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おがっちBlog

【おがっちBlog46】ある女子生徒の戦い

 先日、新人戦県大会に出場するため、顧問と

共に校長室に挨拶に来てくれた女子生徒がいた。

 3年生が引退した後、たった1名の女子

バスケットボール部員となった生徒である。

 彼女は、大会に出場するため、会津学鳳

高校と合同チームを編成し、見事に地区大会を

勝ち抜き県大会に参加するのである。

 バスケットボールは1チーム5人で戦う競技

であり、日々の練習は男子チームと練習を重ね、

その中で個人のスキルを高めるためのものが

中心になる。チームとして様々な戦術を練習

することはできない。それでも、彼女は練習

を継続してきた。彼女のバスケットボール愛

をだれも止めることはできないのである。

 屈託のない笑顔で「頑張ってきます」と

決意表明をする生徒に、心からのエールを

贈った。

 本心は葵高校の単独チームで出場したいに

決まっている。しかし現実を真摯に受け止め、

自分がやるべきことをひたすら繰り返す彼女の

振る舞いを誇りに思う。顧問も、その生徒に

寄り添い、バスケットボールの魅力を伝え、

顧問としての役割を十分に果たしてくれている。

 私は、彼女に「葵の代表として、存分に

戦ってきて欲しい。来年度1年生が多数入部し、

単独チームが組めるといいね。」と話した。

彼女は最高の笑顔で「ハイ」と言ってくれた。

これが葵の生徒である。「葵プライド」である。

 誰かが言った。

「スポーツの本質は、スポーツを行うことで

様々な理不尽を感じ、それに打ち勝つ強い心を

養うものである。」と。

 必ずや、彼女の想いが報われることを願わず

にはいられない。

 県大会は1回戦見事に勝利。2回戦で敗れた

と本人が報告に来てくれた。今回のプレーの

反省を次に生かしたいという、先を見据えた

言葉が嬉しかった。お疲れ様。

 

 

 

【おがっちBlog45】2024 葵高校始動

 2024の葵高校が始動しました。

 今年最初のBlogは、久々に全校生が参集

して行われた始業式での校長挨拶を掲載

します。

 

 まずは、能登半島地震において亡くなられた

方々に哀悼の意を表しますと共に、被災された

皆さんにお見舞い申し上げます。

 東日本大震災から、13年が経とうとして

いますが、改めて当たり前の日常が一瞬にして

奪われる自然災害の脅威を思い知らされます。

 被災した皆さんが一日も早く元の生活を

取り戻すことが出来るよう皆さんで

祈りましょう。

 改めまして、全校生の皆さん、

明けましておめでとうございます。

 令和6年が、いよいよ始まりました。

君たち1人1人が、どんな思いで新年を迎え

たのか、とても興味があります。

 それぞれの学年によって、今年に向けた

決意と覚悟は違うと思うからです。

 さて、今年は辰年です。

「辰」は12支の中では唯一の架空の

生き物、龍(竜)を意味します。 辰年は陽の気

が動いて万物が振動するので、活力旺盛に

なって大きく成長し、形が整う年だといわれて

います。

 過去の辰年を振り返れば、平成24年、京都

大学の山中伸弥氏は、成熟した細胞をiPS細胞

へと初期化できることを発見しました。

この発見は、再生医療の分野に革命をもたらす

画期的な成果として、ノーベル生理学・医学賞

を受賞しました。

 平成12年には、シドニー五輪が開催され、

女子としては史上初の金メダルを獲得した

女子マラソンの高橋尚子選手や、日本女子柔道

史上初の金メダルを獲得した田村亮子選手など

の活躍で過去最多18個のメダルを獲得しまし

た。

 昭和63年には、世界最長の

全長53.85kmの青函トンネルが

開通しました。工事期間は約24年間にも及び、

これは、日本の土木史上空前のスケールを誇る

仕事でした。

 このように、努力した成果が実を結ぶような

出来事が多く起こっています。これらは、

辰年の「成功の芽が成長し、姿を整えていく」

という傾向の表れかもしれません。

 そして、2024年を迎えたわけですが、

ある雑誌にこんなことが、書いてありました。

『現在の世界情勢や我が国の経済状況、

教育環境の急速な変化、更に、人間関係の

複雑さや、なかなか自己肯定に結び付ける

ことのできない葛藤など、この激動の時代を

生き抜くために、今の日本に強く求められて

いるのは、1人1人の自助努力の精神である。

現在の風潮は、国や自治体に依存する

ばかりで、自分でやればすむことすら積極的

にやろうとしない。

 かつて日本は、「東洋の君子の国」と

言われていた。それは、政治家や特定の

人たちが立派だったからではない。 

国民多くが「自助努力・独立自尊」の気風を

備えていたからである。』と。自助努力とは、

他に依存せず、自分の力で困難を乗り越える

努力のこと、独立自尊とは、自他の尊厳を

守り、何事も自分の判断、責任の下に行うと

いうことです。

 この文章を読んだとき、私自身も

「確かに」と、感じることができました。

君たちはどうだろうか?

