ちを持ち、何事にも

粘り強く、真摯に取り組めることはわかって

いる。それに加え、自分や仲間を信じ、

最後までやり続けられたことを誇りに思える。

そんな葵高生活を過ごしてほしい。

 今回の野球部の勝利は、葵高校の

目指すべき姿を表現してくれた。

 心から誇りに思う。

 ありがとう。

K 100 200 103   7

葵   000 031 004×   8

 

 

【おがっちBlog63】『切望』

 先日、テレビで歌番組を何気なく見ていた。

 すると、何故かそのグループが歌う歌詞と

ボーカルの熱さに釘付けになった。

 そのグループは、日本の4人組ロックバンド

「SUPER BEAVER」といい、『切望』という

名の歌であった。

 私はその歌が流れた後にすぐ、ユーチューブ

で動画を見た。何回も見た。

 その歌詞のいくつかを紹介する。

「人ひとりの幸せに どれだけの人生が携わって

いるだろう」

「ひとりずつの自尊心に どれほどの人生も

いたずらに石投げていいはずがないんだ」

「許せない その人もまた誰かの許したい人かも

しれない 想像くらいしたい」

「個性だ 多様だ それもまた枠だった だから

ずっと言ってるんだ 初めから 僕で あなたで

人だって らしさってなんだったっけ

限りある日々と わかっているから 

地に足つけたら もう俯かなくていいぜ

想いの正体に 人に触れるたび 無性に愛を想う

愛を想う 歓ぶ顔が見たい」

 人と人との関わり、様々な人が抱える問題や

気持ちが交わる嬉しさや難しさ、笑顔がもたらす

計り知れない力等々について考えさせられる。

 明るいリズムで、前向きになれる雰囲気もあり

聴いているだけで元気がもらえる。

 そして何より感じるのは、「言葉の力」。

素敵な言葉を投げかけられれば、自己肯定を感じ

気持ちが穏やかになったり、奮い立つことさえも

できる。しかし、自分の感情をそのままぶつける

ことで、相手を傷つける刃にもなる。人と関わる

ことが多い学校や社会の中では、言葉を大切にし

「言葉の力」を私たち自身が信じることも必要

なのかもしれない。

 葵の諸君。この歌を一度聴いてほしい。

 そして是非、この歌詞の意味をキミたちなりに

考えてほしい。

 

 

 

 

【おがっちBlog62】3学年集会にて

 4月10日、3学年集会が開催され、冒頭に

校長から話しをしてほしいという学年主任の

要望に応える形で、時間をいただいた。

 本校を担う新3年生に向けて、激励の

気持ちを込めて話しをした。

 内容は、本校の教育目標である

「自ら考え、判断し、行動できる生徒を

育てます」に関して、その全てに必要な主体性

とはどのように生まれるのか?について、私の

考えを述べた。

 主体性とは自分の意志・判断により自ら責任

を持って行動することであり、その主体性が

生まれるためには、キミたち自身が本当にやる

意味があることと認識すること。そして自分が

やってみたいと思えることを目の前にしない

限り、主体性は生まれないと話した。

 つまり、様々な経験やコミュニケーション、

出会い等々から、自ら「考える」をはじめな

ければ、主体性に結びつけることは難しいの

ではないだろうか?と私は思うのである。

 3年生の諸君がどこまで自分事としてこの話を

聞き入れてくれたか、非常に興味がある。

 そして、話しの最後に、葵高校で、キミたちと

教員生活最後の1年を過ごすことに、運命を感じ

ている。お互い、自分がやりたいことを見つけて

主体的に生きて、葵での生活を楽しみ、来年の

卒業式で私は、未来への一歩をキミたち自身で

考え、判断し、踏み出したことに

「よく頑張った」と言いたい。

 そして、キミたちからも「校長先生、お疲れ様

でした。」と言われるよう、葵高校の為に、

全集中したい。お互い、ここに居る先生方を

はじめキミたちを心から応援してくれる方々の

力を借りて、進んで行きましょう。

 キミたちが校長室に話しに来てくれることを、

いつでも待っています。

 と、結んだ。

 さあ、3年生諸君。いよいよキミたちの

「高校3年生」が始まる!!

 

【おがっちBlog61】決意表明!

