【おがっちBlog94】終業式
2024年12月19日 10時18分先日、2学期の終業式が実施された。
2学期を振り返り、全校生へ向けた
メッセージを記したい。
この2学期、葵高生として学習は勿論、
各種大会、コンテストで活躍をしてくれた
キミたちの頑張りを心から嬉しく思い
ます。
私もいくつかの大会等に出向き、普段
の練習の成果を全力で発揮しようとする
キミたちの姿を見て、大きな感動を覚え
ました。そして何よりも、様々な環境の
中でキミたち一人一人が努力を積み重ね
全員無事に、2学期の終業式を迎えられた
ことに安堵しています。
4月からを振り返ってみても、コロナ
感染症からの制限が解除され感染拡大
以前の、当たり前の日常に戻りました。
しかし、その当たり前は、以前の当たり前
とは大きく変化し、私たちの日常に様々な
影響を及ぼすことになりました。
キミたちの学校生活も、健康を維持する
ためにマスク着用や換気、手指消毒の活用
等々、意識が高くなったように感じます。
また、受験においてもオンライン面接が導入
されるなど、今後も今までとは違う対応が
増え、キミたちはその変化に、柔軟に対応
することが求められてきます。しかし、この
ような時代の中でも、キミたちの将来に
ついて、自らの意志と決断が伴うその行程
は変わることはありません。
現在、3年生は、自らの進路目標達成の
ために、日々行動を貫いています。
校長室で、自分の将来について目を
輝かせて話し、その実現のために進路先を
決め、合格するために必死に挑もうとする
その姿に、私は「葵の希望」を感じます。
キミたちは、「愚か者は経験に学び、
賢い者は歴史に学ぶ」という言葉を聞いた
ことがありますか?これはドイツの
鉄血宰相と呼ばれた
オットー・フォン・ビスマルクの格言です。
「愚か者」は自分で失敗して初めて失敗の
原因に気づき、その後、同じ失敗を繰り
返さないようになるという意味で、
これでは経験したことからしか学べま
せん。それに対し、「賢い者」は自分が
経験できないことも先人たちが経験した
こと、すなわち歴史を学ぶことで多くの
知識を身につけることができる。
ということです。賢い者は過去の他人の
失敗から学び、同じ失敗をしないように
行動するというわけです。
一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生は、
1984年に出版した『失敗の本質』で、
日本が第二次世界大戦で敗戦を喫した
原因を「当時の日本軍は作戦が失敗
すると、その原因などを分析するのでは
なく失敗を覆い隠すようなことをして
失敗から学ぶことしなかったことに
大きな要因があった」と分析しています。
そして、日本軍の敗因分析からさまざまな
教訓を引き出し、勝てる組織になるための
方法を提言されています。
この『失敗の本質』は当時異例のベスト
セラーとなり、経営者必須の書になった
ということです。
さて、ここで1、2年生に確認します。
キミたちは、進路指導部からの進路資料
「葵の軌跡」及び「ベクトル」という文書を
読んでいると思います。そこから、先輩方
からの道標を、今キミたちにどれだけ
届いていますか?「葵の軌跡」を、私は
本校進路のバイブルと位置づけています。
そして、「ベクトル」には、後輩への「学習」
「生活」面でのアドバイスが様々な視点
から記されています。「学習」面では、
・模試の復習は必須
・他人の点数ではなく、自分の点数
だけを見て勉強する
・勉強習慣の確立には1ヶ月かかる
・勉強がスマホより面白くなる瞬間が来る
・後悔している我々の姿から学んでほしい
・苦手な教科ほど足を引っ張る
「生活」面では、
・十分な睡眠を取った方が全力を出せる
・1日の目標を達成したら自分にご褒美を
・スマホから離れる勇気を
・自己肯定感を下げずに前向きに。
自分を褒めてくれるのはまず自分。
等々、葵高校の伝統として脈々と伝わる
先輩方の格言を受け、キミたちは
「愚か者」として、アドバイスを残すのか、
「賢い者」として、目標達成を果たすのか、
自分自身で考え、判断し、行動に移して
ください。
キミたちは、本校生としての自覚を強く
意識し、それぞれの場面で「葵プライド」を
存分に発揮してくれました。それこそが、
葵の誇りであり、私もキミたちとの
かかわりから、多くの刺激を受けること
ができました。これからも、キミたち
にとってかけがえのない時間を、大切にし
自分が納得できるまで、生きて、
生き抜いて欲しいと思います。
キミたちをはじめ、葵高校に関係する
全ての皆さんが希望に満ちた、
新たな年を迎えられることを
心から祈念し、終業式の挨拶とします。