「自助努力・独立自尊」は、これからの

キーワードになるかもしれません。

 本校のグラヂュエーション・ポリシー

つまり、卒業までにこのような生徒を育てます。

という目標は、「自立・自学」の校訓の元、 

主体的に考え、判断し、行動できる人材の育成

です。

 葵高校は、今年、「自助努力・独立自尊」と

同じ意味を持つ、このポリシーを達成する

ために、君たちに寄り添い、共に学び、人間力を

向上させながら進んでいきます。

 3年生の諸君は、高校生活最後の学期と

なります。そして、共通テストはこの週末に

実施されます。進路目標実現の為に挑戦を

続けている人は、これまでの自分の積み重ね

を信じ、最後まで粘り強く取り組んでください。

既に進学先が決まっている人は、一般受験の

入学者に負けないよう、時間を有効に活用し、

学力向上は勿論、専門分野の本を読んだりする

など、自分を磨いてください。

 また、就職が決まった人は、社会人としての

生活に入る、心の準備をしてください。

3年生全員が、残り少ない、ここ葵での生活を

有意義に過ごし、有終の美を飾り、巣立って

いくことを、心から願っています。

 2年生は、最高学年になります。

諸君にとって今年は、学習や部活動の面で

結果が求められる年になります。

 学校行事や部活動では、リーダーとしての

役割を期待しています。また、進路目標の達成

に向け、本格的に始動する時期でもあります。

いずれにせよ、準備に早すぎるということは

ありません。進路資料として配付される

「葵の軌跡」(明日への道標)を、諸君の

進路指導バイブルとして、有効に活用する

とともに、何事にも積極的に取り組んで

ください。期待しています。

 1年生は、学校にも慣れ、高校生としての

生活のリズムもでき上がったと思います。

諸君にとって、今年は学習や部活動の面で

力を蓄え、大きく飛躍・成長することが期待

できる時期です。また新年度になれば、先輩

となり、中堅学年としての役割が求められる

ことになります。諸君には、自分を見つめ

直し、自ら目標を見つけ、何事にも自発的に

取り組むことを期待しています。

 結びに、君たち1人1人が、1日1日を

大切に過ごし、「自助努力・独立自尊」の

気持ちを忘れず、「葵プライド」を持つ

ことで、葵高校が活気に満ち溢れることを

心より期待しています。

 全校生が笑顔で、前を向き、新たな葵高校を

作り上げるにふさわしい一歩を踏み出せるよう

祈念して、挨拶とします。

 

 本年も葵高校を、何卒よろしくお願い

いたします。

【おがっちBlog44】2023 今年の一文字

 激動の2023年も残りわずか。

 今年最後のブログは、私の今年を振り返り

その想いを一文字で表してみたいと思います。

 スッと思い浮かんだのは「会」という漢字

でした。教職生活で、初めて「会津」地区に

赴任し、多くの方々と「出会い」、「会話」

から様々なことを学ぶことができました。

 しかし、常に「会心」の笑みが出来た

わけではありませんでした。来年への課題です。

 そんな中でも、「会心の友」に成り得る人物と

「出会え」たことは、私にとって来年の希望と

なりました。

 さて、皆さんは、会津地方に、「会津三泣」

という言葉があるのをご存じですよね?

 会津の人の“気質”を表したとされる言葉で、

その意味は、会津に来た人は、初め会津の人の

「よそ者」に対する厳しさに泣き、2回目は、

会津の人の温かな心と人情に触れて泣く。

そして3回目は、会津を去るときに離れることの

つらさに泣くというものです。

 会津の人が持つどこか少しとっつきにくい

性格(勿論、全ての人に当てはまる訳では

ありません)と、一度仲良くなってしまうと離れ

がたくなるほどの深い人情を表した言葉です。

 そんな私は赴任してから、1回目の泣きを

経験することなく、過ごさせていただいて

います。出会った方々は皆さんとても優しく、

広い心で接してくれます。そして、

嬉しいことに、既に2回目の泣きを

経験しています。

 葵の生徒、保護者、教職員、同窓会、地域の

方々に支えられ 、温かな心と人情に触れて

います。ただ、会津の寒さに、私の心身は

大きなダメージを受けそうで、今から少々不安

です。(笑)

 

 「縁尋機妙(えんじんきみょう)

  多逢聖因(たほうしょういん)」

これは、安岡正篤師(哲学者、思想家)の言葉

です。良い縁が良い縁を呼んで発展していく

さまは、まことに妙なるものがあり、良い人に

交わっていると良い結果に恵まれるという

意味です。

 今年1年、この言葉を改めて噛みしめる

私にとっては大切な年になりました。

 生徒諸君、そして葵高校に関わる全ての

方々が、優しさと希望に溢れた年になる

ことを祈念しています。

 ありがとうございました。

 来年も、何卒よろしくお願いいたします。

    【関漆器店 蒔絵年賀状 青龍】

 

 

 

【おがっちBlog43】2学期 終了

 暑さと感染症に悩まされた2学期が無事終了

した。最近の急激な寒さとインフルエンザに

よる欠席者の増加を踏まえて、放送での終業式と

になった。

 今回は、その中での校長挨拶を掲載したい。

 

