校長ブログ

2023年11月の記事一覧

【おがっちBlog38】ある朝の出来事。

 本校では、現在でもインフルエンザ感染者

とコロナ陽性者が何名かおり、体調不良の

生徒が早退することもある。

 そのような中、先日体調不良で早退しよう

としていた生徒に声をかけた。

「期末考査前なんだから、ゆっくり休んで

体調を整えるんだよ。」

「はい、わかりました。」と言って、家路に

就いた。

 次の週から期末考査が始まり、考査2日目

の朝、その生徒と廊下ですれ違った。

 「おはよう。体調どうかな?」

 「おはようございます。喉の調子はイマイチ

ですが、何とか大丈夫です。ご心配いただいて、

ありがとうございます。」と話し、微笑みながら

教室へ向かっていった。

「ご心配いただいて、ありがとうございます。」

自然に生徒から出たその言葉が、心に残った。

 自分が高校時代に、ここまでの返事ができた

とは思えない。どうして、こんな素敵な言葉を

自然に発することができるのだろう?

 私は常々、生徒たちと接する中で、このような 

感覚を覚えることがある。

 18歳で成人となる高校生ではあるが、

まだまだ成長の途中である。しかし、大人と呼ば

れる我々が、彼らから気づかされることが多い

ことも事実である。

 葵高生との関わりは、私自身を振り返るために

必要な、かけがえのない時間である。

 

 

 

【おがっちBlog37】憧れるのをやめましょう!

 「憧れるのをやめましょう!」

 この言葉は、大谷翔平選手が2023ワールド 

ベースボール クラッシックの決勝、アメリカ戦

直前に日本選手に語りかけたものである。

 憧れの人物がいることは素晴らしいが、

今回の場合、その気持ちを持つことが、

勝つんだと言う気持ちの壁になることを

払拭した、名言だと感じた。

 大谷選手は、今年、野球の聖地アメリカ

大リーグで2度目の最優秀選手となった。

(因みに、大リーグで最優秀選手になった

日本人は、イチロー選手と大谷選手しか

いないし、2度の獲得は大谷選手のみ)

 この快挙にアメリカのニューズデー紙の

エリック記者は、大谷選手に関する最大の

賛辞は、選手たちからの声だと話す。

 メジャーで戦う選手たちが同世代の選手に

畏敬の念を抱くことは凄いことだが、他の選手

たちが大谷選手について語っている声を聞くと、

まさに全員が畏敬の念を抱いている。

 そのような選手はごくわずかであり、その中

でも、大谷選手への尊敬の気持ちはップなのだ

そうだ。

 また、大谷選手の花巻東高校時代の恩師である

佐々木洋監督は、

 大谷選手が「目指していること」と「そのため

にやらなければならないこと」を一致させ、

夢を遙かに超えて実現していく。彼は子どもたち

にグラブを与え、更にこれからは夢を与えていく

ことだろう。

 運命を決めるのは、今までの「歴史」ではなく

その人の「選択」であり、「決断」だと思い知ら

される。

 と語っている。

 葵の諸君、君たちのたった一度の人生、

どうか、この葵で仲間を増やし、刺激し合い、

たくさんの経験から、悩み、苦しみ、考え、

そして決断、行動できる人間になってみないか。

 自分自身を認める為に。

 自分自身を愛する為に。

 自分自身で生き抜く為に。

【おがっちBlog36】『竜馬』さんが葵にやってきた。

 千葉県出身のヴァイオリニスト竜馬さんを、

本校音楽の授業に講師として招聘し3年が経つ。

 生徒の目の前で、プロのヴァイオリニスト、

それも、NHK大河ドラマ「龍馬伝」、映画

「ALWAYS三丁目の夕日」「嫌われ松子の

一生」等、ゲーム「ファイナルファンタジーX」

等々に関わった方が奏でるのである。

 生徒たちの心にその音楽は、どれだけの衝撃を

持って、届いたのだろうか。

 私も、何度か拝聴させていただいたが

「目をつむって聴きたい、体中に染み渡る感覚」

「感情が高ぶられ、涙腺を刺激する」

「音楽から、その情景が目に浮かぶ」…

 音楽担当の長谷川先生と竜馬さんが偶然に

出会い、「是非、生徒にも聴かせたい」という

先生の依頼を、快諾してくださった事により、

今に至るのである。

 長谷川先生は、「教えることだけなら、県内の

方に依頼すればいいが、竜馬さんのLIVEの空気感、

臨場感を直接生徒に感じてもらいたい。そこから

生徒たちは、今まで経験したことのない感覚を

得ることが出来る。」と断言する。

 多くの生徒は、その奇跡の授業を受けた後、

竜馬さんの前に並び、握手とサインを

してもらう。その気持ちは十分に理解できる。

 また、竜馬さんと話をすると、決して今に満足

することなく、常にその先を見据えて、自分が

何をしていきたいかを考えていることがわかる。

プロのヴァイオリニストとして成功を収めながら

エンターテイメントを通して子どもたちの心の

育成を目的とする会社を立ち上げ、地域活性活動

や慈善事業にも積極的に参加し、独自のやり方で

社会貢献の一役を担っているのである。

 そんな生き方をする竜馬さんから、生徒だけで

なく、我々も学ぶべき事は多い。

 どんなツール使っても、人の感情を揺さぶり、

気持ちに大きな衝撃を与えることができる人には

共通点がある。

 それは、成功と苦い経験から得た揺るぎない

「自己肯定」ではないだろうか。

 竜馬さんのこれからの活躍を祈念すると共に、

葵高生との繋がりも継続させていただきたい。 

 感謝!!

