【おがっちBlog98②】『葵魂(あおだま)』
2025年1月30日 10時00分3年生の後藤優喜(ゆうき)君が2人目の
「葵魂」となる。
彼は、この度「陸上自衛隊音楽隊」(以下
音楽隊)の採用試験に合格し、先日新聞にも
取り上げられた生徒である。音楽隊へは一般的
に音大卒業後に受験し採用されるのだそうだ。
自衛隊福島地方協力本部会津若松出張所に
よると、現役高校生の合格は極めて珍しい
と話していた。
彼は、本校吹奏楽部の部長を務め、楽器は
クラリネット。既に私立の音大にも合格して
いたのである。それでは、なぜこの音楽隊に
チャレンジしたのか?
彼は幼少期から父親の影響で自衛隊の航空祭や
総合火力演習、イージス艦の見学等自衛隊の
イベントに参加することが多く、隊員の逞しさや
参加者と触れ合う際の優しさに惹かれた。
小学4年から始めたクラリネットを生かし音楽を
仕事に生かしたいと考える中、この音楽隊の存在
を知った。災害派遣で演奏し被災者の皆さんを
勇気づける姿を見て、「音楽で人々に寄り添い
たい」という思いが芽生え、音楽隊に入りたいと
決意したという。
前にも書いたが、音楽隊の合格者はほとんど
音大などの卒業生で、高校生の自分にはまだ
早いという意識が働いたが、「どうしても、
諦められないという気持ちと、駄目で元々」と
開き直ってこの試験にチャレンジしたのである。
彼は将来に向け、福島市で週1回個人レッスン
を受け、若松市内でもピアノとソルフェージュ
(音楽理論や基礎を習得する)を学んでいる。
また、近所の方々の理解と協力で午後9時まで
音出し練習が可能であるという。
そんな中望んだ試験だが、課題曲が思うように
演奏できず、十分な手応えはなかったが、見事に
合格を勝ち取った。この快挙に会津若松出張所の
方々が、わざわざ来校してくださり、喜びを
分かち合うことができた。
彼の「音楽で人々に寄り添いたい」「音楽で
世界の平和に貢献したい」「海外の人との関わり
をたくさん持って、絆の架け橋になりたい」と
いう気持ちに感銘を受ける。
彼は、「葵高校での生活が、自分の夢を叶える
ために背中を押してくれた。」と話してくれた。
「葵魂」を体現し、多くの方々のサポートを
力に変え、自分の夢を叶えた後藤君の未来に
心からエールを贈る。