 まずは、全校生が大きな事故や事件に巻き込ま

れず、2学期の終業式を迎えられたことに安堵

しています。

 私は、学校という場所は生徒の安全安心が第一

であり、その環境が確保できて、はじめて教育が

成立すると考えています。

  実は、前任校で、生徒の命が奪われるという

信じられない事態を経験しています。交通事故

でした。その生徒は、とても明るく、将来美容師

になりたいという夢を持っていました。

 私とも元気に挨拶をし、クラスの中心人物と

して楽しい学校生活を送っていたのですが、

全てが一瞬にして奪われました。親族は勿論、

親友、クラスメイト、部活動の仲間と、多くの

人が想像を絶する悲しみと、喪失感に打ちのめ

され、学校全体が悲しみに包まれました。

 これは、学校生活の中で起こったことでは

ありませんでしたが、将来の夢を叶えるために

高校生活で多くのことを学んでいた、大切な

生徒を失うことは、私にとって耐えがたい事実

を突きつけられました。

 そのような経験もあり、君たちに何事もなく、

2学期を終えることができたことを安堵して

います。

 我々人間は、当たり前の日常を過ごせる

ことが奇跡的で、どれだけ感謝に値すること

なのかを忘れがちです。家族や友達との会話、

試験結果での一喜一憂、部活動での喜びや

挫折、その全てが生きていることの証です。

この2学期、君たちはこの当たり前の日常を、

どんな気持ちで過ごしてきましたか?

コロナ感染が不気味に継続し、異常な暑さに

耐え、熱中症に気をつけながら、延期に

なった体育祭でクラスの絆を強固なものとし、

部活動では3年生はやり遂げた充実感や

悔しさが残る生徒もいるでしょう。そして

1・2年生は3年生の引退を目の当たりにし、

先輩の偉大さを痛感すると共に、これからの

自分たちの責任に不安を覚え、修学旅行では、

非日常的な経験を通し一生心に残る思い出を

作り出せたのではないでしょうか。

 また、3年生は、既に就職内定や大学に

合格した人もいますが、多くの生徒諸君は、

今、人生の岐路に立ち、戦っています。

 君たちが葵を選び、入試を勝ち抜き、

当たり前に生活しているこの時間に

生きている実感はありますか?

 切磋琢磨できる友達ができ、その絆を深め、

その時間に彩りを与えて貰っている人、

部活動や様々なコンクールで結果を出し、

未見の我をいくつも見出した人、

何をやってもうまくいかず、

自己嫌悪に陥り、辛い日々を過ごした人、

家族や先生、仲間と対立し、自分を見失って

しまった人、君たち一人一人が、全く違う

時間を過ごし、自己肯定感を確立したり、

もがき苦しみ、それでも前を向いて

生きてきたのではないでしょうか?

 そんな中、私はこの2学期に多くの生徒と

話し、君たちの姿を様々な場面で確認し、

感じることが出来ました。その感じたことを、

 本校ホームページの私のブログで発信して

きました。やはり、記録に残しておくことは

大事であることを改めて感じました。それは、

その時感じた気持ちを忘れずにいることが

出来るからです。

 2学期以降のブログには、図書館で新たに

開始された本の検索サービスのこと、

1学年通信「きらり、光る」の内容、

家庭クラブの活動や、舞踊部の会津まつりに

おける演舞、合唱部の東北大会参加について、

そして、福島県短歌祭で歌人会 会長賞を

受賞した件について掲載しました。

 「思春期の 弟に作る お弁当 

 ぼそっと聞こえた いつもありがと」

その光景が目に浮かぶ、素敵な歌です。

 また、修学旅行で特に印象に残った

「西雲院(さいうんいん)」について、

県家庭クラブ研究発表会で最優秀賞を受賞した

こと、これは18年ぶりの快挙となり嬉しかった

ですね。更に、プロのヴァイオリニスト

竜馬さんが音楽の授業に講師として来校して

くれたこと。3年生が受験許可のために校長室に

来ることを成長の証と感じていることなど、

掲載してきました。

 それぞれの場面で「葵プライド」を存分に

発揮している君たちが、私の誇りであると

共に、君たちとの関わりから、生きる力を

もらっています。そして、葵高生の多くが、

日々、様々な感情と向き合い、たとえ

辛くても、一日一日を積み重ねて2学期を

乗り切ることができたのではないかと

感じています。

 これからも、君たちにとって

かけがえのない時間を大切に、大切に使って、

自分が納得できるまで、生きて、生き抜いて

欲しいと思います。

 君たちをはじめ、葵高校に関係する全ての

皆さんが希望に満ちた、新たな年を迎えられる

ことを心から祈念し、終業式の挨拶とします。

 

【おがっちBlog42】もし、自分の作品が県立美術館に展示されることになったら。

 本校の美術科教諭は、なかなかおもしろい

人間であり、私も美術の授業の概念を一掃

され、新たな刺激を受けている。

 その教諭は授業で「勝手に美術館応援

プロジェクト」という単元を設け、美術館と

コラボして作品を創り、美術館に展示して

もらっているのである。

 これは、県立美術館のコレクションをもとに

した「ぽけっとアート」というカードを利用し

シルクスクリーンという技法を用いてマルシェ

バッグを作成するという授業である。

 そして、作成したバックを実際に使用すること

により歩く広告塔となり、美術館をアピール

するという、まさにwin-winの授業と

なったのである。

 生徒の作成したバックは12月27日(水)