 

 

【おがっちBlog35】18年ぶりの快挙達成!!

 福島県高等学校家庭クラブ連盟が主催する

研究発表大会で2年5組の遠藤結衣さんが、

ホームプロジェクトの部で最優秀賞を受賞した。

 この大会は、今年度で第71回を迎える歴史

ある大会であり、本校にとって18年ぶりの

快挙となった。

 ホームプロジェクトの部というのは、個人

研究であり、会津地区予選を勝ち抜き、会津を

代表して県大会に挑んだ結果であった。

 先日、顧問の須賀先生と発表のサポートを

してくれた同じクラスの菅山さくらさんと共に、

校長室に大会報告に来てくれた。

 遠藤さんの喜びに満ちた笑顔は輝いていた。

 今回の発表は、

「野菜が食べたい!! ~野菜嫌い克服チャレ

ンジ~」という題である。この題にした理由は、

遠藤さんの住む地域は、稲作を中心とした農業

が盛んで、美味しい野菜や果物が沢山採れる。

しかし、遠藤さんの家族は野菜を好まず、

食卓には肉や魚が多く、野菜があまり並ばない

そうだ。そこで、遠藤さんは、自分が大好きな

野菜料理を食卓に並べたいと思い、この題と

なったそうだ。

 この研究を進める為に、計画を立て、実態

調査①、実践①、中間評価から改善点を見つけ

出し、実態調査②、実践②を行い、まとめと

今後の課題を明確にするまで集中して取り組み、

この度の受賞となった。

 遠藤さんは、今回の研究を通して様々な発見

があったと話してくれた。

 調理法や野菜の形状を工夫することで食べ

やすくなること。時短料理も出来るように

なったこと。更に、タレの効果や災害時に

役立つ調理法も身についた。そして何より、

家族との繋がりを強く感じることが出来た

そうだ。

 家族との何気ない日常生活の中から課題を

見つけ出し、家族を想って改善策を考え、

家族の豊かな食生活を実現させた。

 まさに、本校のグラヂュエーションポリシー

(卒業までに、このような生徒を育てます)を

体現してくれたと嬉しく感じている。

 そして、須賀先生、菅山さん、家庭クラブの

仲間と、多くの人たちからサポートを受けた

遠藤さんのこの受賞は、「葵プライド」を象徴

するものになった。

 この研究は、本県を代表し、来月宮城県で

開催される東北大会に進むことになり、

結果次第では全国大会である。

 乞うご期待!!

  左 菅山さくらさん  右 遠藤結衣さん 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おがっちBlog34】西雲院(せいうんいん)②

 鶴ヶ城天守閣の側で、あの日の出来事を

思い出す。

 我々は、會津藩士の供養をしたいと思い

西雲院を訪ねた。鳥の囀りと暖かな日差しを

受け、ひっそりとした場所に佇むその墓地は、

松平容保公の石像に見守られように建墓されて

いた。

 花を手向けようとした時だった。なんと

西雲院の住職 橋本周現様が、現れたのです。

 会津の高校から供養に訪れたことを知り、

お忙しい中、我々の前で、供養のためのお経を

唱え、御焼香までさせていただいた。

 住職は、お経の後、

「わざわざ、この場所を訪れて頂き、ありがとう

ございます。新島八重さんの故郷ですよね。」

 と発せられた。その後

「この墓地は、幕末に松平容保公が京都守護職に

任ぜられ會津藩士千名と共に入京しました。

 当時の京都は暗殺と強奪が日常化していました

が、會津藩士の目覚ましい活躍で治安は回復され

ていきました。しかし、藩士の中で戦病死する者

が続出したためここに墓地が整備され葬られたの

です。その後、鳥羽・伏見の戦い等で亡くなった

352霊を合祀しています。」

 という話をしてくださった。

 そして、新島八重さんも、よくこの場所を訪れ

供養してくれたそうだ。また、会津の方々が来れ

ば、ここに案内し一緒に記念写真を撮っていたと

いうと貴重な話をしてくださった。

 お忙しい中対応してくださった住職は、最後に

我々一人一人に御守りをくださった。

 この御守りは、會津墓地を約80年見守った

ミズナラの材で作成した、腕輪念珠御守りで

ある。

 松平容保公が入京してから約160年。

 目の前にある鶴ヶ城天守閣を想う気持ちに

新たな感情が加わった。

 今回の修学旅行の目的の一つに、

「史跡や文化遺産、地域に息づく風土、

伝統産業、人々の暮らしなどを肌で感じると

ともに、あらためて日本文化の歴史や伝統に

ついて考える。」とある。

 生徒たちは、この修学旅行で、何を感じ、

何を想い、いくつ未見の我を見つけ出す

ことができただろうか?