校長ブログ

【おがっちBlog92】2024『還』

 今年もあと1ヶ月を切った。キミたちの1年を

振り返ってほしい。どれだけの成長を感じ、

目標達成は出来たか、どこまで近づいているか、

振り返りは次のステップに繋がる行程である。

 さて、私の今年の一文字は、「還」

還暦を迎えたこともある。干支は「十二支

(じゅうにし)」と「十干(じっかん)」の組み

合わせからなり、60年で一巡するサイクルと

なる。つまり、自分が生まれた年の干支に還る

のは61年目。このことが満年齢60歳・数え年

61歳で還暦を祝う由来とされているのである。

また「還」には、まわりまわる。めぐる。

めぐらす。と言う意味がある。そこから、1年を

振り返ると、日々の生活から、今までにない感覚

を感じることが多かった。葵高校の校長として

2年目、学校は日々動き、息づいているので、

成長の連続である。その中で、生徒、保護者、

地域の環境変化、多様性の存在を痛烈に感じると

共に、その全てに対応し真正面から向き合って

いる本校教員の日々の姿に、「今日も、頑張り

ましょう。」と背中を押し続けていた。

 教育を表す言葉として「不易流行」がある。

これは平成8年中央教育審議会での言葉で、

教育はいつの時代にも必要とされ、決して消える

ことはなく、今まで何度も巡り巡って今に至る。

松尾芭蕉が『奥の細道』の旅の間に体得した

概念と言われており、「不易を知らざれば基立ち

がたく、流行を知らざれば風新たならず」と

説かれている。つまり、「不変の真理を知らな

ければ基礎が確立せず、変化を知らなければ

新たな進展がない」ということだ。改めて、

この言葉をしみじみと感じた1年となった。

 人としては、どうか。

 幸せなことに、孤独感に苛まれる事が

少なかったように思う。つまり、どんな時でも、

誰かがそばにいてくれた感覚があった。教員と

いう職業柄、これまでの人生で環境、考え方、

価値観の違う方々との出会いを果たし、初めて

赴任した会津の地、そして葵高校でも様々な

生徒、教職員をはじめ多くの関係者と共に

過ごす事ができた。この経験が還暦を迎えた

私に新たな感覚と刺激を与えてくれたのだと

強く思う。

 今年の一文字「還」

 しみじみと今年を振り返る。この言葉を

大切にしながら、また、来年を生きよう。

 私の心に、ある禅語が落ちてきた。

「更に参ぜよ、三十年」

 まだまだ、お楽しみはこれからだ。