まで県立美術館エントランスホールに展示

されている。先日、私も足を運んだが、

マリノ・マリーニの彫刻「騎手」と同じ空間に

展示されている32点のバックを見て、

何とも言えない気持ちになった。

 1人の教諭の発想が、生徒の能力を

引き出し、美術館とのコラボを可能にし、

展示されるに至るのである。

 団体展での入賞や美術館が独自に企画した

展覧会に招待されるのではなく、授業の一環

として作成した作品が県立美術館に展示される

ということは、生徒にとって、通常では

体感できない喜びを感じるに違いない。

 県立美術館は福島市内にあるので、なかなか

行くことは難しいと思うが、都合がつく方は

是非、素敵な時間を過ごして欲しい。

 なお、この内容については、

福島県立美術館

(@fukushima_kenbi) · Xでも、

紹介されていますので、御覧下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog41】ある帰り道のこと。

 この時季になると夕方17時には、

既に暗くなっている。更に会津の冬は、

寒さも加わり、生徒たちには帰り道、

様々な状況が想定され、気をつけて

欲しいと願う。

 そんな中、私が車で帰路に就いている途中、

こんなことがあった。

 交差点を右折しようとする為、信号機が

変わるのを待っていた。右折側の横断歩道

には本校生徒の男女が楽しそうに話しながら

同じく信号が変わるのを待っていた。

 私は、微笑ましくその光景を見ていた。

 信号が変わり右折するためにゆっくりと

前進した。2人は話しながら横断歩道を

進んできたが、車が止まっていることに

気づくと、2人同時にお辞儀をしながら

走って渡ったのである。そして、何事も

なかったかのように話しながら進んでいった。

 この行動が、当たり前のこととして2人の

身についているとしたら。嬉しい。

 横断歩道では歩行者優先のルールが

あるにも拘わらず、車に待っててもらう

という事に、お辞儀までして走って行く。

 自分のことよりも、相手をおもいやる判断や

行動がいつのまにか自然に身についている。

 人としての在り方や本当の強さ、優しさは

常に誰かに教えられ、指導されてのみ身につく

ものではない。

 親や教師の後ろ姿や仲間との何気ない会話、

多様な経験、憧れや辛い思い出等々、

生活している全ての時間から様々なことを感じ、

考え、行動に結びつけることが、子どもたち

(年齢に関係なく)にはできるのである。

 我々大人の役割は、子どもたちの

その能力を理解し、大切にするとともに、

言葉や行動に、責任を持って

接していかなければならないと

改めて実感した。

  

 

 

【おがっちBlog40】至極の一杯。

 先日、ある先生から

「美味しいお蕎麦屋さんがあるのですが、

もしよろしければ、一緒にどうですか?」

と誘われた。

 蕎麦は好きであるが、その先生が私に声を

かけてくれたことも嬉しかったので、喜んで

出掛けた。

 会津坂下町の民家で営んでる、「由庵」。

御主人は初対面であるにもかかわらず、気さくに

話をしてくれる。その対応が心地いい。

 聞けばその御主人、職業は高校の国語教師

だったらしく、「常々、退職後の人生を考えた

とき、自分が好きなことをして過ごしたい。」と

思っていたらしい。そんな時、たまたま蕎麦打ち

の経験をし、「初めはそれほどやる気はなかった

が、上達していくにつれ、ハマってしまった。」

という。

 そこからの拘り具合は半端なく、拘り抜いて

今に至るのだそうだ。

 保健所から認可を受けた蕎麦打ち場所を

拝見し、食事場所へ案内される。

 日常生活で食事をしているという

その場所は、既に準備が整っていた。

 そばつゆは、薬味のからし大根と

わさび用の2つ準備してあった。

 急激にお腹が空いてきた。

「地物のわさび、たまたま手に入ったんだよ。

これで新蕎麦食べれるなんて、贅沢だよね。」と

鮫皮おろしで、そのわさびをおろしながら

ほほ笑む。

 茹であがった蕎麦を、流水でぬめりを落とす

ために水を入れ替えて(半分の水)、2度の

もみ洗い。そして丸いざるへ。(丸いざるにも

拘っている)

 更科蕎麦がこんなにも輝いて見えたのは、

初めてだ。白く光っているのである。

 先ずは、わさび入りのそばつゆで頂く。

香り、味、喉ごし。全てが絶妙のバランスで

美味しい。なんとも言えない幸福感で心身共に

満たされる。からし大根も、ひけをとらない。

 まさに、至極の一杯とは、このことか。

 「拘る」ことは、未見の我を見つけ出す為に、

必要なことなのだ。

 この御主人、拘ることに拘り、コーヒー、

緑茶、もやし炒め、だし巻き卵、そして、

自分で身につける袢纏にまで、拘りだして

いる。

 文化は、人生を豊かにするための一つの

ツールであるが、その選択は人それぞれ。

どのようなきっかけであれ、ハマったもん勝ち

であることに間違いはない。

 最後まで、御主人の話は尽きることが

なかった。そして、自分の人生を大いに

愉しんでいる姿が羨ましくなった。

 素敵な出会いに、感謝。 

  

 

 

 

【おがっちBlog39】成長の証。

 3年生は、進路目標を達成する為の戦いが

始まっている。 私は、それぞれの進路先への

受験のため、校長室へ許可をもらいに来る

生徒と向き合う時間が好きだ。

 生徒たちは、85センチ(Blog8を参照)

の入り口の前で呼吸を整え、緊張感の中でドア

をノックする。中には、緊張感を全く感じさせ

ない生徒もいるが…笑

 ほとんどの生徒が校長室に入ることは、

3年間でこの時位ではないだろうか。

 目と目を合わせ、一呼吸置いて、生徒が

許可をもらう為に、説明を始める。

 説明が終わり、許可願いの文書を受け取って

から、私は生徒に質問をする。

 その進路先の後に、どんな職業に就きたいの?