 4月8日(月)令和6年度入学式を行った。

真新しい制服に慣れない様子と、憧れていた

制服を着用できた喜びが、一人一人の笑顔

から感じ取れた。

 新入生195名の新たな仲間を心から歓迎

する。

 式の開始1時間半前から、保護者と新入生が

集まり始めた。本校の桜も満開への準備を

着々と進め、新入生を見守っているようだ。

 コロナ禍も過ぎ、以前のような制限のない

入学式となった。私は常々、アフターコロナの

対応がチャンスだと考えている。何事も通常に

戻るタイミングで前例踏襲ではなく、変える

べき所を変え、新たな取り組みをしたいと

思っている。そんな中、通常の入学式に於いて

「校歌披露」がある。これは、式の最後に

合唱部がステージ上で校歌を披露するのであるが

コロナ禍ではCDによる披露であった。

 しかし、今回初の試みとして、混声合唱として

それもアカペラで披露したのである。

本校合唱部は、女子生徒がほとんどで、校歌の

混声合唱にまではなかなか辿り着けなかったの

だが、顧問のチャレンジ精神に火が付き、

男子生徒3名を育て上げ、今回の披露となった。

 緊張感と期待に式場内は静まりかえった。が、

間もなく、素晴らしいハーモニーに包まれた。

 そして私の身体は、鳥肌で包まれた…

 私は式辞の中で、こんな話をした。

「葵高校は、生徒に学ぶ必要性を自覚させ、

学びが創造力に結びつくこと、それが、

新たな発想や先を見据えて行動できるなど、

生き方全てに波及していくことを目指していき

ます。それが、葵プライド、つまり、

『自立・自学』を身につけることにつながると

考えます。」と。

 今回の合唱部の新たな発想から生まれた

チャレンジは、今年度の本校の決意表明と

なった。

 我々が目指す「学び」を生徒に伝え、会得して

もらうため、今年度も前を向いて進みます。

  尚、合唱部の校歌披露に向けた練習の様子が

本校HPのトップページに動画によりUpされて

いますので、御覧下さい。

   

【おがっちBlog60】4月1日のサプライズ!!

 葵高校の令和6年度がスタートした。

 新たに本校のメンバーとして転入された方の

着任式を行い、新「チーム葵」として動き出した

 4月1日は先生方にとって会議が多い日と

なるが、その合間に、ある先生が校長室に来て

私に「校長先生へプレゼントがあります」と

一冊の本を差し出した。その先生は私が読書

好きなのを知っており、気持ちが嬉しかった。

 その本の題名は、

「60代からの老けない習慣」心も体も若く!

である。私が今年60歳をむかえることを

確実に知ってのプレゼントである(笑)

 嬉しさは、半減した……

 その本を受け取り、お互いに顔を見合わせ

ニヤリと笑った。こんなことをされると、

60歳になることを改めて実感させられる。

「どんなつもりで、わざわざ購入してまで

私に渡そうと思ったのか。」確認した。

「校長先生も現実を受け止め、準備を

なさった方がいいのではなかと思い、

渡しました。」と嬉しそうな顔で答えた。

 「準備するなら、新年度のスタートに

合わせた方がいいのでは」

 「まだまだ大丈夫と思っているのは、

自分だけではないですか?」

 「校長先生には、いつまでも心と体を

若く保ってほしい」

 「先日、廊下で普通にコケていました

よね?」

 と先生方の顔を思い浮かべながら、私の

妄想は膨らんでいった。

 学校は常に動いている。その動きを

我々教職員は、事前に察知し、対応する。

その動きを適切に判断し、行動を起こす。

 その為には、心と体に余裕と安定感が必要で

ある。

 私は、その先生からのプレゼントを『優しさ』

として受け取ることにした。

「この本を読んで、老けない習慣を身につけ

よう」という気持ちを忘れないように。

 そして、何より、

「この本をいただいたことすら、忘れない

ように」と言い聞かせている。

 

 追伸

 それから数日後、別な先生方が校長室に来て

「仕事や勉強等による一時的・心理的な

ストレスを低減する GABA」という

チョコレートをプレゼントしてくれた。

 m(_ _)m

 どれだけ、先生方に気を遣っていただいて

いるのか??

 自分で苦笑するしかなかった(笑笑)

 

  

【おがっちBlog59】至福の50分

 終業式の前に、本校では50分かけて大掃除が

行われる。勿論、校長室もである。

 担当は2年〇組男子5名。強者揃いである。

 大掃除は特別なので、掃除内容を分担し、

作業に入った。いつもは、授業で疲れているのか

のんびりとした態度であるが、この日の彼らは

違っていた。

 全員でソファーを何度か移動し、掃き掃除。

その後、拭き掃除(洗面台、棚の上、掛け軸)と

窓拭き班に分かれる。それぞれに必要な用具を

保健室や事務室から借りに行き、高い場所は、

背の高い生徒にお願いしたり、椅子を持って

きて対応するなど、実に要領よく動いている。

(いつも、こんな感じに動けばいいのに…)

そのうち、指示した場所以外にまで掃除場所を

見つけ、黙々と手を動かしている。

 その働きぶりを見せたくなり、思わず担任を

呼び、滅多に見られないその光景を見て

もらった。担任も、流石に満足した様子で、

ニヤッとして校長室を後にした。

 この至福の50分に感謝したい。

 やるときはやる彼らの姿を見せつけられ、

スイッチが入ったときの計り知れない集中力に

頼もしくなると共に、3年生になる彼らが

どこまで大きく成長していくのか楽しみで

仕方がない。

 4月からは担当が新2年生に変わるが、

新たな出会いに、ワクワクしている。

 

 

 

