校長ブログ

おがっちBlog

【おがっちBlog81】葵の夏 2024!

 朝夕は、爽やかな風が吹き始め心地よい気分に

なるが、日中は暑い日が続き、処暑の訪れを望み

たい。

 今回は、葵の夏を何枚かのスナップ写真で

紹介したい。

☆エントリー1「男子トイレに葵タワー出現?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 男子トイレに颯爽とそびえ立つタワーを発見

した。誰がどのような意図で作成したのかは

不明であるが、トイレを訪れた男子生徒の

子供心を擽ったことは間違いない。

 もしかして、第2タワーの作成に着手するの

かと思いきや、2日後にはさら地に戻っていた…

(^-^*)

☆エントリー2「中秋の名月」

 

 

 

 

 

 

 

 

 家庭クラブの生徒が毎年購買室隣に作成して

くれる「葵版 中秋の名月」。今年の中秋の名月

は、9月17日であるが、葵版では、ウサギの

餅つきが何とも可愛らしい。

 生徒たちのさり気ない心遣いが本校の特色で

ある。

☆エントリー3「葵 オアシス」

 

 

 

 

 

 

 

 

 1棟と2棟を結ぶ2階通路。私はこの空間を、

「葵オアシス」だと常々感じている。

 生徒同士、教師と生徒、先生方がそれぞれ、

ここに集まり進路の話、読書、学習、相談等々

を行う場になっている。ここから様々な希望が

生み出されているのだろうと想像する。

☆エントリー4「カウントダウン!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、第2職員室(3学年関係者常駐)入口

にあるカウントダウンボードである。3年生に

とっては毎日、目に飛び込む数字となる。この

数字の変化から、3年生はいろんな感情を抱き、

自己と向き合うことになる。全ては、自分の

感じ方次第。みんなで、頑張ろう!!

☆エントリー5「風情あり。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 2年5組の入り口に佇む風鈴。

 きっと、廊下を渡る風や生徒たちの行動が

その時々の音色を奏でるのであろう。その音は

生徒たちにどんな感情を届けるのか。そして

その音を聞いた生徒たちは何を感じるのか。

感じてくれるのか。とても興味がある。

 それぞれが、2024 葵の夏の細やかな

1ページ。素敵な場所です。

 

 

 

 

【おがっちBlog80】星に願いを!

 本校図書館では、毎年七夕にちなみ、図書館

入り口に笹の葉を準備し、生徒に短冊を書いて

もらい飾るというイベントを開催しているが、

今年は近年で最も多い151枚の短冊が集まった

ようである。七夕の短冊の由来は、古代からの

日本の祈りの風習と中国の伝説が結びついた

ものと言われており、願い事を文字にすること

で実現への意志を強くするという日本独自の

文化として大切にされている。

 そこで私は、生徒がどのような願いを短冊に

したためたのか興味があり、内容を精査してみた

 因みに私が小学生時代に短冊に書いた願いは

「プロ野球選手になれますように」だったと記憶

している(笑) 

 精査の結果、

第1位「進路目標達成や成績向上」31短冊

これは、想定通りであった。生徒は神にもすがる

思いで日々努力を重ねているのである。中には、

・日本史で報われますように。

・古典の授業で、指名されませんように。

・先輩が合格できますように。

・赤点回避!!

といった、内容もあった。

第2位「恋愛に関する願い」30短冊

生徒にとってはとても切実なのだと思う。

願いが叶い、いや叶わなくても高校生活に彩りを

添えるのは確か。今の気持ちを大切にしてもらい

たい。

・もらった浴衣が無駄になりませんように。

 彼氏がほしい。切実に!

・一緒に夏祭りに行けますように。

・好きな人の、好きな人になれますように。

・彼女ください。

と、願い方も様々である。

第3位「社会的な願い」16短冊

個人的な願いや成績向上などの願いだけではなく

社会正義に関する願いを書く人が増えている。

・葵高生のみんなが毎日ハッピーに過ごせます

 ように。

・世界が平和になりますように。

・幸と愛

・大好きな人達が元気に暮らせますように。

 本当に、優しい気持ちを持つ生徒が多いと

感じる。

第4位「健康に関する願い」15短冊

特に代表されるのが、

・目指せ-10kg

・3kg落とす!!