 その職業を目指したいと思ったきっかけは?

 どうして、この大学(進学先)を選んだのか?

 保護者は、背中を押してくれてる?

 試験内容は?

 その為の指導を、誰に受けているの?等々

 全ての生徒の受け答えを聞いていると、

是非合格して、未来への一歩を踏み出して欲しい

と願いたくなる。そう思わせる程、生徒たちの

強い想いが私に届く。

 文書に押印をし、生徒に返す。

 様々な経験や出会いを重ね、

自分のやりたいこと、夢を見つけ、

その想いを保護者に伝え、

その夢の実現のために勇気と覚悟を持って、

進みはじめた生徒を誇りに思う。

 そして、誰に対しても目を逸らすことなく、

自分の気持ちを真っ直ぐに伝える事ができる。

 それは、とっても難しいこと。

 当たり前に、できることではないんだよ。

 生徒一人一人の成長の証である。

 その姿を目の当たりに出来る、

この時間が私は好きだ。

 

【おがっちBlog38】ある朝の出来事。

 本校では、現在でもインフルエンザ感染者

とコロナ陽性者が何名かおり、体調不良の

生徒が早退することもある。

 そのような中、先日体調不良で早退しよう

としていた生徒に声をかけた。

「期末考査前なんだから、ゆっくり休んで

体調を整えるんだよ。」

「はい、わかりました。」と言って、家路に

就いた。

 次の週から期末考査が始まり、考査2日目

の朝、その生徒と廊下ですれ違った。

 「おはよう。体調どうかな?」

 「おはようございます。喉の調子はイマイチ

ですが、何とか大丈夫です。ご心配いただいて、

ありがとうございます。」と話し、微笑みながら

教室へ向かっていった。

「ご心配いただいて、ありがとうございます。」

自然に生徒から出たその言葉が、心に残った。

 自分が高校時代に、ここまでの返事ができた

とは思えない。どうして、こんな素敵な言葉を

自然に発することができるのだろう?

 私は常々、生徒たちと接する中で、このような 

感覚を覚えることがある。

 18歳で成人となる高校生ではあるが、

まだまだ成長の途中である。しかし、大人と呼ば

れる我々が、彼らから気づかされることが多い

ことも事実である。

 葵高生との関わりは、私自身を振り返るために

必要な、かけがえのない時間である。

 

 

 

【おがっちBlog37】憧れるのをやめましょう!

 「憧れるのをやめましょう!」

 この言葉は、大谷翔平選手が2023ワールド 

ベースボール クラッシックの決勝、アメリカ戦

直前に日本選手に語りかけたものである。

 憧れの人物がいることは素晴らしいが、

今回の場合、その気持ちを持つことが、

勝つんだと言う気持ちの壁になることを

払拭した、名言だと感じた。

 大谷選手は、今年、野球の聖地アメリカ

大リーグで2度目の最優秀選手となった。

(因みに、大リーグで最優秀選手になった

日本人は、イチロー選手と大谷選手しか

いないし、2度の獲得は大谷選手のみ)

