【こうちょうブログ 005】正解のない問い
2025年7月4日 19時10分「梅雨は、どこへ行ってしまったの?」
ほぼ夏真っ盛りの毎日です。
会津盆地の道路沿いのいたるところで、実に華やかな色彩で大空に向かってまっすぐに伸びる凛とした風情の立葵が咲き誇っています。立葵は、本校の校章や校歌にも用いられている花であり、私としても、とても気になる花であるわけです。
今、地域の中学校が主催する高校説明会が盛んに行われており、そんな立葵の姿に見とれつつ、会津地域の各中学校を訪問しておりますが、高校受験に向けて準備を進める中学生とその保護者の皆様に、本校の特色などをお伝えする貴重な機会になっています。私もこれまで11校の中学校様を訪問し説明させていただきました。説明の中で、本校の教育活動の特色として、最も力を込めてアピールするのは、1,2年生の2年間を掛けて取り組む課題探究「葵ゼミ」です。
「葵ゼミ」の特徴は、個人探究であることです。生徒たちは、自分の興味・関心や進路希望などを元に、①健康・生活、②スポーツ・パフォーマンス、③科学・技術、④環境・動物、⑤国際関係、⑥教育・学び、⑦文化系、⑧社会、地域活性化、⑨心理・人間関係、⑩教育コースの各分野から、自分の意志で1つを選択し、自分自身の疑問からの問いと仮説を立てて、様々な方法で検証しながら、自分だけの気づきや課題に対する理解を得ることを目指して進めていきます。
生徒それぞれが主体的に進めるそのプロセスでは、必要に応じて、探究の伴走者である担当の先生方との対話や、実際に地域社会に出て、各分野の専門家の方などから助言をいただくことが欠かせません。特に本校では、地域の方々と連携し、生徒たちの取組に対するご支援をいただくことを推進するために、「葵高校パートナー登録」を導入し、「葵ゼミ」をはじめとする本校の教育活動に対するゲストティーチャーや伴走者としての登録と、生徒たちが社会参画を果たす機会の情報を継続的に募集しています。(※本ホームページの「葵ゼミ」のページに登録のリンクを設置しております。)
そして、2年生の12月に実施する「課題探究発表会」が、「葵ゼミ」の一つのゴールとなります。そこでは、自分の探究の成果を正しく理解してもらえるように、根拠を示しながら論理的に伝える「表現力」が試されます。
正解を導き出す能力においては、人間を遙かに凌ぐAIが、新たな価値観の社会を創り出す時代が到来しています。第4次産業革命、特にAI技術の進展は、人間にとって新たなルネサンスとも言える革命の時代を開いたわけです。それは、私たち人間が、AIには成し得ない人間ならでは資質能力を発揮しながら社会貢献を果たし生きていくことが求められる時代であり、正解のない課題探究のプロセスを通じて生徒たちが身につけていく資質能力とは、そんな時代を生き抜いていくために必要な力であるのです。
「AIには成し得ない人間ならでは資質能力とは何か?」
「それを身につけるために必要な学びの在り方とは?」
今、教育現場で求められている「学びの変革」とは、この問いに対する教師自身の探究のプロセスなのです。