【おがっちBlog58】令和5年度第3学期終業式

 3月19日、第3学期の終業式が行われた。

 1,2年生が体育館に参集し、合唱部学生

指揮者、伴奏者のもと、校歌を斉唱し、式は

粛々と進められた。

 今回は、終業式での校長挨拶を掲載する。

 おはようございます。

 先日、東日本大震災・原発事故から

13年が経過しました。キミたちは幼稚園

・保育所で過ごしていた人も多いと思いますが、

高校生となり、現在はどんな想いを感じながら

この日を過ごしたのでしょうか。

  昨年、双葉町の東日本大震災・原子力災害

伝承館の見学をしてきた生徒もいますが、

13年が過ぎても、復興に至っていないのが

現状です。3月11日に知事が誓いの

メッセージを出しました。その文章の中に

「震災によって多くのものを失いながらも、

多くの温かさに支えられてきた私たちだから

こそ災害で苦しんでいる人達の思いを我が事

として受け止め、寄り添っていかなければ

なりません。」そして、「私たちはこれからも、

光と影が入り交じる福島のありのままの姿を

しっかりと受け止め前へと進んでいきます」

と発しています。

 私は、キミたちには、葵高生として、知識の幅

を広げ、福島の復興に積極的に関わることを考え

ながら過ごしてくれることを期待しています。

 さて、3月1日、第76回卒業証書授与式が

行われました。3年生は、凛とした態度で、

厳粛な式に臨み、卒業という最高の資格取得と

これからの未来に胸を高鳴らせ、この学び舎を

巣立っていきました。

 来賓の方々も、式に参加した生徒の態度、

3年生の返事、校歌に想いを込めて歌う姿と

声量、そして最後のサプライズ。式の一つ一つ

に対し、感動されていたようです。

 卒業生の姿を目の当たりにしたキミたち

在校生は素晴らしい先輩方からバトンを引継ぎ、

葵高校の新たな歴史を創り出す、重要な役割を

担うことになります。

 私から、新学年を迎えるキミたちに強く感じて

ほしいこと。心に刻んで欲しいことを話します。

 それは、キミたち次第で、成長できる環境が、

この葵高にはあるということ。そして、部活動

だけではなくキミたちの様々な能力を引き出し

地域社会と共に成長できる学校であること。

それを気づかせてくれる先生方が存在すると

いうことです。今日からの1年間がキミたちの

人生に大きな影響を及ぼすことになります。

葵高校は、「自ら考え・判断し・行動できる」

生徒を育てるために学校生活の全てで、

様々な経験とチャレンジする機会を提供して

いきます。その中で、キミたち自身が真剣に

考えながら取り組めば、今まで気づくことが

なかった新たな自分に出会うことが出来ます。

 成功や失敗で一喜一憂するのではなく、

チャレンジした自分、気持ちを伝えられる自分、

やり遂げたことを認める自分を大切にする

ところから、始めてみてください。

 今年度、キミたちは学習・部活動・

ボランティア・生徒会活動等、あらゆる場面で

本当によく頑張りました。その頑張った証と

して、進級することが出来ることを忘れず、

自信に繋げてください。

 キミたちは「新たな葵高を創り出す」

「葵プライド」を持った3年生、2年生に

なるのです。自覚と覚悟を先生方と共有し、

前へ進んでいきましょう。

 この春休み、キミたち一人一人が健康や

交通事故等に十分気をつけて、新学年に

向けた意味のある時間を過ごしてください。

 

 学校関係者の方々、保護者そして地域の皆様、

来年度の葵高校に、どうぞご期待ください!!

 