 この快挙にアメリカのニューズデー紙の

エリック記者は、大谷選手に関する最大の

賛辞は、選手たちからの声だと話す。

 メジャーで戦う選手たちが同世代の選手に

畏敬の念を抱くことは凄いことだが、他の選手

たちが大谷選手について語っている声を聞くと、

まさに全員が畏敬の念を抱いている。

 そのような選手はごくわずかであり、その中

でも、大谷選手への尊敬の気持ちはップなのだ

そうだ。

 また、大谷選手の花巻東高校時代の恩師である

佐々木洋監督は、

 大谷選手が「目指していること」と「そのため

にやらなければならないこと」を一致させ、

夢を遙かに超えて実現していく。彼は子どもたち

にグラブを与え、更にこれからは夢を与えていく

ことだろう。

 運命を決めるのは、今までの「歴史」ではなく

その人の「選択」であり、「決断」だと思い知ら

される。

 と語っている。

 葵の諸君、君たちのたった一度の人生、

どうか、この葵で仲間を増やし、刺激し合い、

たくさんの経験から、悩み、苦しみ、考え、

そして決断、行動できる人間になってみないか。

 自分自身を認める為に。

 自分自身を愛する為に。

 自分自身で生き抜く為に。

【おがっちBlog36】『竜馬』さんが葵にやってきた。

 千葉県出身のヴァイオリニスト竜馬さんを、

本校音楽の授業に講師として招聘し3年が経つ。

 生徒の目の前で、プロのヴァイオリニスト、

それも、NHK大河ドラマ「龍馬伝」、映画

「ALWAYS三丁目の夕日」「嫌われ松子の

一生」等、ゲーム「ファイナルファンタジーX」

等々に関わった方が奏でるのである。

 生徒たちの心にその音楽は、どれだけの衝撃を

持って、届いたのだろうか。

 私も、何度か拝聴させていただいたが

「目をつむって聴きたい、体中に染み渡る感覚」

「感情が高ぶられ、涙腺を刺激する」

「音楽から、その情景が目に浮かぶ」…

 音楽担当の長谷川先生と竜馬さんが偶然に

出会い、「是非、生徒にも聴かせたい」という

先生の依頼を、快諾してくださった事により、

今に至るのである。

 長谷川先生は、「教えることだけなら、県内の

方に依頼すればいいが、竜馬さんのLIVEの空気感、

臨場感を直接生徒に感じてもらいたい。そこから

生徒たちは、今まで経験したことのない感覚を

得ることが出来る。」と断言する。

 多くの生徒は、その奇跡の授業を受けた後、

竜馬さんの前に並び、握手とサインを

してもらう。その気持ちは十分に理解できる。

 また、竜馬さんと話をすると、決して今に満足

することなく、常にその先を見据えて、自分が

何をしていきたいかを考えていることがわかる。

プロのヴァイオリニストとして成功を収めながら

エンターテイメントを通して子どもたちの心の

育成を目的とする会社を立ち上げ、地域活性活動

や慈善事業にも積極的に参加し、独自のやり方で

社会貢献の一役を担っているのである。

 そんな生き方をする竜馬さんから、生徒だけで

なく、我々も学ぶべき事は多い。

 どんなツール使っても、人の感情を揺さぶり、

気持ちに大きな衝撃を与えることができる人には

共通点がある。

 それは、成功と苦い経験から得た揺るぎない

「自己肯定」ではないだろうか。

 竜馬さんのこれからの活躍を祈念すると共に、

葵高生との繋がりも継続させていただきたい。 

 感謝!!

 

 

【おがっちBlog35】18年ぶりの快挙達成!!

 福島県高等学校家庭クラブ連盟が主催する

研究発表大会で2年5組の遠藤結衣さんが、

ホームプロジェクトの部で最優秀賞を受賞した。

 この大会は、今年度で第71回を迎える歴史

ある大会であり、本校にとって18年ぶりの

快挙となった。

 ホームプロジェクトの部というのは、個人

研究であり、会津地区予選を勝ち抜き、会津を

代表して県大会に挑んだ結果であった。

 先日、顧問の須賀先生と発表のサポートを

してくれた同じクラスの菅山さくらさんと共に、

校長室に大会報告に来てくれた。

 遠藤さんの喜びに満ちた笑顔は輝いていた。

 今回の発表は、

「野菜が食べたい!! ~野菜嫌い克服チャレ

ンジ~」という題である。この題にした理由は、

遠藤さんの住む地域は、稲作を中心とした農業

が盛んで、美味しい野菜や果物が沢山採れる。

しかし、遠藤さんの家族は野菜を好まず、

食卓には肉や魚が多く、野菜があまり並ばない

そうだ。そこで、遠藤さんは、自分が大好きな

野菜料理を食卓に並べたいと思い、この題と

なったそうだ。

 この研究を進める為に、計画を立て、実態

調査①、実践①、中間評価から改善点を見つけ

出し、実態調査②、実践②を行い、まとめと

今後の課題を明確にするまで集中して取り組み、

この度の受賞となった。

 遠藤さんは、今回の研究を通して様々な発見

があったと話してくれた。

 調理法や野菜の形状を工夫することで食べ

やすくなること。時短料理も出来るように

なったこと。更に、タレの効果や災害時に

役立つ調理法も身についた。そして何より、

家族との繋がりを強く感じることが出来た

そうだ。

 家族との何気ない日常生活の中から課題を

見つけ出し、家族を想って改善策を考え、

家族の豊かな食生活を実現させた。

 まさに、本校のグラヂュエーションポリシー

(卒業までに、このような生徒を育てます)を

体現してくれたと嬉しく感じている。

 そして、須賀先生、菅山さん、家庭クラブの

仲間と、多くの人たちからサポートを受けた

遠藤さんのこの受賞は、「葵プライド」を象徴

するものになった。

 この研究は、本県を代表し、来月宮城県で

開催される東北大会に進むことになり、

結果次第では全国大会である。

 乞うご期待!!

  左 菅山さくらさん  右 遠藤結衣さん 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog34】西雲院(せいうんいん)②

