校長ブログ

おがっちBlog

【おがっちBlog51】白波五人男

 「今日、この同窓会新年会に出席してくれた、

白波五人男です。」と発したのは、会津女子高校

・葵高校同窓会顧問の畑 洋子様である。

 2月3日、市内で会津女子高校・葵高校の

同窓会新年会が開催され、118人の参加者で

盛り上がった。

 畑顧問は、乾杯前のお話しの中で、新たな

同窓会を作り上げていくためには、葵高校生、

特に男性の参加者を増やさなければならないと

熱弁した。

 そのような中、新年会には71回卒業の男性

4名が参加してくれた。昨年度に引き続きの

参加であり、私も含めた5名が「白波五人男」

と表現されたのである。さて、「白波五人男」

(しらなみごにんおとこ)という言葉、説明

できる人は少ないのでは?と思う。

 調べてみると、原作は「青砥稿花紅彩画

(あおとぞうしはなのにしきえ)」という

河竹黙阿弥の歌舞伎作品で、白浪五人男とは、

日本駄右衛門(にっぽんだえもん)、

忠信利平(ただのぶりへい)、

南郷力丸(なんごうりきまる)、

赤星十三郎(あかぼしじゅうざぶろう)、

弁天小僧菊之助(べんてんこぞうきくのすけ)

の5人組の盗賊のことで、白浪五人男と

名奉行青砥藤綱の工房を描いた内容の

ようです。白浪五人男の名乗りのシーンが

見せ場であり、特に「知らざあ言って聞かせや

しょう」で始まる弁天小僧菊之助の啖呵は有名。

と、ありました。

 乾杯の場面でこのような言葉を簡単に発する、

畑顧問の様々な分野への造詣の深さには驚かされ

るばかりです。

 今回参加していただいた男性4名には心から

感謝申し上げたい。

 私は君たちが「葵プライド」を継承し、

今でも勉学に励み、社会に貢献している姿を

誇らしく思うと共に、頼もしくて仕方がない。

 是非、同窓会総会、新年会等々に少しずつ

男性同窓生が増えていくよう、力を貸して

欲しい。

 参加してくれて、本当にありがとう。

 それでは、白波五人男を紹介します。

 71回卒業生(下の写真 左から) 

 髙橋和也氏 早川武流氏 校長

 玉川右京氏 大関一輝氏

 

 

 

【おがっちBlog50】校長室掃除

 現在は、2年生が校長室掃除の担当である。

 私は、生徒と触れ合えるこの時間が楽しみで

仕方がない。

 最初は生徒たちも緊張しており、黙々と掃除

をしている。しかし、私はそれに耐えきれず、

話しかける。

 「きみ、何部?」

 「こないだの大会の結果は?」

 「考査どうだった?」

 「休みの日は何してるの?」

 「学級通信、ちゃんと読んでるか?」

 と、生徒たちは、私の質問攻めに遭う。

 生徒たちはとても真面目なので、その質問に

答えながらも、掃除の手は休めない。

 最近、担当しているのは男子でようやく心が

通じ合ってきたのか(!?)、その手を休め、

顔を見ながら会話するようになってきた。

そして、校内ですれ違うときも、短い会話を

するようになり、私の目論見に生徒はまんまと

ハマっているのである(笑) 

 果たして、掃除の時間をこんな時間にして

いいのか、甚だ疑問ではあるが、どうにも

止められそうにない。

 これからも、校長室掃除になる生徒諸君は、

質問攻めに遭うことを覚悟して、嫌がらず

掃除に来て欲しい。

 

【おがっちBlog49】人として

 この時期、私は全ての先生方と面接を行って

いる。その中で、日頃先生方の感じている事や

教育活動について様々な話しを伺うことができ、

校長としては非常に楽しみな時間である。

 面接も終盤に差し掛かかり、先生方と話し、

一人になって暫くすると、ある歌が脳裏を

過ぎった。

 その歌は、海援隊の「人として」

 海援隊というグループを、生徒諸君で知って

いる人は少ないと思う。ボーカルは、武田鉄矢氏

調べてみれば、きっと「この人」って

なるかな??

 そのメロディは優しく、聴く人の心にスッと

入り込む感じがする。そして、その歌詞は、

 

 遠くまで見える道で 君の手を握りしめた

 手渡す言葉も 何もないけれど

 思いのままに生きられず 

 心に石の礫(つぶて)なげて

 自分を苦しめた 愚かさに気付く

 私は悲しみを繰り返す そうだ人なんだ

 人として人と出会い

 人として人に迷い

 人として人に傷つき

 人として人と別れて

 それでも人しか 愛せない

 

 夢を語り合えばいつも 

 言葉はすぐに 途切れてしまう 

 膝を抱えて うつむくことばかり

 鳥のように生きたいと

 夕空見上げて佇むけれど 

 翼は愚かな あこがれと気付く

 私は大地に影おとし 歩く人なんだ

 人として人と出会い

 人として人に迷い

 人として人に傷つき

 人として人と別れて

 それでも人しか 愛せない

 それでも人しか 愛せない

 