・美味しい物を食べても体重が増えない身体

 ください。

等々、体重に関する願いであった。また、

・腰の痛みがなくなりますように。

・切実に身長が欲しい。

・足痩せできますように。

・家族みんなが健康でいれますように。

という願いもあった。 

 その次に、部活動に対する願いが多かった。

 最後に、特別編として紹介する。

・何事も適度に頑張れますように。

・人間関係が広がりますように。

・大人な1年になりますように。

・自分を愛せるようになりたい。

・強く生きる。

・世界一の女優になれますように。

・平野先生が元気になりますように。

・可愛くなって高校生活を全力で楽しむ。

 自分の想いを素直に短冊にしたため、星に願う

生徒の姿を想像するだけで胸が熱くなる。

 現代ではSNSによる情報発信が主流となり、

自分の気持ちを自分の文字で書くことは少なく

なっているのではないか。

 この風習が葵高校に残っていること。そして、

葵高生の本音が詰まった貴重な短冊を読むことが

出来て、嬉しく思う。

 因みに、短冊は、陰陽五行説に基づいた五色

(青(緑)、赤、黄、白、黒(紫))の紙を

用いることが多く、それぞれが異なる願いを表す

とも言われているようだ。本校の短冊もこれらの

色の紙を用いています。

 図書館関係者の細かな配慮に感謝です。

 「この思いが、全校生に伝わりますように」と

願いを込めて。

 

【おがっちBlog79】2学期始業式

 8月22日、2学期始業式を行った。2学期は

生徒にとって、様々な行事が予定されている

だけではなく、3年生にとっては重要な時期

になる。その始業式の中で、この夏、私が感じた

ことを校長挨拶として述べた。今回はその内容を

記したいと思う。

 