 鶴ヶ城天守閣の側で、あの日の出来事を

思い出す。

 我々は、會津藩士の供養をしたいと思い

西雲院を訪ねた。鳥の囀りと暖かな日差しを

受け、ひっそりとした場所に佇むその墓地は、

松平容保公の石像に見守られように建墓されて

いた。

 花を手向けようとした時だった。なんと

西雲院の住職 橋本周現様が、現れたのです。

 会津の高校から供養に訪れたことを知り、

お忙しい中、我々の前で、供養のためのお経を

唱え、御焼香までさせていただいた。

 住職は、お経の後、

「わざわざ、この場所を訪れて頂き、ありがとう

ございます。新島八重さんの故郷ですよね。」

 と発せられた。その後

「この墓地は、幕末に松平容保公が京都守護職に

任ぜられ會津藩士千名と共に入京しました。

 当時の京都は暗殺と強奪が日常化していました

が、會津藩士の目覚ましい活躍で治安は回復され

ていきました。しかし、藩士の中で戦病死する者

が続出したためここに墓地が整備され葬られたの

です。その後、鳥羽・伏見の戦い等で亡くなった

352霊を合祀しています。」

 という話をしてくださった。

 そして、新島八重さんも、よくこの場所を訪れ

供養してくれたそうだ。また、会津の方々が来れ

ば、ここに案内し一緒に記念写真を撮っていたと

いうと貴重な話をしてくださった。

 お忙しい中対応してくださった住職は、最後に

我々一人一人に御守りをくださった。

 この御守りは、會津墓地を約80年見守った

ミズナラの材で作成した、腕輪念珠御守りで

ある。

 松平容保公が入京してから約160年。

 目の前にある鶴ヶ城天守閣を想う気持ちに

新たな感情が加わった。

 今回の修学旅行の目的の一つに、

「史跡や文化遺産、地域に息づく風土、

伝統産業、人々の暮らしなどを肌で感じると

ともに、あらためて日本文化の歴史や伝統に

ついて考える。」とある。

 生徒たちは、この修学旅行で、何を感じ、

何を想い、いくつ未見の我を見つけ出す

ことができただろうか?

 

【おがっちBlog33】西雲院(せいうんいん)①

 10月22日から3泊4日で本校2学年修学

旅行が実施された。私も団長として、生徒と共に

奈良、大阪、京都へ出掛けた。

 天候にも恵まれ、旅行行程も順調にこなし、

生徒一人一人の自覚によって、この旅行の目的を

果たすことができたと感じている。

 多くの見学地を訪れて見識を深めたが、私が

最も意義ある場所と感じたのは、京都市左京区

黒谷にある、「浄土宗大本山 金戒光明寺 

山内 西雲院」である。

 この院を私は初めて知った。京都ガイドにも

掲載されているのは少ないのではないだろうか。

この院のパンフレットには「浄土宗の開祖

法然上人由来の『紫雲石』、會津藩士をとむらう

『會津墓地』など、聖なる史跡が、季節の花々に

包まれて歴史を今に伝えています。」と書かれて

いる。

 今回の訪問は、葵の修学旅行において、

葵の地に深く関わりのある、會津藩士の供養に

訪れたいと思ったからである。

 そこで、予想もしていなかった出会いと、

新島八重さんに関する貴重な話を聞くことが

できた。まさに、この場所に引き寄せられた

感じがした。

 

 修学旅行から戻り、私はどうしても「鶴ヶ城」

に行きたいという衝動に駆られ、次の日には

天守閣の側で、ただただ時間を過ごしていた。

 

 次号へ続く!!

 

 

【おがっちBlog32】第71回福島県短歌祭

 福島県歌人会が主催する「福島県短歌祭」に

本校生徒が応募をし、多くの賞を受賞したので

紹介します。

 福島県歌人会 会長賞

 3年3組 田中玲音凪

「思春期の 弟に作る お弁当 

ぼそっと聞こえた いつもありがと」

 田中さんがお弁当を作っているように

感じます。そして、ぼそっと「いつもありがと」

と言われたけれど、後ろを向いているので、

振り向かず、そのままニコッとしている田中さん

の笑顔が思う浮かびました。

 優しい兄弟ですね。

 

 福島県短歌祭実行委員会 会長賞

 3年2組 大島弓佳莉

「白黒の 銀盤見つめ 深呼吸

私を照らす スポットライト」

 この歌は、今年の校内合唱コンクールで伴奏を

した大島さんの心境でしょうか?

 きっと大島さんはピアノに親しむ機会が多く、

弾く前のルーティーンを表した歌と想像します。

そして、スポットライトを浴び、「いくぞ」と

いう気合いと緊張感が伝わってきます。

 

 福島民報社賞

 3年2組 伊藤 柚葉

「取り返す コロナが奪った 青春を

高3にして 初の体育祭」

 まさに3年生は、コロナに振り回された学年

でした。 その悔しさと、体育祭が行われた喜びが

見事に表現されている歌ですね。

 確かに、体育祭での3年生の盛り上がりは最高

でした。

 どんな状況でも、しっかりと向き合い、それでも

自分がやれることに、直向きに取り組んだ3年生を

心から誇りに思います。

  そのほか、

 福島民友新聞社賞に 3年3組の伊藤 茉緒、

そして3名の生徒が佳作を受賞し、

今回「学校賞」をいただきました。

 今回もまた、本校生徒の持つ計り知れない能力

と才能の一端を垣間見ることができました。

 最後に、着任当時からの私の心境を

「葵の地 自分に何が できるのか

何をするのか 覚悟し進む」

 

