校長ブログ

おがっちBlog

【おがっちBlog86】同窓会とのコラボ。

 本校同窓会については、このblogでも

何度か書かせていただいた。その同窓会の

活動がコロナ禍からのリスタートに合わせ

スピード感を持って事業の推進を図っている。

そのひとつが、オリジナルトートバックの制作で

ある。新城同窓会長のもと、事業委員会が中心と

なって企画を練り始め、同窓会と在校生のコラボ

ができればということで、バックのロゴデザイン

を本校美術工芸部員に依頼したいと申し出が

あった。この依頼は本校にとっても、部員に

とっても有り難いものであり、早速デザイン作成

に取り掛かった。

 まず、美術工芸部の希望者でコンペを実施、

その中で古川礼さん(3年生)が選出された。

古川さんはデザインを考案するにあたり、同窓会

の意向を踏まえるため何度か協議を重ね、同窓会

役員にアンケートを取るなどしてイメージを

固めた。また、校章にもあるフタバアオイを採用

したり、本校に咲き誇るタチアオイも使い、

アルファベット文字も自作しながら渾身の

デザインが完成した。

 新聞記事にも取り上げていただいたが、先日

そのトートバックの完成披露会が開催された。

 新城会長は、「同窓会と生徒がコラボして

作品が出来上がったことを嬉しく感じている。

今後も、より一層生徒支援を充実させていき

たい。」と話してくれました。

 また、古川さんは、「デザインを考案する

のは難しかったが、いい経験をさせていただき

ました。何より同窓会の皆さんに、仕上がりに

満足していただいたのが嬉しかった。」と

笑顔で話してくれました。

 古川さんにとっては、緊張感と不安、そして

納得してもらえるデザインにしたいという様々な

想いを持ちながら、幸せな時間を過ごしたのでは

ないでしょうか。このような機会を提供していた

だいた同窓会の方々に心から感謝申し上げます。

生徒の可能性を引き出すことは、葵高校にとって

大切な教育目標であり、その部分を同窓会に

サポートしていただきました。

 生徒の未来を、生徒自身が見出すことのできる

学校作りをしていきますので、これからも、

温かい目で見守っていただきたいと思います。

 

 