【おがっちBlog57】葵図書館の存在感

 今年度、葵図書館で2月までの本の貸出数は、

4,108冊。このうち、1冊以上借りた生徒は

485名。全校生徒の約83%にのぼるようだ。

 また、入館者数に於いては、7,550人で、

全校生徒の約13倍となる。この数を昨年度と

比較すると、入館者は2倍を超え、貸出も

約1,500冊多くなっている。

 昨年度の貸出数、入館者数については、

コロナ感染症の影響を受け、図書館活用にも

制約が及んだ為だと想像できる。しかし、

今年度、図書貸出が飛躍的な伸びを見せた

理由としてあげられることは、図書部では

様々な趣向を凝らし、生徒を図書館へ誘ったこと

ではないだろうか。年間を通して継続的に

イベントを企画してくれた成果だと、嬉しく

感じている。また、葵ゼミでの探究活動にも

本からの情報は重要であり、探究を深める為の

一役を担っているのではないだろうか。

 更に、Blog26で紹介したように、「本の検索

サービス」・ブクログ・カーリルを本校図書館で

導入したのも、貸出増加に繋がっているのだと

思う。

 先日、「高校生新聞 ONLINE」を読んで

いると、「年間100冊読む高校生が教える 

読みたい本の見つけ方」という記事が掲載されて

いた。以下が、その方法である。

 ①「好きなもの」で検索

 ②「本屋大賞」をチェック

 ③周りの人におすすめを聞く

 ④タイトルや表紙から直感で選ぶ

 葵図書館では、検索環境、本屋大賞コーナー、

頼りになる司書、様々な工夫で本のタイトルが

目に飛び込んでくる仕掛け等々が充実している。

 葵の諸君、これからも葵図書館に足を運び

人生を豊かにするきっかけ作りに役立てて

ほしい。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

【おがっちBlog56】卒業生へ

 3月1日、卒業証書授与式の朝、本校教諭の

有志から卒業生へプレゼントが贈られた。

 前日の夜、誰も居なくなった校舎に残り、

卒業クラスの黒板にメッセージを添えて

プレゼントを残した。

 卒業生に対しての細やかなプレゼントでは

あるが、本校教員全ての想いが込められてい

るし、こんなことをしてくれる教員がいる。

 それが、葵高校である。

 卒業、おめでとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog55】贈る言葉

 第76回卒業証書授与式において、栄えある

卒業証書を手にする3年生諸君に贈る。

 

 葵高校生活は充実していましたか?

 楽しい思い出が、出来ましたか?

 辛かったこと、ありましたか?

 新しい自分を見つけ出せましたか?

 親友はそばに居ますか?

 授業は楽しかった?辛かった?

 「葵ゼミ」で何を学びましたか?

 部活動はやりきりましたか?

 優しい自分に気づきましたか?

 誰かに優しくされましたか?

 自分の情けなさを実感しましたか?

 誰かのために、行動できましたか?

 考えることを学びましたか?

 自分の成長を感じましたか?

 保護者の存在の大きさに改めて

気づきましたか?

 先生方は、キミたちに何をプレゼント

してくれましたか?

 担任との絆は結べましたか?

 クラスメイトの大切さを感じましたか?

 クラスの団結力は最強でしたか?

 キミたちに寄り添ってくれた人はいますか?

 キミたちが寄り添った人はいますか?

 葵高校を、誇れますか?

 「葵プライド」は身につきましたか?

 自己肯定することの大切さを覚えましたか?

 キミたちが、葵高校の歴史を積み重ねたことを

知っていますか?

 キミたちが、毎日当たり前の日常を過ごした

ことが、どれだけ奇跡なのか感じていますか?

 葵高校での全ての出会いは、偶然ではなく、

必然だったことを感じますか?

 キミたちは、歌う機会が少なかった校歌が

どれだけ素晴らしいか、わかりますか?

 3年間の葵高校生活をやり遂げた自信で、

次のステップにチャレンジできますか?

 

 自分の意志で葵高校を選び、入学し、

様々な困難を乗り越え、自己嫌悪に

押しつぶされそうな自分を奮い立たせ、

見事に卒業証書を手にするキミたちに、

心からエールを贈りたい。

 葵高校は、キミたちと出会えたことに

感謝しています。

 本当に、ありがとう。

 

 

 

 

【おがっちBlog54】皆勤賞

 皆勤賞

 「3年間無欠席・無欠課・無遅刻・無早退の者」

 本年度の卒業生において、この素晴らしい賞を

受賞する生徒は16名。

 3年間日々様々な事があるにも拘わらず、高校

生活を皆勤できるなんて、凄いこと。

 何事も、最後までやり遂げる事が、どれだけ

難しいことか。皆勤賞を受賞する皆さん、

本当によくやり遂げました。

 そして、皆さんがこの偉業を達成する為には、

ご家族等のサポートが必要だったでしょう。

そのことを、忘れないで下さいね。

  

 

  

【おがっちBlog53】なぜ学ぶ?

 「なぜ学ぶのか?」という疑問に、誰もが一度は

向き合っているのではないだろうか?そんな中、

渋谷教育学園長の田村哲夫氏の書物に出会った。

その中の一説を紹介したい。

「模倣という言葉は、あまりいい意味では使われ

ないのですが、決められた形を学ぶことで、

そもそも学ぶという言葉は「まねぶ」からきたと

言われています。決められた公式や定型をまね

することから、学ぶことが始まったというわけ

ですね。数学で言えば決められた公式、国語で

言えば言葉の意味や定型を知る。模倣がまねぶ

ことの出発点。最初から新しいことを考えつく

などということは、誰もできないのです。

天才作曲家のモーツァルトも、若い頃には、

先輩の素晴らしい曲を繰り返し聴いてまねした

曲を残しています。模倣を繰り返す中から、

ある年にピアノ協奏曲第23番という曲を突然

つくるんですね。モーツァルトの素晴らしい曲

の数々は、創造力でつくられたものです。

英語で、

模倣をイミテーション(imitation)、

創造をクリエーション(creation)

と言います。学ぶがまねぶから来ているのは、

まねすることから始まるからなんです。

人間の能力が認知能力と非認知能力に分かれる

ということは聞いたことがありますか?

