校長ブログ

【おがっちBlog84】雨の会津まつりが繋いでくれたもの。

 今年の会津まつりは、雨。 早朝の天気予報を

見る限り、「今年は中止だな」と残念な気持ち

でいたが、通常開催の決定。

 会津若松市、なかなかである。

 しかし、学校へ向かう道すがら、傘を差し

鶴ヶ城へ向かう家族、年配の夫婦、そして

インバウンドの方々の嬉しそうな様子を見て、

この日を楽しみに全国、海外から会津を訪れた人

地元でこの日を大切に考えている人がたくさん

いることを思うと、雨=中止と簡単な判断は

できないんだろうと思った。

 学校へ向かったのには訳がある。それは、本校

舞踊部が出陣式で娘子隊演舞を行う為、同行した

のである。 今回の会津まつりで舞踊部の担当を

してくれたのは、市役所の女性職員で、話をする

と葵高校としての1期生であることが分かった。

とても感じがいい方で、後輩が悪天候の中でも、

練習の成果が発揮できるようにと様々な気遣いを

してくれた。その気持ちが、繋がりが嬉しく感じ

た。 舞踊部の生徒も、私が思うほど雨など気に

する様子はない。「自分たちのやるべきことを

やるだけ。」と強い意志を感じた。そんな中、

演舞の前に、控え場所で隣になった出陣式の

関係者が声を掛けてきた。「毎年、葵高校の

演舞を見ると先人の想いが伝わり、涙が出る

んです。」と気持ちを伝えてくださった。

 部員達の覚悟が、その演舞が、会津の歴史に

思いを馳せる人の心を動かす。ここでも、人と

繋がった。

 今年も会津まつりに参加していただいた

綾瀬はるかさんは、出陣式の挨拶で

「雨が降っているけど、さすけねえか?

(大丈夫ですか)」と会津弁で参加者を気遣い、

「目いっぱい楽しんで最高の1日にしましょう」

と呼び掛け拍手を浴びていた。新聞の記事には

「綾瀬さんが毎年参加してくれるのは感謝しか

ない。そのおかげで会津にこれだけの人が来て

くれている。」と書いてあった。大河ドラマ

から繋がった会津との縁を綾瀬さんは今でも

大切に繋いでくれている。

 そして、その夜は、前日中止になった

「会津磐梯山踊り」が実施された。私は、

同窓会の方々から教わった「会津磐梯山踊り」を

踊っている人々が見たくなり、神明通りに足を

運んだ。きっと踊っている方の中に、同窓生の

方もいるんだろうなと思いながら見ていると、

本校男子生徒の何人かが、別々の場所で

「校長先生!」と声をかけてくれたのである。

 嬉しかった。とっても。

 多くの人の会津に対する想い、その想いが形に

なり、本校生徒を含めた様々な人の繋がりを生み

出し、会津が忘れられない場所となる。

 雨の会津まつりが様々な繋がりを感じさせて

くれた1日。それは、秋の気配を感じた、

爽やかな1日になった。