【おがっちBlog85】「全力」球技大会。

 最高の天気に恵まれ、球技大会開催。

 各クラスのTシャツが色鮮やかで、それぞれの

センスが発揮され、見ているだけで楽しくなる。

 競技時間の確保、暑さ対策もあり開会式は放送

で行った。その中で私は、こう話した。

 「皆さん、おはようございます。

 今日から10月です。今年も残り3ヶ月になり

ました。そして、今日は待ちに待った球技大会

です。この大会の運営に携わってくれた運動委員

の皆さん、先生方そして、キミたちの勇姿を記録

に残すため写真撮影をしていただくPTA役員の

方々に心から感謝いたします。

 さて、学校行事はまさに季節を感じる行事だと

思います。10月は、球技大会、修学旅行があり

ます。しかし、各学年によって、この季節の感じ

方はちがいます。3年生の皆さん、今日は皆さん

にとって高校生活最後の球技大会となります。

昨日、3年生の女子と廊下で話しました。

「明日の球技大会で私たちの学校行事、最後なん

ですよね。」と淋しそうに話していたのが印象的

でした。残り半年となった葵での生活を愛おしく

楽しみたいのだと感じました。

 今日からの球技大会を、これまで培ってきた

チームワーク、友達との思い出、そしてたくさん

の笑顔が詰まった時間を思い出しながら、

一瞬一瞬を楽しんでください。この大会は、

結果以上に、これまでの努力や友情を感じる

大切な日です。全力でプレーし、笑い合い、

仲間と最高の思い出を作ってください。

 1.2年生の皆さん、先輩の胸を借り、

競い合う最後の機会となります。正々堂々と

戦い、先輩達の凄さを目の当たりに感じてくれる

ことを期待しています。

 全校生の輝く姿を楽しみに、そして、

それぞれの想いを胸に、2日間全力で楽しみ

ましょう。」と。

 3年生の全力での戦いぶり、クラスの団結は

見ていて気持ちいいほど凄まじい(笑)この姿

こそが、後輩に大きな影響を与えるてくれると

思う。進路目標達成に立ち向かう覚悟を潔くする

ために、最高の笑顔で、そしてこの一瞬を全力で

楽しんでいる生徒たちを愛おしく感じた。

 最終試合は、教員チームと各競技優勝チーム

とのエキシビジョンマッチ。本校教員は、生徒に

忖度することなく、全力で戦い、大人の壁を

見せつけようと必死だったが、残念ながら

心と身体のアンバランスを見せつけただけで

あった。 (´;ω;`)ウゥゥ

  いずれにしても、素敵な2日間になった。

 平日にもかかわらず御協力をいただいた、

PTA役員、広報委員会の方々に、心から感謝

申し上げます。 

 

 

 

【おがっちBlog84】雨の会津まつりが繋いでくれたもの。

 今年の会津まつりは、雨。 早朝の天気予報を

見る限り、「今年は中止だな」と残念な気持ち

でいたが、通常開催の決定。

 会津若松市、なかなかである。

 しかし、学校へ向かう道すがら、傘を差し

鶴ヶ城へ向かう家族、年配の夫婦、そして

インバウンドの方々の嬉しそうな様子を見て、

この日を楽しみに全国、海外から会津を訪れた人

地元でこの日を大切に考えている人がたくさん

いることを思うと、雨=中止と簡単な判断は

できないんだろうと思った。

 学校へ向かったのには訳がある。それは、本校

舞踊部が出陣式で娘子隊演舞を行う為、同行した

のである。 今回の会津まつりで舞踊部の担当を

してくれたのは、市役所の女性職員で、話をする

と葵高校としての1期生であることが分かった。

とても感じがいい方で、後輩が悪天候の中でも、

練習の成果が発揮できるようにと様々な気遣いを

してくれた。その気持ちが、繋がりが嬉しく感じ

た。 舞踊部の生徒も、私が思うほど雨など気に

する様子はない。「自分たちのやるべきことを

やるだけ。」と強い意志を感じた。そんな中、

演舞の前に、控え場所で隣になった出陣式の

関係者が声を掛けてきた。「毎年、葵高校の

演舞を見ると先人の想いが伝わり、涙が出る

んです。」と気持ちを伝えてくださった。

 部員達の覚悟が、その演舞が、会津の歴史に

思いを馳せる人の心を動かす。ここでも、人と

繋がった。

 今年も会津まつりに参加していただいた

綾瀬はるかさんは、出陣式の挨拶で

「雨が降っているけど、さすけねえか?