AIと言われる人工知能は、過去に人間が行った

ことを蓄積した膨大なデータを駆使して共通項を

出します。これが認知能力で、多くの人の経験を

活用し、失敗しないようなやり方を見つけ出す

ことです。ところがAIがまねをしながら積み

重ねていくやり方は、今のところ、非認知能力の

代表である創造力の壁を越えられていません。

創造まで飛躍できない。ここに大きな壁がある

んですね。(後略)」

 という。非認知能力については、また別の

機会にBlogに記すとして、「学ぶ」ことを

地道に繰り返すことで、現在のAIでは

超えられない「創造力」を身につけることが

できるということは理解できる。

 今、君たちの本校での学びが、一人一人

の創造力へ繋がっている。想像するだけで、

嬉しくなる。

 しかし、「学び」→「考え」→「判断」→

「行動」のサイクルを粘り強く継続することが、

「創造力」を身につけるスキルであることを

忘れてはいけない。

「学ぶ」ことは、人が人としてよりよく生きて

いくために、必要なことなのではないか?

 と、今回は考えさせられた。

 さて、君たちは、どう考えたかな?

  

【おがっちBlog52】葵の鉄人!

 葵高校に鉄人と呼ばれる教員がいることを

ご存じだろうか?

 在るときは、担任、在るときは、学芸部顧問、

そして在るときは、フルマラソンランナーで

ある。

(勿論フルマラソンなので42.195kmを

走るのである)

 その鉄人が今回出場したのは、「さいたま

マラソン」である。さいたまスーパーアリーナを

スタート・ゴールとし、4時間51分28秒で

見事に完走した。

 鉄人がフルマラソンに出場するのは4回目で

あり、自己ベストは4時間24分20秒。(経験

した人にしかわからないタイムである)

 驚くべきことに、鉄人は高校時代は文化部

所属で、スポーツには全く無縁であったこと。

そして、走る事へのきっかけは、ご子息と親子

マラソンに出場したことのようである。

 そこから、5km、10km、ハーフマラソンと

距離を伸ばし、フルマラソンランナーへ変貌を

遂げた。

 大会の次の日、5km毎のラップタイムを私に

見せてくれた。(ランナーであれば、誰もが

ラップタイムを計測する)

「練習不足がそのままタイムに反映され

ました。」と淡々と話す鉄人の姿は、既に

トップランナーの風格を備えている。

   そして、鉄人から改めて

「新たなことにチャレンジするのに年齢は

全く関係ないこと」「やり続けることで

確実に、自己肯定感を身につけることが

できること」を感じさせてもらった。

 この鉄人から、生徒たちが学ぶべき事は

多々あると思う。様々なきっかけから、自分の

やりたいことを見出し、やり続ける事で、

新たな自分に出会い、人生の幅を広げ、

楽しんでいる。

 これからも、鉄人は目標をひとつひとつ

達成しながら走り続けるだろう。

 乞うご期待!!

 最後に、完走メダルと共に誇らしげに

写真に収まる鉄人の勇姿を添えます。

 目に焼き付けるんだ!葵高校の諸君!!

そして、2年1組の諸君!!!

  

【おがっちBlog51】白波五人男

 「今日、この同窓会新年会に出席してくれた、

白波五人男です。」と発したのは、会津女子高校

・葵高校同窓会顧問の畑 洋子様である。

 2月3日、市内で会津女子高校・葵高校の

同窓会新年会が開催され、118人の参加者で

盛り上がった。

 畑顧問は、乾杯前のお話しの中で、新たな

同窓会を作り上げていくためには、葵高校生、

特に男性の参加者を増やさなければならないと

熱弁した。

 そのような中、新年会には71回卒業の男性

4名が参加してくれた。昨年度に引き続きの

参加であり、私も含めた5名が「白波五人男」

と表現されたのである。さて、「白波五人男」

(しらなみごにんおとこ)という言葉、説明

できる人は少ないのでは?と思う。

 調べてみると、原作は「青砥稿花紅彩画

(あおとぞうしはなのにしきえ)」という

河竹黙阿弥の歌舞伎作品で、白浪五人男とは、

日本駄右衛門(にっぽんだえもん)、

忠信利平(ただのぶりへい)、

南郷力丸(なんごうりきまる)、

赤星十三郎(あかぼしじゅうざぶろう)、

弁天小僧菊之助(べんてんこぞうきくのすけ)

の5人組の盗賊のことで、白浪五人男と

名奉行青砥藤綱の工房を描いた内容の

ようです。白浪五人男の名乗りのシーンが

見せ場であり、特に「知らざあ言って聞かせや

しょう」で始まる弁天小僧菊之助の啖呵は有名。

と、ありました。

 乾杯の場面でこのような言葉を簡単に発する、

畑顧問の様々な分野への造詣の深さには驚かされ

るばかりです。

 今回参加していただいた男性4名には心から

感謝申し上げたい。

 私は君たちが「葵プライド」を継承し、

今でも勉学に励み、社会に貢献している姿を

誇らしく思うと共に、頼もしくて仕方がない。

 是非、同窓会総会、新年会等々に少しずつ

男性同窓生が増えていくよう、力を貸して

欲しい。

 参加してくれて、本当にありがとう。

 それでは、白波五人男を紹介します。

 71回卒業生(下の写真 左から) 

 髙橋和也氏 早川武流氏 校長

 玉川右京氏 大関一輝氏

 

 

 