 まずは、全校生の中に大きな事故や事件に巻き

込まれたという報告もなく2学期の始業式を迎え

られたこと嬉しく思います。君たちは進路活動や

課外授業、部活動、大学見学、ボランティア等に

励み、意義のある充実した夏休みを過ごしてくれ

たのではないかと思っています。

 さて、2学期始業式にあたり、私がこの夏感じ

たことを話したいと思います。それは、葵高生の

計り知れない可能性を目の当たりに感じることが

できた。そんな素敵な夏になりました。

 夏休み直前の合唱部定演から先週開催された

吹奏楽部定演まで本校生徒の活動を見たり、参加

することができました。

 合唱部定演では、少ない人数でも、お互いを

信じ合い、今まで先輩方ができなかった校歌の

混成合唱にチャレンジする強さと優しさを感じる

ことが出来ました。

  野球部は甲子園を目指した1回戦で安達・本宮

高校の連合チームと対戦。終盤に逆転され無念の

敗退となりました。しかし、渡部主将の大きな

声は球場に響き渡り、全員が最後まで諦めない姿

で戦い抜いたことに勇気をもらいました。

 ギターマンドリン部の定演では定演の後に、

私のもとへギターマンドリン部に所属していた

という同窓生の方が来て、今でもギターマンド

リン部が存在していることの喜びと、心に響く

演奏をしてくれたことへの感謝の言葉をいただ

きました。

 インターハイには、弓道部の星野翔和君が

出場し、本県代表として、葵高校の名札を付け

全国の精鋭たちと正々堂々と戦いました。

インターハイという大舞台でも緊張感を感じ

させず、いつも通りの弓道をやり遂げた星野君の

強さに驚かされました。

 茶道部からもお茶会に招待され参加してきま

した。3年生にとっては最後のお茶会と言うこと

で、茶道部で学んだ作法の集大成を拝見させて

いただきました。1つ1つの所作には意味があり

迷いのない自然な動きに、ただただ感心させ

られるばかりでした。茶道部員は、誰もが身に

つけることの出来ない所作を見事に会得したの

だと感じることができました。

 また、家庭クラブの夏野菜をメインにした

創作料理の試食に招かれました。生徒1人

1人の感性と個性豊かで、想像力に満ち溢れた

料理を食し、毎日自炊をしている私にとって

食の大切さと、ありがたさを身にしみて

感じる時間となりました。

 美術工芸部の夏祭りにも参加しました。

スイカ割りやスーパーボールすくい、かき氷

等々久しぶりに童心に戻り、貴重な時間を

過ごすことができました。美術工芸部に対し

ては、部員がお互いの存在を認め合い、

芸術を楽しみ、各自の能力を引き出すために

日々努力している姿が印象に残っています。

 書道部の大作にも驚きました。体験入学で

参加した中学生に「葵」をメインにした

2つの書を披露し書道部の存在感をアピール

してくれました。書道には、心に深く訴える

力があると思います。文字そのものが持つ

意味だけではなく書き手の感情や個性が、

筆の動きや墨の濃淡、線の勢いに表れると

感じます。1号棟2階廊下に展示してあり

ますので、是非見てください。

 最後は、吹奏楽部の定演です。會津風雅堂の

1階席のほとんどが観客で埋まっていました。

約800人の方が来られたと聞きました。

部員が自ら考えたプログラムには、様々な

工夫が凝らされ、聞く人を葵ワールドに引き込ん

でいました。音楽の素晴らしさだけではなく、

本校生の持つ、凜とした姿と底知れない力がある

ことを見せてくれました。

 本当にありがとう。

 これらが、この夏私が体感し、私自身が

未見の我を見出したかけがえのない時間となり

ました。葵高生の計り知れない可能性を

目の当たりにし、嬉しくてたまりませんでした。

そして何より、君たちの持つ可能性を信じ、

引き出してくれている先生方の力を改めて知る

ことができました。

 全ての部活動、学校生活を通して、決して

君たちは、1人ではないこと。お互いを尊重し、

愛おしい気持ちを持ち、コミュニケーションが

どれだけ大切かを知ることこそが必要です。

この夏の出来事は、今話したそれぞれの部員

だけが持つ力なのではなく、葵高生の全てが

秘めている能力を、それぞれの部員が代行し

表現してくれたのだと思います。

 私が君たちと接し、感じたのは

「葵高生はもっと自分を信じていい」し、

「自己を肯定する勇気を持っていい」という

ことです。

 多くの生徒が「葵プライド」全開で活躍した

熱い夏になりました。

 いよいよ勝負の2学期が始まります。3年生は

進路目標の実現の為に、1・2年生は部活動での

活躍や将来の自分を見つけ出す為に、何をすれば

いいのか、考え、実践して欲しいと思います。

 君たちにとって、実り多い2学期になることを

 大いに期待し、私の話とします。

  

 

 

 

【おがっちBlog78】154㎝のグッドルーザー(Good Loser)

 パリオリンピックが、盛り上がりを見せ終了

した。キミたちは、今回のオリンピックで何を

感じたのだろうか?