(大丈夫ですか)」と会津弁で参加者を気遣い、

「目いっぱい楽しんで最高の1日にしましょう」

と呼び掛け拍手を浴びていた。新聞の記事には

「綾瀬さんが毎年参加してくれるのは感謝しか

ない。そのおかげで会津にこれだけの人が来て

くれている。」と書いてあった。大河ドラマ

から繋がった会津との縁を綾瀬さんは今でも

大切に繋いでくれている。

 そして、その夜は、前日中止になった

「会津磐梯山踊り」が実施された。私は、

同窓会の方々から教わった「会津磐梯山踊り」を

踊っている人々が見たくなり、神明通りに足を

運んだ。きっと踊っている方の中に、同窓生の

方もいるんだろうなと思いながら見ていると、

本校男子生徒の何人かが、別々の場所で

「校長先生!」と声をかけてくれたのである。

 嬉しかった。とっても。

 多くの人の会津に対する想い、その想いが形に

なり、本校生徒を含めた様々な人の繋がりを生み

出し、会津が忘れられない場所となる。

 雨の会津まつりが様々な繋がりを感じさせて

くれた1日。それは、秋の気配を感じた、

爽やかな1日になった。

【おがっちBlog83】「見えない力」を育む。

 キミたちは、「見えない力」という言葉を聞い

たことがあるだろうか?実は今、教育界において

「見えない力」が注目されつつある。

 「見えない力」があるということは「見える

力」があるということ。それぞれの説明を

ベネッセ教育総合研究所の岡部主任研究員が

わかりやすく説明している。

 「見える力」=知能検査や学力テストで測定

される力。これを認知能力と呼ぶ。

 「見えない力」=自制心や好奇心、協調性、

やりぬく力などの情緒や社会性に関する能力。

これを非認知能力と呼ぶ。

 ということだ。なぜ、この「見えない力」が

注目されているか。それは、非認知能力は、より

よい人生を送るために必要な資質・能力として

必要であり、幸福度の向上や身体的健康の増進、

反社会的な行動の減少など、生涯にわたって

大きな恩恵をもたらすことが、様々な研究に

よって明らかになっているからである。

 さて、本校のグラデュエーションポリシー

(卒業までに、このような生徒を育てます)に

目を向けると、「自立・自学の校訓のもと、

主体的に考え、判断し、行動できる人材を育成

する。」である。

 このポリシーは、まさに「見えない力」、

非認知能力そのものであることがわかる。

先生方は、その「見えない力」がどのように育成

されたかを知るために悩む。「見えない力」を

見える化しなければならないのである。

 実はそのために、本校には「葵高生が身につけ

たい10のチカラ」を明記し、そのチカラを

見える化するためのルーブリックが存在する。

校内の至る所にこのルーブリックが貼ってあり、

これにより、キミたち自身が、そして先生方が

日々の振り返りによって、自己認識と自己調整が

可能になると考えている。

 改めて、このルーブリックを見直してみて

ほしい。きっと、葵高校の生活の中で自然に身に

ついている、キミたち自身の「見えない力」が

見えるのではないだろうか。

 キミたちには、「見えない力」を見える化

する。つまり、今の自分をもう一人の自分が

客観的に見られる能力を身につけてほしいと

思っている。

 

 

 

 

【おがっちBlog82】「未見の我」を見つけ出すためには?

 以前にもこのblogで書いたことがある。

「未見の我」とは、未だ出会ったことのない自分

という意味である。そのためには、様々な経験や

人との関わりの中で、新たな自分を見いだすこと

ができるのだと思う。

 先日、本校生徒が、会津支援学校で開催された

「ボランティア学習会」に参加してきた。この

学習会の趣旨は、この学校に通う生徒の保護者が

子育ての中の様々な経験談を話すことで、障がい

のある子どもたちへの理解の輪を広げるとともに

障がいに応じたサポートが重要であることを伝え

たいというものである。本校生徒を含めた会津

市内の高校生11名が参加し、障がいのある子ども

たちに対する理解が広まったようである。

 参加した生徒の感想には、

・自分の知らない考え方がたくさんあり、新しい

発見があった。

・お母さんたちは、大変ではあるが嫌だとは

思っておらず、ポジティブで明るくすごいと

思った。

・お母さんたちの言葉に感動した。実際の事例を

見て考えることで、具体的にどんなことをしたら

いいのかわかった。

・これからも積極的に関わっていきたいと思った

し、みんなにも障がいについて知ってもらいたい

という思いが強くなった。

・父親が携わった職業だからという気軽な気持ち

で参加した会だったが、将来、障がいをもつ子が

楽しめる社会作りに携わりたいという自分の夢が

広がった。

・小さい頃から障がいについていろいろな動画を

見てきたが、生で触れ合うことは少なかったので

参加できてよかった。

・起業して障がいをもつ人たちの施設などが作れ

たらと思った。

 参加した生徒のほとんどが、今回の経験により

「未見の我」を見いだすことができたのではない

だろうか。継続的に開催している会津支援学校の

関係者各位に敬意を表したい。

 現代社会は、SNSの発達により、多くの

情報を気軽に、一瞬にして手に入れることが

できる。しかし、自らが経験したり、関わった人

から直接話を聞いて感じることの方が、情報に

感情がプラスされ、心に深く刻まれるのでは

ないか。つまり「未見の我」を見いだした喜びも

軽い感覚ではなく、心から新たな自分と出会えた

という感覚に満たされるのだと思う。

 葵高生には、成功経験だけではなく、悩み、

苦しみ、多くの失敗も経験してほしい。そこから

感じる全てが、キミたちの未来に繋がると信じる

からである。そして、そのために、葵高での

日常が存在している事を忘れないでほしい。