【おがっちBlog50】校長室掃除

 現在は、2年生が校長室掃除の担当である。

 私は、生徒と触れ合えるこの時間が楽しみで

仕方がない。

 最初は生徒たちも緊張しており、黙々と掃除

をしている。しかし、私はそれに耐えきれず、

話しかける。

 「きみ、何部?」

 「こないだの大会の結果は?」

 「考査どうだった?」

 「休みの日は何してるの?」

 「学級通信、ちゃんと読んでるか?」

 と、生徒たちは、私の質問攻めに遭う。

 生徒たちはとても真面目なので、その質問に

答えながらも、掃除の手は休めない。

 最近、担当しているのは男子でようやく心が

通じ合ってきたのか(!?)、その手を休め、

顔を見ながら会話するようになってきた。

そして、校内ですれ違うときも、短い会話を

するようになり、私の目論見に生徒はまんまと

ハマっているのである(笑) 

 果たして、掃除の時間をこんな時間にして

いいのか、甚だ疑問ではあるが、どうにも

止められそうにない。

 これからも、校長室掃除になる生徒諸君は、

質問攻めに遭うことを覚悟して、嫌がらず

掃除に来て欲しい。

 

【おがっちBlog49】人として

 この時期、私は全ての先生方と面接を行って

いる。その中で、日頃先生方の感じている事や

教育活動について様々な話しを伺うことができ、

校長としては非常に楽しみな時間である。

 面接も終盤に差し掛かかり、先生方と話し、

一人になって暫くすると、ある歌が脳裏を

過ぎった。

 その歌は、海援隊の「人として」

 海援隊というグループを、生徒諸君で知って

いる人は少ないと思う。ボーカルは、武田鉄矢氏

調べてみれば、きっと「この人」って

なるかな??

 そのメロディは優しく、聴く人の心にスッと

入り込む感じがする。そして、その歌詞は、

 

 遠くまで見える道で 君の手を握りしめた

 手渡す言葉も 何もないけれど

 思いのままに生きられず 

 心に石の礫(つぶて)なげて

 自分を苦しめた 愚かさに気付く

 私は悲しみを繰り返す そうだ人なんだ

 人として人と出会い

 人として人に迷い

 人として人に傷つき

 人として人と別れて

 それでも人しか 愛せない

 

 夢を語り合えばいつも 

 言葉はすぐに 途切れてしまう 

 膝を抱えて うつむくことばかり

 鳥のように生きたいと

 夕空見上げて佇むけれど 

 翼は愚かな あこがれと気付く

 私は大地に影おとし 歩く人なんだ

 人として人と出会い

 人として人に迷い

 人として人に傷つき

 人として人と別れて

 それでも人しか 愛せない

 それでも人しか 愛せない

 

 何故、この歌を口ずさんだかは自分でも

わからない。教員という仕事は、「人として」

どうあるべきなのか?最終的には、ここに、

辿り着くのではないか。人との関わりの中で、

様々な感情と向き合い、コントロールし、

なんとかバランスを保つ。教員という仕事に

就きながら、「人として」の在り方を模索し

生きていくのである。

 生徒諸君にも是非、この歌を聴いて欲しい。

 

 

 

【おがっちBlog48】ある外国人から見た日本の素晴らしさ

 会津若松市の人口(2023年4月1日現在)

は、113,386人であり、10年前の人口より

10,233人減少している。これは、1年間で

約1,023人減少していることになる。

その中で、2023年4月の人口動態では、

自然動態が出生46人、死亡165人で119人

の減、社会動態では、転入が661人、転出が

1,149人で転出が488人多く、自然動態と

併せると人口は607人の減となっている。

 そのような中、アメリカの政治学博士

ロバート・D・エルドリッヂ氏が、

「日本人が知らない日本人の素晴らしさ」を

このように話していた。彼自身が日本で33年

生活し、その中で感じた日本の魅力は、

①「郷土愛」

 生まれ育った、それぞれの故郷のためを

思って自発的に協力する姿勢。そのような

郷土愛は、よりよい国を創っていくために

絶対必要である。

②「優しさ・礼儀正しい・自分のことよりも

相手優先」

③「多様性」

 全国各地を訪れると、生活習慣や言葉、料理

など、どこにいっても必ずその地域ならではの

特徴、魅力が存在する。日本人はよく

「全国一律」という言葉を使うが、日本ほど

地域の多様性がある国はない。この地域性が

「郷土愛」にも繋がっている。

④「地域の繋がり、家族の繋がり」

 特に地方では、兄弟姉妹、親戚が近くに住み、

お互い助け合いながら地域や家族の中で歴史・

文化・伝統・生活の知恵がきちんと継承されて

いる。そのような継承が各地域・各家族で

なされているというのは、国や社会の安定、

発展に極めて重要である。

と話し、こうまとめている。

 日本がここまで発展してきた要因は地域の

多様性、豊かな自然、家族・郷土愛、なにより

歴史・文化・伝統をきちんと継承し、その中で

育まれた日本人一人一人の資質、つまり『人』

に在ることは間違いない。

 私は、この会津の地こそ、彼が感じた日本の

素晴らしさを体現できる場所なのではないかと

思う。行政の支援に依存するのではなく、

自助努力を惜しまず、会津にある財産に目を

向け、会津を出て行った若者達、会津を訪れ

て魅せられた人達を含め全会津として結びつけ

ていくことが、会津の地域活性化のためには

必要ではないかと考える。

 本校生徒にも、「葵ゼミ」を中心に、様々な

教育活動を通して、会津の良さを身を以て

感じてもらえるよう学校が関わり、会津活性化

のリーダーとして貢献できる有為な人材を輩出

することこそが、我々の使命であると改めて

感じた。

 