 私はグッドルーザーと言う言葉が気になった。

グッドルーザーとは、「スポーツや競技、さら

にはビジネスや日常生活の中で、負けたときに

相手や自分自身に対してフェアで、冷静で、

前向きな態度を示す人を指します。」とある。

 大会前から、活躍を期待されていた選手が早々

に負けてしまったのも印象に残っている。柔道の

阿部 詩選手、レスリングの須崎優衣選手等が

あげられる。そんな中、私はスポーツクライ

ミング女子の森 秋彩選手の言葉に引き込まれた

 スポーツクライミングという競技は、ボルダー

&リードの総合点数で争うのだが、ボルダーラウ

ンドは「課題」と呼ばれる4つのコースを登った

数で競い、1回の挑戦で登った高さを競うリード

ラウンドとの合計点で順位が決まる。森選手は、

ボルダーラウンドの1つ目の課題で、身長が

高くリーチのある海外選手たちが次々と完登

していく中、154㎝という身長の為、最初の

ホールドをつかむことができず、登りを始める

ことすらできなかった。(このコースセッティ

ングには、試合後フェアではないと物議を醸し

た)この時点で、決勝に進んだ8名中7位。次の

リードラウンドでは、圧倒的な登りで決勝に

進んだ8人中トップとなり、世界一の実力を示し

た。この結果、森選手はボルダーラウンドとの

合計が135.1ポイントとなり、残念ながら

銅メダルの選手には12.3ポイント届かず4位

となったのです。この後、森選手は次のような

言葉を残します。「メダルも取れなかったし、

完登もできず、すごく悔しいが、悔しい思いを

持ち帰った方が今後強くなる原動力になる。この

順位でよかったと思う。もっと強くてかっこいい

クライマーを目指したい。」と話したのです。

 森選手は自分の身長やコースセッティング

については一言も触れず、前を向いています。

これは、勝敗に関わらず尊重されるべき価値観

を体現していると感じました。グッドルーザー

とは、勝利だけが重要なのではなく、競技や

活動を通じて得られる経験や友情、そして自分

自身の成長が重要であることを理解しています。

この価値観は、競技やビジネスだけでなく、

私たちの日常生活でも生かされるのではないで

しょうか。

 グッドルーザーであることは、個人の品格や

人間性を高めるだけでなく、チームやコミュニ

ティ全体に良い影響を与えます。勝者も敗者も

互いに尊重し合うことで、健全な競争が生まれ、

より良い社会や文化が築かれます。

 パリオリンピックの日本勢の活躍は国民に

勇気をもたらしました。スポーツだけではなく、

何事にも直向きに、一生懸命取り組む姿に

人々は共感し、自分自身の生きる力にしよう

とするのです。

 誰かに認めてもらうために何かに取り組む

ことも必要かもしれません。しかし、自分

自身の生きる証として、自分で決めたことに

取り組むこと。それも必要ではないでしょうか。

 もうすぐ2学期が始まります。逞しくなった

葵高生の姿に、期待しかありません。

 

【おがっちBlog77】ホガード・アディソン先生が教えてくれたこと。

 本校で3年間お勤めいただいたALTの

ホガード・アディソン先生が帰国することに

なり、本校での勤務を終えた。終業式の日に

離任式を行い、全校生徒に最後の挨拶をして

いただいた。(挨拶の内容はトップページ

7月19日の「アディソン先生のスピーチ原稿」

に掲載してあります)

 帰国する前に、先生にお礼の言葉を伝えると

ともに、3年間についての話しを聞かせて

いただいた。その中で印象に残ったのは、

①アメリカでは教員が組織として動くのでは

なく、個人としての仕事なので、日本のような

組織として生徒に関わる事の大切さを学んだ。

②担任制度により、担任が生徒との繋がりを

とても大切にしている。葵高校では、この

繋がりをとても感じることができた。

③葵高校の生徒はとても優しく、考え方や

振る舞いが大人びていた。そして何より

英語の授業に興味を持って積極的に参加して

くれたことが嬉しかった。

④葵校生に望むこと。それは、自分の意見を

怖がらずに表現してほしい。そして、考え方

を日本だけではなく、世界を見て感じる発想

に転換してもらいたい。

⑤授業に必要なのは、生徒が安心して参加

できること。失敗しても大丈夫、頑張った

ことが認められる雰囲気作りだと思う。

 生徒にも、我々教師にも大切なメッセージを

残してくれた。そして、葵高校での授業を総括し

「葵高校では多くの授業実践を行うことが出来た

ので、やり残したことがあるとは思わない。

確かな成果を残すことも出来たので、非常に

晴れやかな気持ちでもある。そして、この学校で

過ごした多くの時間は、非常に素晴らしい時間で

あった。自分が離任した後も、生徒の心に良い

影響が残れば嬉しい。」と笑顔で話してくれた。

 アディソン先生は「3年間でやり残したことは

ない」とはっきり言えるまで、本校生徒と向き

合い、英語の楽しさと必要性を伝えてくれた。

 この出会いに心から感謝したい。

 アディソン先生、あなたが、会津で葵高校で

過ごした3年間が、今後のあなたの成功に繋がる

ことを願っています。

 どうか、お身体に気をつけて、幸せな人生を

送ってください。そして、また会える日を葵高校

一同で楽しみにしています。