【おがっちBlog31】「私たちは、伸びる芽」

 合唱の東北支部大会が秋田で開催された。

 この大会には本校合唱部をはじめ、東北各県

を勝ち抜いた35校が参加した。

 結果は銅賞で、残念ながら全国大会への出場は

叶わなかった。しかし、歌い終わった16人の部員

達からは、やり遂げる事が出来たという達成感を

感じることができた。

 部長の金田美胡さんは、「今まで大変な事が

多かったけど、今はみんなで乗り越えてここまで

来れたので、何の悔いもありません。」と笑顔で

話した。

 顧問の桜先生は、「全国大会に出場したい

けれども、それだけが大切なのではなく、

合唱部で経験した全ての事が、あなた達の人生

において役立つ時が必ずくる。この経験を

部活動を通してできたことこそ大切なんだよ」

と力強く伝えてくれた。

 まさに、葵高教育の本質を垣間見た。

 このような考えを持ち、生徒に寄り添う教師が

多い集団であることが、これからも本校を進化

させる。

 「私たちは、伸びる芽」

 合唱部のスローガンである。

 部員達は、活動を通して気付くことがなかった

可能性(芽)を見出し、その芽をしっかりと伸ば

した。

 これから、素敵な花を咲かせるに違いない。

 

【おがっちBlog30】娘子隊演舞

 9月23日、会津藩校行列に先立ち、鶴ヶ城で

盛大な出陣式が執り行われた。

 本校舞踊部はその出陣式の中で、演舞を行う

という名誉にあずかった。

 戊辰戦争を戦った娘子隊に扮し、見事に演舞を

披露した部員に心から拍手を送りたい。

 そして、舞踊部に外部指導者として日頃から

御指導いただいている、丸山京子様とお供の方に

感謝申し上げる。

 当日も早朝から駆けつけていただき、衣装への

着替え、入念な準備、そして直前まで「胸を

張って踊りなさい」「内股で踊るんですよ」

「眼鏡を外すのを忘れないように」と細部に

まで、お気遣いいただいた。

 部員たちが大観衆の前で、臆することなく

演舞を披露することは、なかなかできない経験

であり、自信と自己肯定感に繋がる。

 その陰には、会津の歴史に触れ、教え、

その中で生徒の能力を引き出していただける

指導者が存在することを改めて感じた次第で

ある。

 地域の方々に支えられ、見守られている

葵校生が、地域に貢献できる人材として成長

できるよう、我々もサポートして参ります

ので、今後ともお力添えをいただければ幸い

です。

 

【おがっちBlog29】一通の手紙から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皆さんは、このような便箋で手紙をいただいた

ことが、ありますか?

 学校に届いたこの手紙は、封筒の文字から

私の興味を惹き付け、丁寧に封を開けなければ

という感情に囚われ、ゆっくり取り出したのが

この便箋です。

 この手紙は、先日、同窓会郡山支部総会で

お目にかかった、顧問の歌川美沙子様から

頂いた礼状です。

 各支部同窓会総会に参加するたび、

同窓生の方々の母校愛は勿論、上品な振る舞いや

話し言葉、気遣いに、会津女子高校・葵高校

同窓生としての誇りを感じております。 

 この手紙には、支部同窓会総会に校長が

参加してくれたことに対するお礼、同窓会に参加

するのを毎年楽しみにしていること、葵高生徒を

よろしく頼みますという優しい言葉が綴られて

いました。その中で特に印象に残っているのが

「会場を後にした心の中に、絆の糸がつな

がったと嬉しく感じました。」という言葉であり

ます。

 このような有難いお言葉を頂けたことは、

私にとって最高の喜びであり、この職の責務

を改めて感じることとなりました。

 

 葵高校に関わりのある方々との出会いが、

これから新たな歴史を積み上げていく原動力に

なる。

 人と出会い、人に支えられ、人から力を授かり

葵高の明日へ繋げる。

 誠に、やりがいのある仕事である。

 

【おがっちBlog28】中秋の名月

 2023年の中秋の名月は、9月29日です。

 「中秋の名月」とは、太陰太陽暦の

8月15日の夜に見える月を指すようです。

この月を愛でる習慣は、平安時代に中国から

伝わったと言われています。

 葵高校では、この風情を感じてもらうため、

既に名月が出ています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 家庭クラブの生徒が季節ごとの展示をして

くれるのです。

 この心遣いと、日本の風情を自然に感じ、その

素晴らしさに身を置くことのできる、

 

「人」

 

になりたいものですね。

 

 

【おがっちBlog27】きらり、光る

「きらり、光る」これは、1学年通信の題名

です。今回は、その第6号に掲載されていた

詩を紹介します。

 

ひとつの言葉でけんかして
ひとつの言葉でなかなおり
ひとつの言葉で頭が下がり
ひとつの言葉で心が痛む
ひとつの言葉で楽しく笑い
ひとつの言葉で泣かされる
ひとつの言葉はそれぞれに
ひとつの心をもっている

きれいな言葉はきれいな心
優しい言葉は優しい心

ひとつの言葉を大切に
ひとつの言葉を美しく

 

 この詩は、真宗大谷派の伊奈教雄さんの

「風の声・竹の声」の中に掲載されているよう

です。また、詩人 北原 白秋が作成したとも

言われています。更に、山田洋次監督の映画

『男はつらいよ』の舞台「とらや」の額縁にも

この言葉が使われているそうです。

 

 この詩を読んで、何を感じるかは人それぞれ。

 本校生が、自分を見つめ直す機会になる

ことを切に願います。

 先生方は、日常の中のそれぞれの言動、

行動で、君たちに様々なことを考えるチャンスを

プレゼントしています。気づいていますか?

 是非、「葵プライド」に繋げましょう!!