【おがっちBlog47】「もし、自分の作品が県立美術館に展示されることになったら。」の続編

 【おがっちBlog42】に、

「もし、自分の作品が県立美術館に展示される

ことになったら。」というタイトルでBlogを

書いたが、今回はその続編。

 実は、あの展示の際に美術館に来館された

お客様が生徒たちの作品を目にとめ、わざわざ

生徒へメッセージを残してくれていた。

 その中のいくつかを紹介したい。

◯ クスッと笑えたり、なんともおしゃれ。

 発想が素晴らしいね。ぜひ、県美(県立

 美術館)のエコバックとして商品化して

 欲しいな。

◯ 1つ1つが個性的でどれも「県美が

 気になる!」作品ばかりでした。こんな

 個性や才能を持った高校生達が地元にいる事

 を知って、嬉しく、楽しく、明るい気持ちに

 なりました。これからも、面白いことに挑戦

 しながらやりたいことをしていって下さい。

◯ 生徒たちのユニークな作品に目を奪われて

 しまいました。作者・作品が生き生きと

 描かれているなあと思いました。未来の芸術家

 が現れるかもしれないと思いました。

◯ 今日の美術館の中で一番おもしろかった。

 この作品を見て、私もみんなと話してみたい。

◯ 私は宮城県に住んでいますが、福島の美術館

 が好きで年間パスを買っています。みなさんの

 応援プロジェクトを見て、もっと好きになり

 ました。センスとてもいいです!Good Job!

 

 授業者の5年越しの構想が見事に県立美術館に

届き、実を結んだ。生徒の作品が様々な視点から

共感を呼び、刺激を与えることとなった。

大きな自信に繋がるだろう。

 授業者の様子から、「教員としてのやりがい」

を感じる瞬間に立ち会えた気がして

嬉しくなった。

 今、生徒たちの作品は大きな輝きを放ち、

校舎内に展示されている。 

 

【おがっちBlog46】ある女子生徒の戦い

 先日、新人戦県大会に出場するため、顧問と

共に校長室に挨拶に来てくれた女子生徒がいた。

 3年生が引退した後、たった1名の女子

バスケットボール部員となった生徒である。

 彼女は、大会に出場するため、会津学鳳

高校と合同チームを編成し、見事に地区大会を

勝ち抜き県大会に参加するのである。

 バスケットボールは1チーム5人で戦う競技

であり、日々の練習は男子チームと練習を重ね、

その中で個人のスキルを高めるためのものが

中心になる。チームとして様々な戦術を練習

することはできない。それでも、彼女は練習

を継続してきた。彼女のバスケットボール愛

をだれも止めることはできないのである。

 屈託のない笑顔で「頑張ってきます」と

決意表明をする生徒に、心からのエールを

贈った。

 本心は葵高校の単独チームで出場したいに

決まっている。しかし現実を真摯に受け止め、

自分がやるべきことをひたすら繰り返す彼女の

振る舞いを誇りに思う。顧問も、その生徒に

寄り添い、バスケットボールの魅力を伝え、

顧問としての役割を十分に果たしてくれている。

 私は、彼女に「葵の代表として、存分に

戦ってきて欲しい。来年度1年生が多数入部し、

単独チームが組めるといいね。」と話した。

彼女は最高の笑顔で「ハイ」と言ってくれた。

これが葵の生徒である。「葵プライド」である。

 誰かが言った。

「スポーツの本質は、スポーツを行うことで

様々な理不尽を感じ、それに打ち勝つ強い心を

養うものである。」と。

 必ずや、彼女の想いが報われることを願わず

にはいられない。

 県大会は1回戦見事に勝利。2回戦で敗れた

と本人が報告に来てくれた。今回のプレーの

反省を次に生かしたいという、先を見据えた

言葉が嬉しかった。お疲れ様。

 

 

 

【おがっちBlog45】2024 葵高校始動

 2024の葵高校が始動しました。

 今年最初のBlogは、久々に全校生が参集

して行われた始業式での校長挨拶を掲載

します。

 