 何故、この歌を口ずさんだかは自分でも

わからない。教員という仕事は、「人として」

どうあるべきなのか?最終的には、ここに、

辿り着くのではないか。人との関わりの中で、

様々な感情と向き合い、コントロールし、

なんとかバランスを保つ。教員という仕事に

就きながら、「人として」の在り方を模索し

生きていくのである。

 生徒諸君にも是非、この歌を聴いて欲しい。

 

 

 

【おがっちBlog48】ある外国人から見た日本の素晴らしさ

 会津若松市の人口(2023年4月1日現在)

は、113,386人であり、10年前の人口より

10,233人減少している。これは、1年間で

約1,023人減少していることになる。

その中で、2023年4月の人口動態では、

自然動態が出生46人、死亡165人で119人

の減、社会動態では、転入が661人、転出が

1,149人で転出が488人多く、自然動態と

併せると人口は607人の減となっている。

 そのような中、アメリカの政治学博士

ロバート・D・エルドリッヂ氏が、

「日本人が知らない日本人の素晴らしさ」を

このように話していた。彼自身が日本で33年

生活し、その中で感じた日本の魅力は、

①「郷土愛」

 生まれ育った、それぞれの故郷のためを

思って自発的に協力する姿勢。そのような

郷土愛は、よりよい国を創っていくために

絶対必要である。

②「優しさ・礼儀正しい・自分のことよりも

相手優先」

③「多様性」

 全国各地を訪れると、生活習慣や言葉、料理

など、どこにいっても必ずその地域ならではの

特徴、魅力が存在する。日本人はよく

「全国一律」という言葉を使うが、日本ほど

地域の多様性がある国はない。この地域性が

「郷土愛」にも繋がっている。

④「地域の繋がり、家族の繋がり」

 特に地方では、兄弟姉妹、親戚が近くに住み、

お互い助け合いながら地域や家族の中で歴史・

文化・伝統・生活の知恵がきちんと継承されて

いる。そのような継承が各地域・各家族で

なされているというのは、国や社会の安定、

発展に極めて重要である。

と話し、こうまとめている。

 日本がここまで発展してきた要因は地域の

多様性、豊かな自然、家族・郷土愛、なにより

歴史・文化・伝統をきちんと継承し、その中で

育まれた日本人一人一人の資質、つまり『人』

に在ることは間違いない。

 私は、この会津の地こそ、彼が感じた日本の

素晴らしさを体現できる場所なのではないかと

思う。行政の支援に依存するのではなく、

自助努力を惜しまず、会津にある財産に目を

向け、会津を出て行った若者達、会津を訪れ

て魅せられた人達を含め全会津として結びつけ

ていくことが、会津の地域活性化のためには

必要ではないかと考える。

 本校生徒にも、「葵ゼミ」を中心に、様々な

教育活動を通して、会津の良さを身を以て

感じてもらえるよう学校が関わり、会津活性化

のリーダーとして貢献できる有為な人材を輩出

することこそが、我々の使命であると改めて

感じた。

 

【おがっちBlog47】「もし、自分の作品が県立美術館に展示されることになったら。」の続編

 【おがっちBlog42】に、

「もし、自分の作品が県立美術館に展示される

ことになったら。」というタイトルでBlogを

書いたが、今回はその続編。

 実は、あの展示の際に美術館に来館された

お客様が生徒たちの作品を目にとめ、わざわざ

生徒へメッセージを残してくれていた。

 その中のいくつかを紹介したい。

◯ クスッと笑えたり、なんともおしゃれ。

 発想が素晴らしいね。ぜひ、県美(県立

 美術館)のエコバックとして商品化して

 欲しいな。

◯ 1つ1つが個性的でどれも「県美が

 気になる!」作品ばかりでした。こんな

 個性や才能を持った高校生達が地元にいる事

 を知って、嬉しく、楽しく、明るい気持ちに

 なりました。これからも、面白いことに挑戦

 しながらやりたいことをしていって下さい。

◯ 生徒たちのユニークな作品に目を奪われて

 しまいました。作者・作品が生き生きと

 描かれているなあと思いました。未来の芸術家

 が現れるかもしれないと思いました。

◯ 今日の美術館の中で一番おもしろかった。

 この作品を見て、私もみんなと話してみたい。

◯ 私は宮城県に住んでいますが、福島の美術館

 が好きで年間パスを買っています。みなさんの

 応援プロジェクトを見て、もっと好きになり

 ました。センスとてもいいです!Good Job!

 

 授業者の5年越しの構想が見事に県立美術館に

届き、実を結んだ。生徒の作品が様々な視点から

共感を呼び、刺激を与えることとなった。

大きな自信に繋がるだろう。

 授業者の様子から、「教員としてのやりがい」

を感じる瞬間に立ち会えた気がして

嬉しくなった。

 今、生徒たちの作品は大きな輝きを放ち、

校舎内に展示されている。