 まずは、能登半島地震において亡くなられた

方々に哀悼の意を表しますと共に、被災された

皆さんにお見舞い申し上げます。

 東日本大震災から、13年が経とうとして

いますが、改めて当たり前の日常が一瞬にして

奪われる自然災害の脅威を思い知らされます。

 被災した皆さんが一日も早く元の生活を

取り戻すことが出来るよう皆さんで

祈りましょう。

 改めまして、全校生の皆さん、

明けましておめでとうございます。

 令和6年が、いよいよ始まりました。

君たち1人1人が、どんな思いで新年を迎え

たのか、とても興味があります。

 それぞれの学年によって、今年に向けた

決意と覚悟は違うと思うからです。

 さて、今年は辰年です。

「辰」は12支の中では唯一の架空の

生き物、龍(竜)を意味します。 辰年は陽の気

が動いて万物が振動するので、活力旺盛に

なって大きく成長し、形が整う年だといわれて

います。

 過去の辰年を振り返れば、平成24年、京都

大学の山中伸弥氏は、成熟した細胞をiPS細胞

へと初期化できることを発見しました。

この発見は、再生医療の分野に革命をもたらす

画期的な成果として、ノーベル生理学・医学賞

を受賞しました。

 平成12年には、シドニー五輪が開催され、

女子としては史上初の金メダルを獲得した

女子マラソンの高橋尚子選手や、日本女子柔道

史上初の金メダルを獲得した田村亮子選手など

の活躍で過去最多18個のメダルを獲得しまし

た。

 昭和63年には、世界最長の

全長53.85kmの青函トンネルが

開通しました。工事期間は約24年間にも及び、

これは、日本の土木史上空前のスケールを誇る

仕事でした。

 このように、努力した成果が実を結ぶような

出来事が多く起こっています。これらは、

辰年の「成功の芽が成長し、姿を整えていく」

という傾向の表れかもしれません。

 そして、2024年を迎えたわけですが、

ある雑誌にこんなことが、書いてありました。

『現在の世界情勢や我が国の経済状況、

教育環境の急速な変化、更に、人間関係の

複雑さや、なかなか自己肯定に結び付ける

ことのできない葛藤など、この激動の時代を

生き抜くために、今の日本に強く求められて

いるのは、1人1人の自助努力の精神である。

現在の風潮は、国や自治体に依存する

ばかりで、自分でやればすむことすら積極的

にやろうとしない。

 かつて日本は、「東洋の君子の国」と

言われていた。それは、政治家や特定の

人たちが立派だったからではない。 

国民多くが「自助努力・独立自尊」の気風を

備えていたからである。』と。自助努力とは、

他に依存せず、自分の力で困難を乗り越える

努力のこと、独立自尊とは、自他の尊厳を

守り、何事も自分の判断、責任の下に行うと

いうことです。

 この文章を読んだとき、私自身も

「確かに」と、感じることができました。

君たちはどうだろうか?

「自助努力・独立自尊」は、これからの

キーワードになるかもしれません。

 本校のグラヂュエーション・ポリシー

つまり、卒業までにこのような生徒を育てます。

という目標は、「自立・自学」の校訓の元、 

主体的に考え、判断し、行動できる人材の育成

です。

 葵高校は、今年、「自助努力・独立自尊」と

同じ意味を持つ、このポリシーを達成する

ために、君たちに寄り添い、共に学び、人間力を

向上させながら進んでいきます。

 3年生の諸君は、高校生活最後の学期と

なります。そして、共通テストはこの週末に

実施されます。進路目標実現の為に挑戦を

続けている人は、これまでの自分の積み重ね

を信じ、最後まで粘り強く取り組んでください。

既に進学先が決まっている人は、一般受験の

入学者に負けないよう、時間を有効に活用し、

学力向上は勿論、専門分野の本を読んだりする

など、自分を磨いてください。

 また、就職が決まった人は、社会人としての

生活に入る、心の準備をしてください。

3年生全員が、残り少ない、ここ葵での生活を

有意義に過ごし、有終の美を飾り、巣立って

いくことを、心から願っています。

 2年生は、最高学年になります。

諸君にとって今年は、学習や部活動の面で

結果が求められる年になります。

 学校行事や部活動では、リーダーとしての

役割を期待しています。また、進路目標の達成

に向け、本格的に始動する時期でもあります。

いずれにせよ、準備に早すぎるということは

ありません。進路資料として配付される

「葵の軌跡」(明日への道標)を、諸君の

進路指導バイブルとして、有効に活用する

とともに、何事にも積極的に取り組んで

ください。期待しています。

 1年生は、学校にも慣れ、高校生としての

生活のリズムもでき上がったと思います。

諸君にとって、今年は学習や部活動の面で

力を蓄え、大きく飛躍・成長することが期待

できる時期です。また新年度になれば、先輩

となり、中堅学年としての役割が求められる

ことになります。諸君には、自分を見つめ

直し、自ら目標を見つけ、何事にも自発的に

取り組むことを期待しています。

 結びに、君たち1人1人が、1日1日を

大切に過ごし、「自助努力・独立自尊」の

気持ちを忘れず、「葵プライド」を持つ

ことで、葵高校が活気に満ち溢れることを

心より期待しています。

 全校生が笑顔で、前を向き、新たな葵高校を

作り上げるにふさわしい一歩を踏み出せるよう

祈念して、挨拶とします。

 

 本年も葵高校を、何卒よろしくお願い

いたします。